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-107,200点?! 痛恨の切り間違い

1年前、デビューして最初のリーグ戦の21期後期雀王戦第4節、3回戦でのことです。
ここで私は-107,200点分ともいえる痛恨の切り間違いをしてしまいます。

第4節開始前の成績は以下の通り。
第1節+70.4。
第2節-28.9
第3節+17.3

トータル+58.8の21位。20位まで昇級なので、まずまずのところにつけています。
ところがこの日の1回戦が3着-14.9。2回戦が4着-51.7。
マイナス圏に落ちてしまいます。

でも慌ててはいませんでした。まだ1回トップを取ればほぼ元の位置に戻れます。
「ここが大事」
と思っていました。

問題の局は南1局。
全員2万点台の接戦で、確か2着目だったと思います。

配牌からピンズが①②②②の形でした。

タンヤオ本線で進行していて、毎巡①が打牌候補。
だが留めているうちに③を引いて①②②②③の形に。

③と他の浮き牌のくっつき優先の形で、なおも①ピンは打牌候補であり続けました。
ところが他が先に埋まり、5索と中膨れ②ピンのシャンポンでテンパイが入ります。

他2メンツは中張牌の順子。ドラはなし。

役なしですがもちろんダマテン。
「4索、6索引きのピンフよりも、④ピン引きのタンヤオの方が嬉しい。⑤ピン引きはもちろん①ピン切りだが、リーチかダマか? その前にくっつきの優秀な牌を引いたら、①切って外すか?」

そんなことを考えているところに引いたのは③ピン。

牌裏返しは便宜上です

5索雀頭のイーペーコー形。

(これは勝った)

と私は内心思いました。
毎巡打牌候補だった①ピンが手に留まった進行に手応えがありましたし、①ピンは山に生きていそうです。

「リーチ」

宣言して牌を曲げて置き、リーチ棒を出しました。

(高めが引ける。1300-2600から。これをアガってトップ目)

そんなことを思いながら手牌に目を落としたら、

あれ? イーペーコーは?

ん??
そうそう。この②ピンの3枚使いのこの形がツモれそうで・・・

とノリツッコミする余裕はその時にはありません。

(え?)
(え?)

何が起きたかわかりません。

(そんな馬鹿な確かに、)

と自分の捨て牌を見ると、③ピンが横になっています。

そして振り返ってみると、確かに③ピンをつまんだ覚えがあるのです。
どういうわけか③ピン空切りでリーチしています。

絶好の①‐④待ちが、中膨れの②と5の腐れシャンポンになっている。

(どうしよう)

どうしようもこうしようもない。
リーチをかけた以上、アガり牌以外はツモ切るしかないわけです。

と、
「リーチ」

即座に下家から追いかけリーチが入ります。

(くっ。間違って②ピンツモれ。ツモったら恥ずかしそうに手牌を開けよう)

と一発目のツモに手を伸ばしますが、そんな都合の良い間違いは起きません。

さらに、対面の親からリーチ

(もうダメだ。こうなったらいっそ①ピンツモれ。ツモってもアガれないけど)

2発目のツモ。①ピン。

やっぱりね! むしろ一発目じゃなかったのが不思議だよ! 高めだよ)

次巡、ご丁寧に安めの④ピンも持ってきました。

(いや、テンパってただけ僥倖。むしろツイてる。)
と自分に言い聞かせたりしましたが、この自分が聞き分けが悪くて納得してくれません。
ウソだから仕方ないのですが。

心の中の自分と自分で押し引きしながら摸打を繰り返していましたが、とうとう私が捨てた牌に親から「ロン」の声がかかります。

「2900」

2900?
それでいいの?という感じです。

あれだけのとんでもないミスをして、リーチ棒込みで3900の出費なら大助かりです。
なんなら流局してあの恥ずかしい手牌を見せるよりも、こっちの方がいいまであります。

点棒を支払い、牌を落とします。
親が積み棒を置いて、牌山を上げてサイコロを振ります。

フッと嫌な予感がしました。

オカルトは20年前に置いてきています。
前の局と次の局にはなんの関係もありません。
そして南1局1本場。本来なら存在しない局が始まります。

中盤過ぎたところで親からリーチが入りました。

(・・・存在しない局)
局の開始時によぎった言葉が、再び頭の中に響きます。

親は直前にリャンメンターツを外していて、オカルト的な意味でなくても、ちょっと嫌な感じのリーチです。

(一発ツモられる!)

と身体を固くして身構えますが、一発ツモではなく、発声は「カン」
九萬が暗槓されます。

ヤオチュー牌暗槓+カンドラ+カン裏と、もう安いわけがありません。
しかも、

「ツモ」

リンシャンでツモアガられました。

この時点で4000オール以上確定ですが、心の中の嫌な予感はさらに膨れ上がり、マンガンとかリンシャンとか、そういう問題ではないような気がして、

(・・・存在しない局)

倒された手牌に目を走らせて、点数申告前に悟りました。
順子がなかったのです。

(・・・存在しない局)

「16000オールは、16100オール」

(・・・存在しない局)


この半荘、結局ラスを引きます。
もし切り間違いがなければ、1300-2600をツモってトップに立っていました。
親は流れるので、あの四暗刻も存在していません。
まだ僅差なので、そのまま逃げ切れた保証はありません。
でももし、と考えると。

1300-2600ツモ→+5200
供託→+2000
トップ順位点→+50000

2900放銃+リーチ棒→-3900
16100オールツモられ→-16100
順位点4着→-30000

差し引きで107,200点。
107.2ポイント分です。

4回戦は3万点超えの3着で、この日は-139.6。
トータル-80.8となってしまいました。


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