記事コメ:コロナワクチン 増え続ける副反応疑い死
【医療の裏側】自己免疫疾患で苦しむ患者も 厚労省が説明尽くさねば
https://news.yahoo.co.jp/articles/b026be1c572e94d2b8ca62fca15463f83dfe717b
という事でニュース記事が掲載されていたので紹介しておこう。科学的な内容はあまり無いが、一つの視点から考えるべき事は多いと思う。
自己免疫疾患関係のインタビューに関して言えば、IgG4関連疾患:IgG4-RD発症に関する部分が興味深い。IgG4関連疾患は抗体の種類の中でもIgG4という抗体が血液中で高い濃度になる事や、障害を受けた臓器にIgG4産生B細胞が数多く浸潤している事を特徴とするため、そう呼ばれる。ただし、上記は観察された「結果」であり、その機序などは不明な点が多い。
少し抗体の種類にも触れておこう。抗体には「クラス」そしてさらに細かい「サブクラス」と呼ばれる様々な分類がある。まず大きな分類として、そのタンパク質としての構造に基づき、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5つのクラスに分けられる。その中で最も重要・一般的かつ多量に存在するのがIgGであり、一般的に「抗体」の機能としてイメージされるものはIgGである。IgGには4種類のIgGサブクラスがあり(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、どのサブクラスが産生されるかは存在するサイトカインの種類や抗原提示細胞の働きなどによって変化すると考えられている。
通常IgG4はIgGサブクラスの中で最も少ない抗体の種類であるのだが、それが多く産生されて自己免疫疾患になる場合があるという事だ。実際問題としては、核酸ワクチン投与後にIgG4関連疾患を再燃したという症例報告も海外からなされている(Relapse of IgG4-related nephritis following mRNA COVID-19 vaccine. Kidney Int. 2021;100(2):465–466.)。IgG4産生のメカニズムにはまだまだ不明な部分も多く、現時点で何かこれ以上の事を述べるのは難しいが、核酸ワクチン投与後にI型IFNが大量に産生されたり、人によってはTh2型サイトカインの産生が導かれたりしたことによってIgG4のクラススイッチが促進されるという状況が起こり得るのかもしれない。
いずれにしても、この様な記事をきっかけに、関連の事象や知識を勉強してみるのは自身の健康を考える上でも重要な事であろう。