巡礼9日目 toベロラド(22.2㎞)マメとYATEKOMO
👣santo domingo de la calzada - grañón - redecilla del camino - castildelgado - viloria de rioja - villamayor del río - belorado
自分のペースがわかってきた感じ
あさ7時くらいに出発、すがすがしい。いつもどおり、ほかの人達はほぼ出発してしまっていたけど、私にはこのくらいがちょうどいいな。ただ、暑さだけが心配。
歩くことが習慣になってきたので、特に何も思わず歩き始める。街並みや景色を楽しみながら、せっせと歩く。1時間半くらい歩いたところで次の街、グラニョンに到着。小ぢんまりした、きれいな街。
街の入り口あたりに洒落たキッチンカーがでていた、めずらしいー。ベンチもいっぱいあって、たくさんの人が休憩をとっている。この先は1時間くらい歩かないと休憩ポイントがないし、私も休憩しよう・・・キッチンカーの列に並んでフレッシュオレンジジュースを注文した。
木陰のベンチで靴とソックスを脱いで恒例のマッサージ。よく見たら左足の小指にマメができてる!キツいし痛かった理由がわかった。「うえー、マメできちゃった!」と、軽くショックを受ける。ワセリン毎晩塗ってたし、道中、靴とソックスを脱いで足を休めていたつもりだったのになー、なんでだ!
どっちにしても応急処置が必要なので、持参していた安全ピンでマメをつぶして、キズパワーパッドを貼った。(後で知ったのだけど、ワセリンはあさ靴を履く前に塗るのが正解)
あらためて靴を履きなおすとなんだか違和感がある。イヤな感じ!ちょっと不安を感じながらもゆっくり歩きだした。ただでさえ人より遅いペースをさらに少し落として進む。これは到着が遅れそうだなー・・・宿無しの危機を感じて、アルベルゲに予約を入れることにする。これで安心してゆっくり進めばいいや。
なんだか少し余裕がでてきたのかな?状況によって、気分によって適当に動けるようになってきた感じ、だいぶ自分のペースをつかめてきたような気がする。カミーノを歩き始めた頃、ドイツ人の女性に声をかけられて「いまはまだ歩き始めで身体がきついと思うけど、毎日すこしずつ自分のペースで歩いていればちゃんと身体がなれてくるから大丈夫よ。」と励まされたのを思い出した。「本当だ・・・」あの女性は今どのあたりを歩いているのだろう?2月にドイツの自宅を出発して、そこからずっと歩いているのだという話に度肝を抜かれたんだよなあ。
女性の「この先、サンチャゴを過ぎてフィニステーレとムシアまでいってから、また歩いてドイツの自宅まで戻るのよ、10月まで8か月のプランなの。」という話の続きに、私はもうびっくりを通り越して本気で勇気をもらった。なんでもいいか~というか、わっはっは!というか。これまでやりたいと思ったことにはチャレンジしてきたつもりだったけど、だいぶ視界が限られてたわ・・・
「この女性の話を聞く前と後では完全に前提が変わっちゃうな~。」なんだか心の底から静かな笑いがこみ上げてくるのを感じた。(その後、まあまあの人が自宅から歩いてきている・自転車できているのだと知って、「ところ変われば」というか「普通」についての限界を再認識)
途中、よくすれ違うおじいさんに挨拶すると、「休憩をとろうとしたけどカフェに食べられるものがなくて(?)、あさごはんを食べ損ねているんだよ。」と肩をすくめているので、パンを持っているよと言ってみる。おじいさんはフルーツが食べたいとのことで(=パンはいらない:喉が渇くから。その気持ち、よくわかる)、「ありがとう!」と、むしろクローバーのピンバッヂをくれた。それをUV傘に留めて歩く。
この日もカラカラの陽気、日陰のない道を日傘を頼りにして歩き続けて無事宿に到着。きれいなアルベルゲで、ベッドの感じもいいなあ〜2段ベッド下じゃん、窓も近いし!と、インナーシーツをひろげて気分よく寝床の準備していたら、さっきのおじいさんが同室に入ってきた。おじいさんは、部屋の中に2つだけある単体のベッド(2段ベッドでない)だったので「ハレルヤ!」と高らかに声をあげて喜んでいる。そうだよね~と、ふたり顔を見合わせて笑った。
シャワーのあと、よるごはんどうしようかな?とキッチンを確認したら、基本的に使う状態ではなくてガッカリ(食器類などがすべて撤去されていた)。先の長さを考えるとまた宿のペレグリーノメヌーという気にもなれなくて(たいてい12~15€、何気に財布に響く)、買って食べられるものを探すことにする。
(暑い中持ち歩くのは難しいし、荷物が重くなるのも避けたいので)なるべく食べきりのものを探すことになるのだけど、スーパーというより商店のような小さなお店しかない場合も多くて、買えるものがかなり限られる。カップサラダは大きなスーパーにしかないから、小さな街が続くときは野菜不足必至、ビタミン補給は基本的にフルーツかトマト(か、フレッシュオレンジジュース)で賄っていた。
この日は気になっていたYATEKOMOを食べることに。宿のダイニングキッチンでお湯だけ沸かさせてもらって、あとは人参の酢漬け?みたいな瓶詰めと、トマトまるかじりとヨーグルト。そしてファンタ、日本ではめっきり飲まなくなって久しいけど、カミーノ中、この手のものが超おいしくて結構飲んだな。YATEKOMOは薄味ながら、ホッとする味。キッチンにカトラリーがなかったので、手持ちのスプーンでくるくるして食べた。
通りかかる人たちが「 bon appétit ! 」と声をかけてくれるのが新鮮でうれしい。スペイン語では「 ¡qué aproveche! 」というらしい。