見出し画像

記事紹介:コロナワクチンの健康被害は「副反応」ではない

今日は以下の記事を見掛けたので紹介しておこう。

記事で取材されている京大名誉教授は最近の核酸ワクチンについては反対派として有名だと思う。この人の理論は極端な部分もあるので、全てをそのまま受け取ればいいというものでもないのだが、記事の中には重要な示唆もあるのでコメントしながら紹介していきたい。

前半は用語の問題や印象の問題など抽象的な内容になっているので割愛するが興味があれば読んでほしい。私が気にしたい点としては中盤以降である。

注目すべきは実診療レベルのリアルワールドデータです。臨床試験はイデアルワールドであってこれをもって、副作用リスクがないという指摘自体がナンセンスですね。国は保有しているリアルワールドデータ(HER-SYSとVRS)を開示するべきです」(福島教授)

このリアルワールドという考え方は臨床試験とその後実際に使用されてからの成績を比較する上で非常に重要なものである。何しろ多くの場合、臨床試験のデータと、承認後に使用され始めてからのデータに色々な違いが生まれるものなのだ。それは有効性や安全性を含め、市販後の調査がいかに重要かを意味している。医薬品開発においては常識とも言える概念であるが、核酸ワクチンにおいてその点が十分考慮されているかどうかは疑問もある。何しろ今回の核酸ワクチンについては政治的側面があまりにも大きいからだ。

実際問題として、過去に私が紹介したものも含め、最近では臨床試験後のコホート研究も実施されてきており、臨床試験では見られていない有意なリスクが明確になってきている。記事にもある通り、現実社会でこれだけ接種されたワクチンの安全性を検証するには、海外の論文やデータを引っ張り出して理屈をこねるのではなく、「診療」の現場で、実際に副作用や健康被害を訴える患者と向き合っている医師たちの「報告」にもっと耳を傾けなくてはいけないというのは一理あるだろう。

また、ワクチンの有害事象が誤情報として逆に印象操作される可能性も触れている。

ワクチンは安全だと接種を呼びかける日本政府からすれば、ワクチンの副作用の深刻さを訴えるような主張は「誤情報」として規制の対象になる恐れもあるのだ。これは民主主義と科学の両面においても非常に問題だと福島教授は訴える。

核酸ワクチンの有害事象に関する主張について何でもかんでもデマだの陰謀論だのと切り捨て、反ワクチンとして無視する人間が一定数存在する。もちろん実際に意味の分からないデマは多く存在するのだが、彼らはその背景にある科学的な意味やデータを理解出来ないので十把一絡げに否定するしか出来ないのだろう。また、民主主義においては多数の愚かな人間による衆愚政治が問題となることは過去のコラムで書いた通りだが、真に科学的な正しさというものが政治によって無視される事は少なくない。例えば私の書いている記事は基本的に全て教科書レベルの免疫学的知識と、学術論文として公開されている公知情報のみを基に執筆している。背景に私だけが知っている実験結果などが皆無ではないが、基本的な考察も妥当な理論展開から逸脱してはいないだろう。その様な内容について誤情報であると反駁出来る人間がいるなら是非やってみてほしい。

「政府も必死でやっていると思いますよ。でも、残念ながら政策に関わる人たちが臨床医学について無知すぎる。そこに加えて、日本という国は一度決めて動き出したことからなかなか“撤退”できないという問題があります。過ちて改めざる。これを過ちと言う。論語を読み直せと言いたいですね。 政治・行政の無謬性を死守するため、科学的・合理的な冷徹な判断をあくまで無視しようとする。そういう思考停止が凄まじい悲劇につながることは、旧日本軍のインパール作戦やガダルカナル島の戦いと全く同じですよ」(福島教授)

特に日本の政治・行政の間違った事でも始めたらやり進めるという姿勢は衆愚政治の最たるものである。上記の一節は私も全くの同意であり、今の核酸ワクチン推進政策が如何に愚かなものであるか、強く訴えたい。

(参考:核酸ワクチンについてのコホート研究)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?