見出し画像

【断髪小説】授業中に断髪(2)心の声

私、白石 亜美(しらいし あみ)は動揺しています。

今は数学の授業中なのにも関わらず、後ろの席の佐藤 大輔(さとう だいすけ)君が、こともあろうことか、私の髪の毛を切っているんです。

ふ、普通授業中に髪の毛って切らないよね?

というか、髪の毛って勝手に切っちゃダメだよね?

しかも、女性の髪の毛を切るなんて、ダメだよね?ね?

怒ったほうがいいのかな?席を立った方がいいのかな?後ろを向いたほうがいいのかな?

でも、佐藤くんはどう思うんだろう?佐藤くんの悲しい心、聞きたくないな。佐藤くんの嬉しそうな心、止めたくないな。

それを考えると、私は動けずに受け入れることにしました。

(何故か彼女にはバレない。いや?バレているのかもしれない。だが、今のところ、バレていない事になっている。)

だって、佐藤くんの心の声が、私にはダダ漏れなんだもん。

(・・・す・・・すごい。・・・女性の髪の毛を切る感覚ってこんな感じなんだ〜。思ってたよりずっと良いし、癖になりそう・・・)

癖になられたら、こまるんだけどなぁ。
私も、ず〜っと伸ばしてきたこの長い髪の毛、いつ切ろうかって迷ってたから、いいきっかけだったりするんだよね。
ってこっちの心の声は佐藤くんには届いてないけどね。

(・・・ダメだ。もっと切りたい。切っちゃおうかな・・・。うん、ここはもう抑えきれない〜!切りたい!切っちゃおう!)

うん、だからダメだって〜佐藤くん〜。勝手に髪の毛切っちゃ・・・。
もう〜。しょうがないな〜。

白石は佐藤が自分の髪の毛を切りやすいように、椅子に深く座り、髪の毛を突き出した。

(よし!丁度いい具合に白石さんの髪の毛がこっちにきた!これなら、横にバッサリカットできそうだ!)

勝手に来たんじゃなくて、こっちからいったんだよぉ〜。

ジョキッ!

ジョキッ!

ジョキッ!

ジョキッ!

(やっば!マジやっば!すごい断髪音!断髪感覚!!女性の髪の毛を切るってこんなにも興奮することなんだなぁ〜!
やばいな、もっと切りたい!切りたい!切たい!)

いや、丸聞こえだからねぇ〜。切たいってどんだけ切るのぉ〜?流石にいっぱい切っちゃったら、こっちも知らんぷり出来ないんだけどなぁ〜。

(あれ?・・・てか・・・やばくね!?
床に髪の毛落ちてるし!)

いや、それは落ちるだろぉ。佐藤くんが髪の毛を切ったんだからさぁ〜。

(どうしよう・・・。どうしよう・・・。
流石にバレるよな?
これ、バレたら俺の高校生活終わりじゃね?
ど・・・どどどどうしよう)

うーん。今日は知らんぷりしてあげるかぁ〜。
佐藤くんが可愛いそうだし。
というか、佐藤くんってこんな可愛いぃ一面あるんだなぁ〜。
今度話しかけてみようかなぁ〜。

キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン

授業が終わるチャイムが鳴り。生徒は一斉に着替えを持ち、体育館に向かっていった。
白石もまた、自分の切られた髪には視線をやらずに、そそくさと体育館へ向かった。

「やべぇ〜。バレるかと思ったけど・・・バレなかった。
さっさと髪の毛を片付けて体育館へ向かうか」

佐藤は切った髪の毛をビニール袋に入れて、自分の鞄の中にしまい、体育館へ向かった。

その後、一人の女生徒が教室に戻ってきた。

「うーん。佐藤くん、やっちゃいましたね〜。
僕は見てたよぉ〜。君がアミの髪の毛をカットしていたところをさぁ〜。
って言ってもこの教室にはもう誰もいないんだけどねぇ〜。
ふふふ。どうやってこの面白いネタを扱ってあげようかしらぁ〜」

同じクラスの桜井 美咲(さくらい みさき)が何やら悪巧みをしているようだ。


つづく・・・。

あとがき

授業中に断髪の第二話になります。
実は第一話と同時に第二話は書いていたんですが、第三話を書いている途中で、第二話の直しが必要になる可能性があると思い、第三話が書き終わってから投稿しました。
小説の書き方自体がまだ分かってないのですが、今回でいうと、名前はChatGPTに候補を出してもらい、その中から決めてます。
また、ストーリーラインや、キャラクターのパラメータなんかはXmind(マインドマップ)で見える化しています。
それでも書いていると結構話がずれてしまったり、話があわなくなってしまったりして、小説って書くの難しいなぁ〜。と思いながらも、まぁまぁ思うままに自由に書いてたりします。
個人的に異能系の話が好きなので、今後第三話、四話と続く中でどういった能力を使うかと、それをどう断髪と紐づけるのかを考えてます。
ですし、そういう設定を考えるのが個人的には好きです。
キャラクター自体を考えるのは苦手だったりします。
てな感じですが、日々ネタを探しながら、出来るだけ毎日小説を書くようにしてます。

あ、あと、この話とは別でイメチェン小説をkindleで販売しているので、こちらもよかったら是非読んでみてください。kindle unlimited加入中の方なら無料で読めます。


いいなと思ったら応援しよう!