巡礼5日目 toロスアルコス(21.4㎞)君が僕を呼んだのさ
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うれしい一日
前日、アルベルゲで同室になったアイルランド人の女の子に英語を誉められた。全然通じないことも多々あるし(というか6、7割通じてないと思う)めちゃくちゃに話している自覚があるので、嘘!と思ったら「ほんと、あなたの言うこと全部わかったもん。」と言ってくれた。よっぽどうれしかったのか、昨晩は英語で話す夢を見た。
気分よく出発。連日暑いので、ここ数日UV傘をさして歩いていたら、たくさんの人が話しかけてくれる。「それいいね。」「賢いな!」「まだ傘ささないの?」とか。「私もそれ欲しいわ。」とか。「ヘイ、アンブレラガール!(ガール・・・うれしい)」とか。
道中知り合ったカレンに「バックパックに傘を留めれば両手があくじゃない!」と言われて、持って行った結束バンド的なものでショルダー部分に留めてみたら、手ぶらで日よけができてストックも使えて、超便利!このスタイルでしばらく歩く。カレンは大笑い、みんなで写真を撮った。
途中、後ろからやってきた男性に「もしかしたら君、靴下落っことしてない?」と声をかけられる。たしかにバックパックにぶら下げていた靴下が一つなくなってる!2足しか持ってきてないトレッキングソックス、どうしよう・・・
男性によれば「2キロ以上先のほうかも、君のだとはわからなくて置いてきちゃった。」と。そりゃそうだ。悩んだけど、体がキツすぎてその距離を引き返してここまで戻ってくる自信がなかったので、大きな街(直近はログローニョ)であたらしく靴下を買うことにしようと決めて、そのまま歩いた。
オレンジジュースとバナナを買おうと売店に立ち寄ったら、サンドイッチとKAS(ファンタみたいな)のセットがおいしそうだったので食べることに。「一緒にどうぞ。」道行き時々挨拶していたドイツ人のご夫婦に誘ってもらって相席、いろんな話をした。とてもやさしいのが伝わってきて、じんわり。
そこへ、だいぶ前にすれ違った女性二人が靴下をぶら下げてやってきた。「これあなたのじゃない?」「私のです!」猛烈にお礼を述べつつ、誰だかわからん人の靴下を拾うなんて相当だよ・・・と、感動する。
「よかった!」二人は笑顔で、先へと歩いて行った。ドイツ人のご夫婦が「これがカミーノだよ、靴下が君を呼んだんだ。」と笑う。なんだかよくわからないけど、いろんな人のやさしさに泣きそうになる。
その後ご夫婦に入れ替わり20歳前後のデンマークの男の子が相席。下り坂で膝が痛いと顔を歪めている。彼もパンプローナで宿がなかったらしい。「最後どうしたの?」と聞いたら、野宿したとのこと。この暑さで汗だくクタクタの中、野宿はキツかろう・・・と簡単に想像できる。ちょっと話して、私も今日の宿を見つけなきゃ、と先を急いだ。
ロスアルコスに到着してすぐ、パッと目についたアルベルゲにチェックイン。シャワーを浴びて洗濯物を干したあと、待望のキッチンがあったのでパスタを作って食べた。共用キッチンだしできるだけ短時間でと、ゆで汁をそのまま活用してスープパスタに。パン、チーズ、ハムが基本の日々だったこともあってか、汁気が超おいしく感じるわ。
夕方、洗濯物を取り込みにテラスに行くと、ひとりトランプをひろげた、さわやかな男子に話しかけられた。軽く挨拶して通り過ぎようとしたら、「さっきの僕だよ!」とデンマークの男の子だった。「さっぱりして違う人だと思ったよ。」と私が言うと、「シャワー浴びたからね。」と笑っている。サッカーはじめスポーツ全般が好きらしい、カズを知っていた。
「ソリティアが唯一できるトランプ遊びなんだ。」と肩をすくめて、「デンマークは何にもなくて・・・東京はワンダフルだって友達が言ってたよ。」と話していたけれど、日本に戻ってから深夜のテレビで見たデンマークの暮らしは、私にとって豊かさそのものだった。デンマーク、彼に会わなければノーマークだったかも。世界には、興味をもって眺めてみれば素敵なもの、きっとたくさんあるんだろうなあ・・・。
それにしても日に日に疲労が蓄積しているのを感じるな。足のむくみもとれないし、強烈な陽ざしにだいぶ消耗してる・・・あしたこそ!暑くなる前にできるだけ目的地に近づいていたいなーと、この日も明るいうちに寝た。
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