巡礼36日目 final day in サンティアゴ・デ・コンポステーラ(0km)私good jobしたよ、と伝えたい
🏠santiago de compostela
私に乾杯。
あしたにはバルセロナに移動して、その3日後には日本に帰国する。本当にこのカミーノ最後の一日なんだなあ・・・サンチャゴ市内を味わうように見て歩いた。
巡礼者博物館が充実していて面白いよ、と教えてもらっていたので、開館にあわせて行ってみる。1Fには世界中の宗教や信仰、巡礼についての展示があって、とても興味深かった。宗教や信仰にまつわる道具とか装身具って、細部まで本当にきれい。思いが詰まっているからなんだろうな・・・日本のお遍路さんについても展示されていた。
お昼は2度目の市場ランチ。今回は市場内のバルに入ってみよう!ということで、賑わうお店のカウンター席にすわった。魚介の種類とか調理方法とか、英語のメニューもよくわからなくて、いちいち検索しながら「あ、これよさそう、でも高いか~。」「むう、これはないな!」とかいってしばらく悩む。ひとまずビールとホタテのマリネだけ注文する。
オーダーをとるお兄さんの押しがだいぶ強くて、「それじゃあ足りない、もう一つどうだ!(たのめ、という勢い)」と言うので、「ホタテを食べてから、まだ食べたければ後で頼むよ。」と伝えたのだけど。「ok、わかった!」と一瞬立ち去ってもまたすぐやってきて「どうだ!」、何度も繰り返し同じやり取りに、「困ったな・・・。」
最後はもう面倒臭くなってしまって、魚(ヒカリモノ)を炙ったもの?を追加オーダーした。こういうとき、どう返すのがいいんだろう?言葉でちゃんと断っているつもりだから、それ以外の方法がわからない。理由なし、「NO!(Thank you)」だけとか?キレるくらいのほうがいいのかな?こういう感じ、苦手意識あるんだよな。
モヤ~っとしながら出てきた料理をたべたら、あまり味がよくわからなかった。フードそのものがそうなのか、それとも私の気分由来なのか?うーん・・・。
と、さっきのお兄さんが「どうだ、ウマいか!」ときいてきた。ハマる言葉が見つからずに、心なく「イエス・・・。」とこたえたけど、やっぱり何度でも繰り返ししつこく断ったほうがよかったや。なんだかすこし疲れてしまって、いったん宿に戻ってシャワーを浴びた。
夕方、大聖堂のミサに参加、4回目にしてはじめて正面のベンチに座ったら、祭壇彫刻?のものすごい迫力に、思いの強さを感じる。「このぐらいの思いをかけられるもの、あるかなあ、私。」
キュッと集中してはパッと霧散するみたいに、あちこち動いてコロコロ変わっていくのはただの個性か克服課題か?何度も悩んできたこの問いが浮かぶ。子供のころから器用貧乏って言われ続けて、その時々コンプレックスになったり、開き直ったりしてきたな・・・ミサのあいだじゅう、いろんな思いが浮かんでは消えた。
なにはともあれ、無事巡礼を終えたんだし。よくやったよ、私・・・。
ふと、「あなたはグッドジョブするよ、ナイスウォークするよ!」と言ってくれたドイツ人のご夫婦を鮮明に思い出した(※巡礼6日目参照)。胸が熱くなって、二人に向けて「無事歩いたよ!」と感謝の気持ちを送る。
巡礼中に出会ったいろんな人の顔が浮かぶ。ここ数日チラついていたモヤモヤはまだ胸の内にあるけれど、それでもいい旅だった、と思う。
ミサの後、「最後のよるご飯をたのしもう!」意気込んでウロウロしていたら、いい感じの音楽が聴こえてきた。キョロキョロと、細い路地に薄暗いお店を発見する。うーん、バーっぽいな。食べ物あるかな?地元客しかいなそうだけど・・・。
迷ったけれど、あきらめきれず「食べるものありますか?」とたずねてみた。カウンター越しに、「えーっと・・・ある、あります。サンドイッチなら。」と、スタッフのお兄さん。サンドイッチじゃないものが食べたかったので、「ほかで食べてから、また来ます。」と伝えて店を出た。
楽しみにしていたカミーノ最後の食事だったけど、仕方ない。近くの店でパパッと済ませて、すぐにバーに引き返した。ウィスキーソーダを注文して(ラムがなかった)、常連さんで賑わうカウンターから少し離れた洞穴みたいな空間に座る。
ビールよりワインより、こういうの飲みたかったよ~!グラスに鼻を近づけて、スースー香りを楽しみながら、「楽しかったなあ!」このカミーノを振り返った。音楽と一緒に、お客さんが賑やかにはしゃいでいるのが聴こえる。こういうの、やっぱり好きだわ!完全にリラックスして、いい感じに酔いがまわった。
あしたは巡礼路を離れてバルセロナ。さみしいけれど、またくればいいや、と納得して眠りについた。
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