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エゴイスト【極私的感想】

ゲイ、ホモセクシャルの映画というのを知ってたので、ちょっと食指が伸びなかったのだが、鈴木亮平が今回はどんな演技をするかに興味があった。
鈴木亮平の凄さは前作の「狐狼の血 Level2」で主演の松坂桃李を完全に食った凄まじい演技や、ドラマ「天皇の料理番」での白身の演技で立証済みだった。

そんな彼がどのくらいの精度でゲイを演じるかがこの作品の焦点となったのだけれど、
流石だった。
まるで、「もしかしたらホンモノなんじゃないの?」とさえ思わせるほどのリアリティ溢れる演技。
それは手の動きや指のしなやかさにまで表現されており、「演技職人」と呼んでもいいくらいの品質だった。

またこの作品の撮り方にも個性があって、手持ちのカメラで被写体を寄りで撮り続けていたところが興味深かった。
監督がドキュメンタリー映画のような質感でのリアリティを求めたのだろう。
それに耐えうる鈴木亮平の演技、そして共演した宮沢氷魚もそれに向き合って良い味を出していた。

ストーリーの内容は至ってシンプルなので割愛するが、これはストーリーよりも演技と質感を楽しむ映画だと思う。

いやぁ、本当に鈴木亮平の映画俳優魂の凄さにただただ感服である。

91点

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