第4回fuzzカップ観戦記 敗者復活戦
久しぶりの非公式観戦記です。
第4回fuzzカップのベスト128A卓~C卓までは、非公式に私のnoteで観戦記を書いていました。
128Dから、ありがたいことに日本プロ麻雀協会公式noteで観戦記を書かせていただいています。
12月27日に2023年の最後のfuzzカップの試合が行われました。この試合ももちろん公式観戦記を書いたのですが、この日はいつもと少し違い、ベスト16Bに先立ち敗者復活戦が行われました。敗者復活戦のこともベスト16B観戦記の中で少し触れましたが、字数の都合もありごく僅かしか書けませんでしたので、こちらで取り上げることにしました。
敗者復活戦は1回勝負のトップ取り。2回戦2位勝ち抜けトーナメントとはまた違った面白さがありました。特にギリギリの攻防となったオーラスは盛り上がりました。
fuzzカップ観戦記番外編。よろしければご一読ください!
以下、本編。
以下、出場者は敬称略。
(Rob-澄川-安藤-中月)
1半荘勝負。トップ取りの敗者復活戦は、流局なし、親のアガリなしで早いペースで進んでいく。
最初の大きなアガリは安藤。
東2局。ドラ發暗刻の四暗刻イーシャンテンから、五萬をポン。トイトイに受ける打八萬とする。
2索が中月から出て12000のアガリ。
安藤が一歩抜け出す。
しかし東4局は、その安藤がRobのリーチに5200を放銃。
安藤はRobのリーチに対し、自風のドラ北のバックで3副露してアグレッシブに攻めたが、放銃となる。
これで点棒状況が平たくなる。
南2局を迎え、トップの中月から4着の澄川まで、わずか2000点内にひしめく大混戦。そして南2局が、この半荘の天王山ともいうべき戦いとなる。
親の澄川がイーシャンテンになり、ドラの西を離す。
試合後「④ピンは(山に)いそう」と語っており、④ピン引きでのピンフテンパイを目論む。
Robがドラの西をポンしてホンイツへ。
「5索切りが私らしくなかった」
澄川は試合後に語った。
④ピンが山にいそうと感じており、ソウズのホンイツに向かった人がいる状況では、違和感のない5索切り。
だが結果として、この5索切りがターニングポイントになる。
5索切りの次巡、澄川は4索を引いてツモ切り。
5索が手に留まっていれば当然切られなかった牌。
その4索を安藤がチー。
赤2枚だが、愚形ばかりの3シャンテンと、かなり苦しい。
ソウズのホンイツに向かったRobは、ドラをポンしたあと、立て続けにソウズを引く。だが安藤のチーのあとはソウズ引きが途絶える。下家に食い流された牌は5索と6索だった。
澄川がテンパイ。
だが不満の残る役なしカン七萬待ち。
下家の安藤は4索チーの際に打7索とし、その後5索が通っているため、6索は打ちづらい。Robのホンイツにも厳しい牌。澄川は打八萬でテンパイ取らずを選択。
Robが1索をポンしてテンパイ。カン7索待ち。
安藤は澄川の止めた6索を自力で引き、さらにカン⑥ピンも引いてテンパイ。打二萬で三-五-六萬待ち。
澄川が再びテンパイ。今度はタンヤオ・ピンフの好形だが、巡目も進み、Rob、安藤に手出しも入っていて、先程よりもさらに6索は打てない。打二萬でテンパイ取らず。
次巡、七萬引き。行っていれば一発ツモだったが、6索はあまりに厳しい。連荘に向けてテンパイが取れて良しとすべきか。
しかし安藤がツモアガリ。しかも赤五萬で2000-4000。「アガれないと思ってやった」と試合後語った苦しい仕掛けが、最高の形で実る。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り。
安藤 32800
澄川 29000
中月 24000
Rob 14200
安藤はアガれば通過。
澄川は安藤まで3800点差。
中月は親のためアガるのみ。
Robはバイマンツモ条件。
さあ一度は失ったベスト16が、すぐ手の届くところにある。
最初に仕掛けたのは澄川。②ピンポンからホンイツへ。白が鳴ければ3900以上確定。
澄川の捨てた6索に反応したのが安藤。
3457からソウズで2メンツ構想のチー。自風の北バックで発進。
打点は関係ないと、安藤がツモ切ったドラの1索をチーしたのは親の中月。
中・西トイツでソウズのホンイツへ。中が鳴ければ12000で決定打になり得る。
もう誰も絞ってはいられない。
北が出て安藤がポン。
中月も西をポン。
澄川も⑥ピンをチー。
三者ががむしゃらにベスト16の切符に向けて手を伸ばす。
1人条件の厳しいRobも、着々と手を進めている。
ドラ入りチートイツのイーシャンテン。
リーチしてツモって裏が乗れば、バイマンツモ条件をクリアする。
テンパイ一番乗りは中月。
中を暗刻にして打2索。5-8索待ち。
直後にRobが2索をツモ切るが、さすがに2索単騎には受けられない。
安藤もテンパイ。2-5索待ち。
直前に中月、Robから立て続けに2索が打たれてしまっている。
ソウズを余らせた中月を警戒して、澄川は前巡6索を止めて打④ピンとしている。もう捨て牌も3段目。放銃すれば致命傷だが、親がテンパイして流局なら次局があり、親のアガリでもまだチャンスは残る。
そこに南が重なってテンパイ。条件クリアのテンパイならと、6索を勝負。
それぞれ準備は整った。
あとは最後の1牌を掴み取るだけ。
このあと行われるベスト16B卓に着くことができるのは、その1牌を手にしたものだけ。
勝ったのは、安藤。
常に積極的に前に出る姿勢を見せ続けた安藤が、ベスト16へ進出を決めた。
最後に。
fuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。
選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様。
選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。
いつも大変ありがとうございます。感謝申し上げます。