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記事コメ:新型コロナワクチン健康被害 副反応疑い報告されていない事例が相次ぐ
今日は下記の記事を見掛けたので紹介しておこう。
記事ではワクチンの健康被害について、医療従事者や健康被害を訴える市民に周知し報告を促すよう市に要望書を提出した関学教授が紹介されている。この教授自体は経済学が専門であり、医学者としての立場から要望を出したのではなくワクチン被害者の立場として要望を出しているのでその点は注意されたい。
この教授は過去に予防接種健康被害救済制度に申請し、因果関係を否定できないとして医療費と医療手当の支給認定を受けたのだが、この際にワクチンを接種した医師に自らの症例を副反応の疑いとして報告するよう促したが拒否され、国に報告されなかったということだ。記事では以下の様な兵庫県内の数字も挙げられている。
ワクチンの安全性を評価する国の副反応疑い報告制度では、必ずしも因果関係が明らかでない場合であっても副反応の疑いがあれば、医師や歯科医師など医療関係者はPMDA・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構を通じて国に報告する義務があります。兵庫県によりますと、2024年8月末現在、新型コロナワクチンとの因果関係を否定できないとして県内でワクチン接種後に亡くなった32人が健康被害救済制度による死亡一時金や葬祭料などの支給認定を受けました。しかし、認定を受けた32人の事例のうち医師などから副反応疑いとして国に報告された事例は10人にとどまり、約7割が報告されていないということです。
記事によると、兵庫県内においてワクチン接種後の死亡で因果関係を否定出来ないとされた方の中で、医師からの報告が上がっていたのは3割にとどまるという事だ。
医療機関と行政の最新の考え方が、どの様になっているかについては明言できない部分もあるが、現時点の実情として、医師から報告されている副反応の疑いというのは、実際に何らかの異常を来した人の数よりもはるかに少ないというのは事実なのであろう。上記の副反応疑いの報告は予防接種法によって定められた医師の義務であるが、実際には建設的な判断に基づく運用が行われていないという現実がある様だ。
その背景の一つとして、核酸ワクチンに特有のリスクを全く理解していない医師の存在というのは大きな問題としてある。つまり、既存のワクチンと同じ感覚で副反応を捉え、当該の症状に関して勝手に因果関係が無いと思い込むのである。また、その意識があっても、あらゆる機序や症状について全て把握できている医師がいるとも思えない。論理的に言えば、少なくとも症例報告がある症状(それは因果関係の有無はさて置き、専門医が可能性を踏まえて報告した症例であるのだから、上記副反応疑いを否定できる筈が無い)について、疑いを報告しないなどあり得ない筈なのだが、多くの場合その前提となる知識すら足りていない。
この様な状況であれば、極端に言えば「因果関係を時間的関連のみに基づいて認める」という網羅的な処理以外にあり得ないのではないだろうか。つまり、症例ベースで因果関係を考察するというのを、末端の医療者がバラバラに行って許される状況ではなくなっていると思う。ワクチン接種→身体の異常という時間的な関係があれば、実際の因果関係を評価するのは一医師ではなく包括的な審査を責任を以て担う行政に任せ、少なくともきちんと報告を上げるという義務を果たすべきではないだろうか。業務負担が増えたとしても、核酸ワクチンという許されざるべきモダリティを許容し推進した一定の責任が臨床医にもある事は疑いようもなく、且つその恩恵を最大に受容したのが医療負担の軽減という観点で医療機関である事も疑いようがないのだ。今回の記事からは実態が分かる情報というのは少ないのだが、これを読んで考えるべき点は多い様に思えた。