6月第5週〜北海道、青森、秋田、岩手〜
6日目
円山動物園
今日は永遠かとも思えた北海道の最終日である。涼しさがとても良いこの気温とおさらばする前にせっかくだから船まで時間もあるし円山動物園へ行くことにした。
この日はほんの少し雨がパラついており有難く傘の貸出を受ける。中は良くも悪くも昔ながらの動物園といった感じであった。ガラス越しの展示は見つけやすく観察しやすいが減ってきていることを考えると自然に近い形での展示の方が良いのだろう。ちなみにこのエゾヒグマはとても見やすい位置に自分から来てしっかり展示されていた。
動物園を回って思うのは子供の時に比べ出来ないことや難しい部分が増えているということだ。リスザルの展示室の匂いが苦手だと感じて大人になったことを実感するとは思わなかった。この動物園は奥に行けば行くほど綺麗な建物が増えたので入ってすぐに判断するのは損だ。
津軽海峡フェリー
北海道から本州へ渡る手段は色々あるがせっかくならフェリーに乗りたいということで今回は津軽海峡フェリーを選んだ。函館まで行くのは少し面倒だということで今回は室蘭からの便に乗る。室蘭駅から港が近いのも嬉しいポイントだ。
平日ということもあり徒歩乗船客は私の他に3人しかいなかった。車と同じように下から乗るのも最近は徒歩乗船のみなので久しぶりである。
このフェリーは小さいから割と揺れるが寝るだけだと割り切るとゆりかごと同じなので結構寝れて幸せである。また今回の乗船は節約旅であることから1番安いタイプを選び、サンライズののびのび座席と同じ硬さの床と戦うことになった。ただ人がいないのでとても広い部屋を1人で使うことになりこれはこれで課金するより良いかもしれない。ちなみにこの航路、朝3時に到着して外に放り出されるので消灯が21時とめちゃくちゃ早い。それに伴い売店が1時再開になっていてさすがにこのアナウンスには笑ってしまった。
7日目
あおもり北のまほろば歴史館
青森到着後は快活で回復して昼過ぎから活動を再開した。まずはこのあおもり北のまほろば歴史館である。市の博物館という感じで広く明るいので不気味な感じがしないのが嬉しい。
展示は歴史の教科書で見るような時代の話がほとんどなく、メインとして見れるのはせいぜい江戸以降くらい。ただこの感想は博物館や歴史資料館の展示を見慣れてる人間のものなので小学生とかが来るには良いと思う。展示にはこぎん刺しという刺しこがあり、これは他であまり見れないものなのでこれだけでも大人が来る価値はある。そして特徴的なのは船の展示だ。とにかく数を収集しているのでこれをメインとして押し出したら色々と面白そうだと思う。とにかく歴史を残そうという感じに好感が持てる。
八甲田丸
青森の観光地としてはここがよく上がるのではないだろうか。普通の船ではなく譲渡された人形ジオラマを使っており歴史がぎゅっと中に閉じ込められている。その人形も一つ一つ名前と設定を与えられており、船にその人形達が来た経緯を伝えるビデオではおじちゃんおばちゃんと呼ばれている。博物館にあまり興味が無い人もこの部分は十分楽しめるのではないだろうか。
博物館的な展示としては船はもちろん鉄道についても文献や実物が飾られており見応えがある。ただやはり多少は揺れるので真剣に読むと酔いそうになってしまうのが悲しいところだ。
8日目
三内丸山遺跡
少しでも興味のある場所は行こうの精神でじじばばがいっぱい乗っているバスで共にゆられて向かう。平日でもたくさんの人がいるところに観光地らしさを感じた。
この日も微妙に雨が降っていたので止むことを願って先に屋内の展示から見ることにした。上映されている映像は明らかにお金がかかっていた。世界遺産という側面について周辺知識が欲しいなら見るべきだろう。映像の後はガイドさんと一緒に外の展示も見てまわることにした。たくさん歩いてそれぞれで話も聞くので50分があっという間に過ぎた。晴れても暑くないこのシーズンだからこその楽しさもあったのかもしれない。その大きさに驚くことができるので少しでもここのことを覚えている人は訪れてほしい。屋内のミュージアムも普段縄文時代をここまで細かく区分けして見ることもないのでそこが面白かった。
9日目
男鹿真山伝承館
この日は前に秋田に来た際に絶対もう一度来てちゃんと行きたいと思った男鹿へ行くことにした。なまはげシャトルの事前予約がないと回れない点があまりにも高い攻略難易度を表していた。
そんななまはげシャトルに乗ってまず向かったのは男鹿真山伝承館である。なまはげ館の隣にありちょうど良い時間だったことからこちらを先に見ることにした。
ここではなまはげに襲われる体験をすることができる。まず最初にしっかりどういう流れで行われるのかの説明を受けてから体験に入るので必要以上に驚かないで済むのがよかった。ところどころ大きな音でびっくりするが基本は見ているだけで決まったタイミングでこちら側に干渉してくるから1人でも怖くない。ちなみに私の体験回では小さな女の子が二人いて私含め参加者全員が泣くと思っていたが泣かなかったのでなにか格の違いを見せつけられた気がした。
なまはげ館
ここの見どころは館の最後にある所狭しと並んだなまはげである。地域ごとに札があるのでどこのものかが分かり、お面を見比べてその差の大きさを感じられるのがとても良い。映像は古いが綺麗にまとめられているので不満はなく見るに耐えるものであった。なんならライトが映像に合わせて光り横のなまはげ達を照らすのが面白い。全体的にあまり怖いものではなかったので怯えず行ってほしい。
男鹿水族館GAO
1番小さいサイズのロッカーに鞄を詰めてまわり始める。綺麗で展示も見やすいのに博物館タイプの水族館でとてもありがたい。展示は基本的に魚っていっぱいいると嬉しいよね、を体現していてたくさんの個体数がいる。
ここの水族館で1番のおすすめポイントは自販機スペースの絶景だ。海がとても綺麗だから底まで見ることができるし晴れているとキラキラ海面が光っていくらでも見ていられる。陽の光が美しいのに暑くはないからとても幸せな気持ちでついつい休憩してしまった。
いつも通り大好きなペンギンに会いに行くとメロメロになって時間を溶かしてしまった。羽の手入れ下手系ペンギンが若い個体にとても多く館としての個性がかわいい。そしてなにより見える位置に巣があり子ペンギン達が世話されている様子を見ることができるのだ。他ではバックヤードにあることが多い部分なのでその可愛さのおすそ分けが最高である。餌やりの時間に飼育員の方が冒険している子ペンギン達が虐められないように巣に戻しているのがとても可愛らしくて通える距離に無いことがとても悔しくなった。
10日目
ついに最終日である。旅が終わることが嫌というよりはしわ寄せとなった次の日のバイトに耐えられるか不安という気持ちであった。
宮沢賢治記念館
まずはここから、と思って行くことにしたが序盤に367段の階段を上らされて軽く嫌な気持ちになってしまった。もっと暑くなってからだと絶対に無理だと思うので頑張って上り詰めた。
建物の中は凄く綺麗だが実物というよりは複製が沢山展示されているといった感じで博物館初心者向きの値段相応の場所といった感じであった。平日でも人が多いあたり良い観光地なのだろうが彼についてよく知っている人は秒で見終わってしまうだろう。ビデオは時間の割にかなり掻い摘んでおり本当に何も知らない人が見るべきといったところである。ただここの特別展示はひとつの作品をしっかりと掘り下げておりこちらはとても興味深く面白かった。
宮沢賢治イーハトーブ館
こちらは無料なので寄ってみた。図書館とシアターを利用することができ、シアターは恐らく声をかけたら動かしてもらえるのだと思う。展示はほとんど無いものの物販がとても良かったのでお土産を買いたい人はついでに寄るとよいかもしれない。
宮沢賢治童話村
中に入るとすぐにやまなしの木があり解釈一致を感じた。メインの建物である賢治の学校では少し古さは目立つものの世界観が作り込まれていてよかった。チームラボとかが好きな人はわくわくできるだろう。途中で流れる朗読は耳が肥えてしまっているせいで満足出来なかったのが悔しい。
各ログハウスはちょっとした科学館のようで生き物や星座を宮沢賢治のお話に絡めながら解説してくれる。宮沢賢治に関わる色々な部分の好きを深めたい人はこちらも立ち寄ってほしい。
花巻市博物館
なぜか海外の人だと思われていたので英語で話しかけられたがめちゃくちゃ優しくされたので言い出せずそのまま見て回った。中の展示はとても丁寧な博物館という感じで先史から近現代までを地元のものを中心に実物を展示して説明しているのが良い。特別展も分かりやすく凄さについての説明があったので実感しやすかった。市の博物館は土地によってその差が激しいがここはしっかりお金をかけて組まれていると感じられる場所であった。
ごはん
今回のnoteではあまり書くことが出来なかったご飯についてここで追記させてもらう。まずは北海道の最終日に訪れたできたて屋である。私イチオシのお店であるここではあまり冒険しないのだがあまりにも水族館でニシンを見ることが多かったので食べたくなって訪れてしまった。骨が多く食べるのは大変だったがやはりその身のふかふかさや味の濃さは幸せであった。頼むから近所にできて欲しいお店である。
もうひとつのどうしても書きたかった食べ物は青森で食べたいかめんちである。いがめんちとも呼ばれるこの食べ物は青森を舞台にした漫画を読むと度々登場するのでずっと気になっていたのだ。飲食店でないとあまり食べられないのだが今回は弘前駅での乗り換え時間を利用して購入しに行った。味は何もなくともしっかりしており満足度の高い惣菜であった。こちらも近くを通った際にはまた買いに行ってしまうだろう。
おわりに
これで9泊10日の旅行記もおしまいである。まだ1週間しか経っていないはずなのにもうすでにかなり過去の思い出となっており、その非日常さが生み出す罠を感じた。旅行に行かない理由はたくさんあるからこそ自分だけは無理やりにでも旅行に行かせ続けたいと思う。
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