ゴジラ-1.0【極私的感想】
誰かが言った。
「今までのゴジラとは一線を画す映画だった。」
実のところ、僕は幼少期から怪獣映画というものにまったく興味がなかった。
みんながウルトラマンをテレビで夢中になってる時も、ウルトラマンが怪獣に負けるのを楽しみにしながら観てたような子供だった。
とにかく子供の頃から現実的だったのか。
前作、庵野秀明監督の「シンゴジラ」も映画館で観たけれど、何の感動もなかったし、
「やっぱり怪獣映画は性に合わない」と思ってた。
でも今作のゴジラは「三丁目の夕日」などの監督である山崎貴が単なる怪獣映画ではなく、ゴジラを取り巻く人間ドラマを加味したと言っていたとか…。
それで同い年の友人と二人で映画館で観ることにした。
今までの特撮ではなく、山崎貴お得意のVFXをフルに駆使した映像には迫力を感じた。
でも観ながら冷静な僕は、
「グリーンバックの前での演技や演出は大変なんだろうな。」などと冷めた目線でも観ていたのは確かだった。
俳優陣も東宝が社運を賭けたのがわかるようなキャスティングでもありながらも、やり過ぎ感を出さないように心がけてる一面も読み取れたり。まぁ本当に怪獣映画にハマれない体質ならではの見方をする自分が少し嫌になったりもした。
内容はともかく敗戦直後の日本がゴジラと戦うというストーリーで、その時代背景が今までのゴジラとは大きく違っていたんだろう。
そこには敗戦した日本人の苦しみや葛藤が描かれていて、ドラマとして成立させやすかったのだろう。
でも、結局苦戦しながらも人間たちがゴジラを退治し、その上主人公に関わる人たちのハッピーエンドすぎるエンディングに興醒めした。
あのアメリカ映画「インディペンデンスデイ」とよく似た印象を持ったのだが、あのご陽気大国アメリカの映画「インディペンデンスデイ」でも宇宙人の大型母船に突っ込んでいくオヤジの命が引き換えになったのに、ゴジラではみんなハッピーだった。
やはり痛みを伴うからこそ感動のエンディングが迎えられるものなのに、とケチを付けながら映画館を後にした。
70点
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