【断髪小説】第三部: イメチェンバトルロワイヤル(1)それぞれの想い
『フィールド!!!』
スラリとした長身で、切れ長の目が特徴的な美青年。彼の全体的な印象は、落ち着いていて知的、どこかミステリアスで人を引きつけるものがある。
彼の名前は斉藤 知璃(さいとう ちり)、年齢不詳で、おおよそ高校1〜3年生くらいの年齢。
「今回は大分『フィールド』上での小道具や建物もリアルに再現出来る様になってきたな。広さも建物を複数個作れるようになった。
人数も22人。さて、どうなることやら・・・」
「え!?何!?ここ・・・どこ!?」
彼女は鈴木 菜々子(すずき ななこ)。黒髪ロングヘアーの高校1年生。
「んー。この状況から考えると・・・僕達は眠らされて拉致られて体育館に放置されている。そんなところか?」
彼は山本 誠(やまもと まこと)。黒髪ショートカットで清潔感がある感じでメガネをかけている。
「てか、あんたら誰!?」
彼は松本 拓海(まつもと たくみ)。茶髪で長髪でチャラそうな見た目。
「知らないわよ〜。私はこの中には知り合いは1人もいないわよ」
彼女は山田 茜(やまだ あかね)。茶髪ロングヘアーで自由奔放なイメージの女性。
あたりを見渡すと男性11人、女性11人の合計22人の男女がいることがわかる。
キーンっという音と共に、構内アナウンスが流れる。
そしてボイスチェンジャーで声を変えているであろう人物が話しだした。
「みなさん、おはようございます。
状況は把握されましたか?
突然の事で驚かれたかと想いますが、
貴方がたを私の学校に招待させて頂きました。
施設は、今あなた方がいる体育館。そして学校。宿泊施設になります。これらの空間は自由に使ってください。食べ物も、朝、昼、晩とこの体育館に用意させていただきます。
つまり、貴方がたはこの施設内で自由に暮らして頂いて構いません。
ただ・・・
ルールを設けたいと思います。
ルールは以下のとおりです。
制限時間内に男性は女性の髪の毛を切ったら1ポイント
女性は制限時間内に男性の美容道具を奪ったら1ポイント
1ポイント制した人は次のステージへ
制限時間内に1ポイント取れなかった人は負け
体育館内はバトル禁止区域
最後まで残った人が勝利
そして・・・
ステージ1の制限時間は・・・3日間!
そして、そして・・・
勝者には、1億円をお配りします!!!」
「おい!マジカ!1億かよ!
女の髪を切ればいいんだろ!?楽勝じゃん!」
タクミがテンション高く話している。
「は?てか、マジありえないんだけど?私の髪の毛は切らせないわよ!」
アカネが警戒心むき出しでタクミに対して返答する。
「この仕掛けは何のためにあるんだ?
犯人の目的は?本当に1億円もえらえるのか?」
マコトがアナウンサーが言っている事を疑っている。
再び構内アナウンスが流れる。
「あ、そうそう、言い忘れていましたが、髪を切る。
というのは、丸坊主にするという意味です。
なので、男性陣には、女性の髪の毛を丸坊主にしていただきます」
「は!?嘘でしょ!?坊主とかマジ無理なんだけど!」
ギャルで明るい金髪のロングヘア、毛先は軽く巻いている佐々木 みれい(ささき みれい)が突っかかる。
「それに、1億円なら、こちらのステージに用意してあります」
一同がステージを見た。そこには確かに1億円と思われるぐらいの札束が置かれていた。
「お!マジカ!奪って逃げようぜ!」
ぼさぼさの短髪、セットしていない感じのヘアスタイルの山田 太一(やまだ たいち)がお金を盗もうと提案している。
「それはやめておいた方が良いですよ!」
「知るか!1億だぞ!1億!お前がどこにいるか知らないけど、逃げ切ってやるよ!バーカ!こんなショーになんかのってたまるかよ!俺は金が必要なんだ!」
「私も!私も〜〜〜!!!!1億ほしい〜〜〜!貰っちゃおうよぉ〜〜〜!奪っちゃおうよぉ〜〜〜!」
ミレイとタイチが手分けして札束を袋に詰めはじめて、そのまま逃亡しようとした。
と、その時・・・
カチッ!
「え!?なんだよ、この時計は!?ん?なんか光って音がなりだしたぞ!?」
ピッ!
ピッ!
ピッ!
ピッ!
ピッ!
ピッ!
ピッ!
どこからとも無くバリカンが空中を駆け巡った。
「な?なによこれ?何の音!?」
ブイィィィィィィィィーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
ミレイの額のど真ん中にバリカンが入り、自慢の金髪ヘアが無惨にも刈り取られる。バサッと音を立てて髪の毛が地面に落ちる。
「え?え?っ!?」
そのまま、ミレイの髪の毛がなにかに引っ張られたようになり、そこに空中からハサミが現れてミレイの髪の毛にハサミが入る。
ジョキッ!!!!!!!!!
ジョキッ!!!!!!!!!
ジョキッ!!!!!!!!!
ジョキッ!!!!!!!!!
ミレイの長くて綺麗に巻かれた金髪ヘアが落ち武者ショートヘアへと変貌してしまった。
再びバリカンが空中を動き出し、更にミレイの髪の毛を刈り取っていく。
ブイィィィィィィィィーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
ジジジジジジジジジジジジッ!!!!
ブイィィィィィィィィーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
ジジジジジジジジジジジジッ!!!!
ブイィィィィィィィィーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
ジジジジジジジジジジジジッ!!!!
「いやぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
次々とバリカンがミレイの髪の毛を刈り上げていき、あっという間にくりくりの丸坊主頭になってしまった。
ミレイは恐る恐る自分の丸坊主頭を両手で触り絶望している。
タイチもまた丸坊主頭になり、混乱している。
「おい!おい!やめろって!なんだよ!!!!!!」
「ルールを破った人は
・・・坊主頭になり
・・・そしてこうなります」
ピッ!
ピッ!
ピッ!
ドカーーーーーーン!!!!!!
腕輪が激しい光と共に大爆発を起こした。
残った20人は唖然としてその光景をただただ見ているだけしかできなかった。
佐々木 みれい(ささき みれい)
山田 太一(やまだ たいち)
死亡。
残り20人。
・・・続く。
あとがき
第一部:授業中に断髪
第二部:ヘアフォールウィルス
と来て、続編の今回の第三部:イメチェンバトルロワイヤルになります。
話自体は繋がってはいないですが、設定や舞台は繋がっている感じです。
今回のテーマはバトルロワイヤル。誰が誰の髪の毛を切るのか?はたまた切らないのか?初のバトルモノを書いてみました!!