巡礼6日目 toログローニョ(27.9km)ぼくら半分夢の中、な日
👣los arcos - sansol - torres del rio - viana - logroño
愉しい夜ごはん
体中痛い。疲労もMAX、体力の限界を感じつつ、何とか起きて早朝に出発する。朝陽のさす田園風景が微妙な色合いで絵画のよう、とても美しい。空には面白いくらいたくさんの飛行機雲が次々描かれていた。目的地のログローニョは都会だから、きっと空港もあるんだな・・・とぼんやり思う。(確認したら、実際にあった)
日中になると相変わらず暑くて喉はカラカラ、持っていたオレンジジュースもホットオレンジジュースになってしまった。途中、ドイツ人のご夫婦(前日に売店?で相席)に再会してしばらく一緒に歩いている時に、奥さんが昨日私の夢を見たと話してくれる。その時は何度聞いても「あなた(私)がグッドショップを見つけて、ナイスウォークした」だと思って、グッドショップって何だろ?ってわからなかったのだけど、いま振り返ると「good job」だったんだろうと思う。このカミーノが素敵なものになるよ、ということを伝えてくれようとしたんだろうな。このふたりからは、終始深い愛情を感じた。
たぶん太陽が真上に昇りきったころ?気が付けばあたりに誰もいない中を(ほかの巡礼者も見当たらない)、遠くに揺れる蜃気楼に向かって一人黙々と歩いていたら、急に背後でフラメンコみたいな音楽が聴こえはじめた。暑さでいよいよ幻聴か?と思ったけど、どんどん近づいてくる・・・振り向くと、白と黒(こげ茶?)の馬に乗った男女が間近に迫ってきていた。自然の中、馬のエネルギーもあいまって、ものすごい美を目撃したような衝撃。過ぎ去って遠ざかるまで見とれてしまった。美は力!を実感する。
夢のようなシーンをあとにしてログローニョに近づくころには、巡礼路も車道になったりした。クラクションの音に振り向くと、トラックの運転手さんが手を振ってくれている。陽気な笑顔が何気にうれしい。この日は長い距離を歩いて後半だいぶつらかったけど、州境?の道路標識を目にして「ここがリオハか~あちこちでワインがおいしいと聞く、あの!」と、夜ご飯に思いをはせた。
不意に背後から名前を呼ばれて振り向くと、日本人の女性が。韓国人の父子(先日、プエンテ・ラ・レイナのアルベルゲで一緒だった)から話に聞いていたミキさんだった。久々の日本語にうれしくなって、いろいろお喋りしながらログローニョまで一気に歩く。韓国人のお父さんが「知的な」と表現していたとおり、とても落ち着いた女性で、「スペイン語も話していたし、英語の発音もネイティブに近いから、おそらくこっち(スペイン)に住んでるんじゃないかな?」という(韓国人のお父さんの)推測については、学生時代にマドリードに留学していたとのこと。「久々のマドリードは成熟したいい都市になっていたよ」というミキさんの話に、みてみたいなという気持ちになる。今回はバルセロナ経由で帰国するけど、また来るときはマドリードに行こう。
ミキさんとログローニョの入り口でお別れして、いちもくさんに宿にチェックイン。シャワー、洗濯・・・いつもの段取りを済ませてから、街に出て郵便局へ。毎日暑すぎて防寒具が重量にしかならないので、サンチャゴデコンポステラ局留めで送ることにした。これで1キロ近く荷物が軽くなる!と思うと、かなりうれしくて気分も軽くなった感じ。
郵便局を出たらタイミングよく韓国人の父子に遭遇、ミキさんに会ったことなど少し立ち話。タパスで有名なバルがたくさんあるエリアをおしえてもらったので、行ってみることにする。ひと通りお店をチェックしたところで再度ふたりに会って、それじゃあ、と、一緒に食べようかということになった。息子さんおすすめのお店で、バゲットにドデカいマッシュルームが3つとエビがのったの(とワイン)をごちそうになる。衝撃のおいしさ。いま思い出してもヨダレがでてくるやつ。韓国で超有名なお店というのもわかるなー。
その次は私がイカイカうるさく言って隣の店につきあってもらった。(昔バルセロナで食べたイカのソテーが忘れられず、スペインに来たらイカを食べると決めていた)お礼に念願のイカとワインをごちそうする。柔らかくてニンニクが効いてておいしい。最後にもう一軒はしごして、お別れした。ひさびさに賑やかなムードとおいしいごはん、楽しかったなあ。
いい気分でアルベルゲに戻りながら、あしたはバスに乗ろう、身体を休めよう、と決めた。