「μProto」社内ハッカソン中間発表!透明ディスプレイを使った3つのアイデアがブラッシュアップ
よりクイックに、よりプラクティカルに
イメージソースでは、R&Dプロジェクト『μProto(ミュープロト)』の活動の一環として、透明ディスプレイを使った社内ハッカソンを実施しました。お題発表と初回ディスカッション、中間発表、最終発表と全3回に及ぶこのハッカソンは、約2ヶ月といったスピード感をもって、最終的に社外にも発表できるレベルまで精度を高めたプロトタイピングをおこなう取り組みです。ディレクター、デザイナー、エンジニアと15名の希望者が集い、職域や経験値等にとらわれることなくアイデアを出し合い、カタチにしていきました。
そして前回記事でご紹介したキックオフから1ヶ月弱の某日、中間発表が開催されました。「透明ディスプレイを使った表現にチャレンジ」というテーマで、アイデアを3つの方向性に絞った前回から、各チームで練り上げていた具体的な企画と試作が発表されました。本記事ではその様子をレポートします。
曇りガラスのエモい体験を再構築
ディレクターの鈴木、デザイナーの小山・斎藤、エンジニアの石川からなるこのチームでは、透明ディスプレイを結露した窓のように “曇りガラス” に見立て、触ったり拭いたりする体験をつくっています。今回の発表では、曇りガラスに指で落書きをする体験と、ガラススクイージー(水切りワイパー)で拭き取る体験の2つを擬似体験できる映像が披露されました。結露した窓を実際に指や道具を使って触れたときに、水滴がじんわりと滲んだり雫が滴ったりする様子を、投影された映像から楽しむことができました。また、この体験では、曇りガラスを透明にした先に浮かび上がってくる景色も体験づくりの一部。あの心ときめく体験をこのディスプレイと組み合わせていくことの楽しさも語られました。
最終発表では指で落書きをする体験の実装のほか、映像演出も進めていきます。展示例で示されたように、景色のいい窓ガラスにディスプレイを設置し、リアルさを含んだ追体験と、現実にはない違和感とを組み合わせ、エモーショナルに体験づくりができればと語られました。強く降った雨で窓に水滴がつく様、気温が下がり結露していく様、そしてインタラクション体験と、どのように描かれ触れられるようになるのか、期待が膨らみました。
おさかなたちと対話できる水族館
このチームは、魚を物体検出し、アクアリウムのガラス壁面への情報表示をはじめとした体験づくりをしています。プロデュースは山口、センシングは高野、田中、UIデザインは塚田、ディレクションは古川、モーションデザインは小久保、アプリ開発は鳥井が担当しています。今回の発表では、基礎開発と要件定義の中間報告がされました。
コンセプトは「新しい日常にあたらしいコミュニケーションを。聞こえない声を “見る”、やわらかなインフォメーション・ディスプレイ」。コミュニケーションの方法も例外なく転換を求められるこの時代に、必要となったのは、人やモノとの “分離”。この隔たった距離を埋めるものとは何か?送り手と受け手がどちらも心地よく意思疎通するためには?とこのチームが注目したのは、受け手の “受け取りやすさ”。言葉少なな存在が発する内容も同等に拾い上げ、主張しすぎずに伝えること。目には見えていない事柄を、視覚情報として届けること。その具体例が、アクアリウムでの活用とのことです。
おさかなが寝ていたりお腹が空いていたりといった活動を吹き出しのように示す「リアクションモード」、レオ=レオニ作『スイミー』を再現するような演出「スペシャルモード」、種類や産地、年齢などを示す「インフォメーション(モード)」と3つの様式を考えているとのことです。これらによって、情報を受け取るだけでなく、餌をあげたり水温を調整したりといった飼育員のお仕事観察や、新しい切り口でのイベント企画、店舗での販売促進に繋げるなど、来館者がより楽しめるコンテンツをつくることができます。他のチームメンバーも「子どもと一緒に楽しめそう!」「岩に隠れている魚のことも知れたら面白い!」といった楽しげな様子で意見していました。今後の展望としては、動物園やスポーツ観戦といったものへの応用のほか、店頭ディスプレイでの商品紹介や工場見学などで活用できるのではと考えているそうです。
向き合った人の心を透過するディスプレイ
対面で座った際、感染対策においての安心安全を担保するものとして、しかし時にはコミュニケーションを隔つものとして捉われてしまう “パーテーション”。その存在は、私たちの生活に当たり前にあるものとなりましたが、声や姿勢など適切に伝えられないことが多くあるなど、未だに煩わしさが拭えないことも多いのではないでしょうか。そんなパーテーションを厄介者にはせず、護るサポートはそのままに、現代での対面コミュニケーションをサポートするものにできないだどうか?と取り組むのがこのチームです。エンジニアの梅園、モーションデザイナーの猿橋、ディレクターの菅野・小田、広報の長岡がメンバーです。
コンセプトは「SURU HEART -心を透過するディスプレイ-」。透過ディスプレイを通して相手と向かい合うことで、相手や自分の心身の状態を検知、お互いを知るきっかけを与えてくれるものとして体験づくりを進めています。境界線としての役割があるからこそ、心を表す存在 / コミュニケーションをサポートする存在としても役立てられるという考えがあるようです。姿勢 / 視線 / 声(音)といった身体的データを元に相手を隠したり表示したりするのが基本構造で、具体的には、大きな声を出したときには相手との会話を遮ったり、姿勢が悪いときや視線がブレているときも相手が見えなくなったりします。実際に体験したイメージソースメンバーも、「見透かされているようですね!」と笑顔があふれていました。次回に向けて現在、アニメーションの表示を加えるなどアップデートをしています。
いよいよ次回最終発表!
次回は約1ヶ月後のつい先日、最終デモを完成させ、イメージソースが所属するD2Cグループのオフィスでグループ公開発表会が開催されました。
その様子もまたレポート予定ですので、どうぞお楽しみに!
イメージソースのプロトタイピングとアイデアの種を発信するプロジェクト『μProto』では、クイックな試作と情報発信をおこなうことで、社会や業界に貢献できるよう、今後も活動していきます!
TwitterとInstagramでも活動を発信していますので、ぜひフォローお願いします。