第4回fuzzカップベスト128(勝手に)MIP!
第4回fuzzカップは、7月12日の対局をもってベスト128が終わり、19日からはベスト64に入りました。
ベスト128ではたくさんの名場面がありましたが、公式観戦記者の私、今田孝志が、独断と偏見で(勝手に)MIPを選出したいと思います。
第4回fuzzカップベスト128のMIPは!?
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『發』です!
ん?
“Most Impressive Pai”(最も印象に残った牌)ですが、何か?
安心してください、公式では書きません!
それくらいの分別はつきます。
“”中盤過ぎにツモ切った發に「ロン。12000」の声。
ベスト128MIPを獲得した發ということを考えれば、これは無造作なツモ切りだったか“”
とか書きません。
本当に書きません。
まあそれはともかく、もしベスト128を振り返って本気で「最も印象的な牌」を選ぶとしたら、圧倒的に「發」に票が集まると思うんです。
「そんなことをする必要性がない」と言われればまったくその通りで返す言葉もないんですが、でも実際「發」は印象的でした。
以下、本編。
以下、選手は敬称略
ポンされてのアガリは当然あった。
雀頭でリーチの場面もあった。
だがベスト128AとBでは、特別印象的な働きをしていない。
最初に發が脚光を浴びたのは128C1回戦の南1局である。
スーパースター田口淳之介さんからリーチが入る。
その一発目の棚澤さんの手牌がこちら。
北はドラ。リーチの田口さんは変則手風の捨て牌ではあるが、九萬は無筋。
選ばれてしまったのは發のトイツ落とし。
これが一発で刺さり12000の放銃。
田口さんのリーチは、北を重ねてのチートイツだった。
この場面の詳細はこちらの中島さんのnoteが詳しい。
安全を追った字牌トイツ落としでのハネマン放銃はツライ。
だがこれは序章に過ぎない。
fuzzカップベスト128の發の活躍は、ことごとく「ツライ」ものばかりなのだ。
それらを紹介する前に「ツラクナイ」方の發も1つ見ておこう。
田口さんが棚澤さんから發で12000をアガり、局が進んでのオーラスである。
田口さんはドラの發をポンしてアガれば逆転トップの3-6索待ちテンパイ。
だが他家3人もテンパイで2件リーチが入り、全員に無筋の四萬を掴んで苦悶して勝負!
これが通り、リーチしていた棚澤さんから6索が出て、逆転トップとなった。
1回戦は田口さんがトップ。続く2回戦の東4局2本場。
成海さんはソーズのホンイツに向かうが、なかなか手が進まず終盤に入ってもまだリャンシャンテン。ところが終局間際の最終手番とその前巡に2索と5索を引いて駆け込みテンパイ。發と中のシャンポン。
棚澤さんがホウテイで捨てたのは、發だった。
メンホン・イーペーコー・發・ホウテイのハネマン放銃となる。
1回戦はチートイツの一発でハネマン、2回戦はホウテイでハネマン。棚澤さんにとっては本当にツライ展開だが、まだこれで終わりではない。棚澤さんの受難も發の活躍もまだ続く。
南3局4本場。
成海さんは親でドラ入りチートイツをテンパイし、待ちは發単騎を選択。
9600をヤミから狙う。
捨て牌3段目に入ったところで3枚目のドラ2索を引き、空切りでリーチ。
点棒状況等からドラ切りリーチだとチートイツっぽくない。
リーチが入るのを待っていたようにタイミング良く棚澤さんの元にやってくる發。ツモ切られて三度のハネマン。今度はインパチとなった。
トイツ落としの一発・ホウテイ・一発と、發が鬼神の如き働きを見せた128Cの非公式観戦記はこちら。
続く128Dでは、發は活躍しそびれる。
發単騎か⑧ピン単騎か。
岩間さんは⑧ピン単騎を選択。
無論、佐月さんが生牌の發をどうしたかはわからない。
だがもしこの9600が成っていたら、MIP發の輝きはさらに増していた。
128Dでは活躍しそびれた發だったが、その鬱憤を晴らしたのが128F。
5巡目、捨て牌1段目での2枚切れ地獄待ちリーチ!
地獄待ちは勇気がいるところだが、リーチをかけた石田さんはここまでの發の活躍をよく知っていたに違いない。
一発で掴んだ金さんが發をツモ切ると、裏も乗って18000。
ホントに毎回いいタイミングでやってくる。
これだけ印象的だと当然切り抜かれる。
一転して金さんのアガリは發のみ1000点だが、ようへいさんのドラポンを躱した値千金の1000点。
金さんのこれと、このあとの4000-8000は凄かった。メンツ落としもそうだけど、①ピン切りも凄かった。
東4局1本場は水谷さんが發バックで1000オールは1100オール。
發の平均打点が下がった。
そしてオーラスは厳しい条件のようへいさんが、安全を追って發トイツ落としをしたところで、3副露の石田さんがロン。1000は1300で決着をつける。
地獄のインパチがあったベスト128Fの公式観戦記はこちら。
最後に1000オールと1000があったにもかかわらず、發の平均打点は10666点(積み場除く)。
覚悟して打った牌ではなく、「ロン」と言われて思わず硬直するような、死角からの痛撃。
どれも非常に印象的だった。
見る者に圧倒的印象を残した發だったが、この手が成就していたらMIP受賞はなかったかもしれない。
ベスト128A卓、開局早々の御崎さん。
いかにその後の發の活躍が印象的とはいえ、スッタンの衝撃はあまりに大きい。もし成就していたら、さてMIPは發だったか3索だったか。
ベスト64以降も、發の行方にご注目いただきたい。
リーチを受けた一発目のツモが發だった時、それは地獄からの使者かもしれない。
与太はともかくfuzzカップは熱戦のベスト128に続いて、7月19日からはベスト64が始まっています。
頂点を目指した激しい戦いが繰り広げられますので、是非ご覧ください。
毎週水曜日です!
ベスト128を踏まえて、發単騎が多用されるかも注目です!!
ここまでの観戦記置いておきます(本文中で紹介しなかった物)。