のんびりしていたい
意外と僕は、偉いのである。
もう就活を始めようとしているのだ。その足がかりとして、会社見学会に行った。
初めの方は、むしろ働くということが、楽しそうと思ったくらいのものだった。中々おもしろい話も聞けて、来て良かった、と思った。
だが僕には、前振りを前振りだと察する力が、どうも欠けているようである。こういうのは素直とは言わない。ただのクソバカである。
いつものごとく、このクソバカのせいで、突如地獄に突き落とされたのである。
会の最後にディスカッションをさせられた。そのマッチングが、酷かった。
4人グループのうち、僕以外の3人が同学科の知り合い同士だった。1人はバイタリティが空回りしているタイプ。あとの二人はその腰巾着だ。
このバイタリティにめっきり意気消沈させられてしまった。具体抽象の区別がつかない、ちょっと困った人である。
僕「印象に残ったのは?」
バ「まーやっぱり業界の特徴っスかね〜」
腰巾着「確かに確かに」
僕「ああ、あーなるほどね〜
例えばでいうと、なんですかね?」
バ「やっぱ、業界のー強み?(小休止)とか(小休止)っすね〜ハイ」
この文面だけ見ると、僕がウザい人に見えると思う。
だがバイタリティはこんな感じの答えしかできないのに、このグループワークの舵を取ろうとしているのだ。態度がデカすぎる。
元来打たれ弱い僕は、もう相当参ってしまった。だがこの落胆にさらなる拍車がかかることとなる。
最悪である。社員の、茶番劇である。
それなりの規模の会社だったので、こんなとんでもない匕首を懐に潜ませていたとは、夢にも思わなかった。
これでしらけてくれれば、と願った。無念。そんなはずは、ないのである。
自分の方はなかなか醜いのに、有名av女優を憧れとして仰いでいそうな、他を見下しているタイプの女すらも、病気のように笑いながら赤べこになっていた。俺は一人、俯いてしまった。
ああ、こんなクソ小市民には、なりたくない!面白い時に笑って、つまらない時はムスッとしていたい。それが人間じゃないのか。人間性を犠牲にしないと、なぜ生きていけないのか。悪評判が立っても、貧乏になっても、それだけは!いや、だが、ここにいる時点で、少なくとももう芸術家などでもないな。ああ、俺は元々なんだったんだ?
うんこ製造機。小市民になれれば、むしろ格上げなのかもしれないな。アハハ、なーんだいいことじゃないか就活って。でもうんこ製造機は、楽だからなぁ。やはり、うんこ作りに従事していた方が、上級国民なのかもしれない。
こんな愚痴をこぼしたところで、オブラートに包みに包んだ批判が、帰ってくるだけなんだろう。でもとにかく、僕の心はこんな感じだったという、ただそれだけの話でした。
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