オフシーズンここまでの私見

 2020年のFC今治は初のJでの航海を15勝10分9敗の7位で終えました。
 一昨季はJFLで堅守をベースにJ参戦を成し得ましたが、決定力不足に泣かされ苦しんだ試合が多かったこともサポーターの記憶に新しいことでしょう。
 前半戦はそれを思い起こす試合もありましたが尻上がりに調子を上げ、後半はリーグ2位の勝ち点数を稼ぐことに成功しました。結果、シーズン中は昇格圏(2位以内)への浮上こそありませんでしたが、33節まで昇格争いに可能性を残し、一時は5位に食い込む健闘を見せた。
 就任1年目のリュイス監督のもとで、4-4-2の陣形をベースにボールを保持し、ラインを上げてのチャンスメークをしゴールに迫るスタイルを志向するサッカーはポジティブな印象を残したと言える。

ここまでのオフシーズン(ストーブリーグ)の動き

 最終節を待たず(12/11)にリュイス監督の続投を発表したことは周知の事実ですが、これは継続性を担保したうえでJ2昇格は可能とフロントが判断して託したというとことの何よりの証左だ。
 指揮官がインタビューで公表したように他クラブの監督候補リストに名前が上がったというミステル(監督)の留任は今治にとって最大の補強なのかもしれない。
 クリスマスイブには19名の契約更新をし、ほぼ今年の主軸、主力の慰留に成功。昨季からの経験値に戦力を上積みしJ2昇格を狙うスカッドを形成しようとしている。が、年が明けここにきて移籍市場では苦戦を強いられている印象が拭えない。
ここからは
ここからは未だ残る課題を2点
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補強についての短評
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各スカッドの現状
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5段階での評価
の流れでお届けします。


再構築必至&計算が立たないFW 

FW、特にセンターフォワードに関してはスカッドが不透明だ。
昨季のチーム得点王(8得点)である林誠道が山形へ、チーム2位タイの5得点を挙げた桑島良汰(→奈良)に3年目の片井巧(→市原)が退団。昨年7月にC大阪から期限付きで加入し、23試合1得点ながらフォワードだけでなく左右サイドハーフでも貢献を見せた澤上竜二も(1/31までの加入)1/15現在、所属元であるC大阪の意向がわからない。
 センターフォワードの契約更改・新加入組に目を向けると、昨季途中加入のレオミネイロ、チーム3年目の有間潤、地元今治東から新入団の高瀬太聖に福岡から期限付きでの加入となった東家聡樹、「早すぎると噂の男」平岡翼(←栃木SC)を確保しているが、昨年FWで19得点を挙げたうち15点が流出している事実は決して看過できない。
 レオミネイロが怪我なく万全なら、有間に平岡の捲土重来、高瀬、東家のブレイクスルーを期待するサポーターは多いはずだが、昨季のスカッドと比較すると単純に計算がしづらいのはチームとして頭が痛い所であろう。


素晴らしい故に見えづらかったこと


また、FWの陰に隠れがちだが、昨季は上原拓郎が獅子奮迅の働きを見せた左サイドバックもこのチームのアキレス腱になる可能性がある。
 昨季は上原が途中退場、出場停止でピッチに立てなかった時間にこのポジションを担ったのが中野圭(引退)だけだった。中野のいない今季、上原が怪我等で離脱した場合のリスク管理を改めて考える必要に迫られている。
 左サイドバックに本格転向して1年で替えのきかない存在に成長した彼の努力は素晴らしいが、強い光が当たれば当たるほど影は深くなる。試合の中では組み立てを担いハードな守備もこなす上原の代わりを担うのは到底簡単なことではない。
 彼のバックアップとしては、
2列目のアタッカーで躍動した山田貴文
順調に成長を遂げ3年目を迎える原田亘
説明は不要であろう百戦錬磨の駒野友一
新加入の島村
の4人も左サイドバックでもプレーは可能であるが、前者3人は右サイドが、島村はアタッカーが現状の適正であり、各人ともゲームの組み立てもこなせる上原と持ち味が違っており、チームの求める水準=上原とそん色ないプレーができるのかはエクスキューズとなり得る。上原が長期離脱となった場合、代役の出来によっては対戦相手に攻撃時のアドバンテージを与える可能性がある。




補強についての短評

実力者宮尾の獲得
 一方の補強では、先述した高瀬や東家に平岡が前線に、センターハーフには昨季YS横浜のキャプテンを務め全試合に出場した宮尾孝一、アタッカーでは昨季C大阪U-23で主力として30試合2得点を挙げた左利きのドリブラーである島村拓弥(←京都)を完全移籍で迎え入れた。そして、先頃の高校サッカー選手権でチームを16強に導き、大会優秀選手に選出された松井治輝(神戸弘陵)、ディフェンダーではU-19日本代表に選出された経験を持つ大型センターバックの安藤智哉が新加入となる。
 特に宮尾は昨季から層が決して厚いとはいえず、越智亮介が退団したセンターハーフ(ボランチ)でのフル稼働、有事の際はセンターバック並びに両サイドバックでプレーもでき、J3では屈指のプレースキッカーとの評価もあるので現段階では1番の即戦力であると目される。仮に宮尾と楠美がコンビを組むとなると昨季以上に橋本をジョーカーとして、岡山をクローザーとして使うという選択肢の幅を指揮官に与える事も可能だ。
 島村に関しては特にポジションを争うであろう福田と競わせて互いの成長が期待できるだろうし、今治戦でも見せたキレのあるドリブルは今季も他チームの脅威となる。
 安藤は大型CBの園田、ハンチョルの牙城を崩す成長を見せられるか、松井は練習参加をして影響を受けた橋本達先輩からいい影響を受けられるか。平岡はユース代表選考の際にスピードが速すぎて回りとリズムが合わない(当時の監督は一定のスピードでプレーさせようとしていた)から代表選外となったとされる逸話をもつプレーヤー。
※なおその当時のユース代表監督は吉武元監督
 昨年は栃木で試合出場なしに終わり新天地今治で捲土重来を期する。
 高瀬は昨年の選手権でも今治東の主力として活躍、今治モデル一期生としての期待も高い。東家はプロ2年目。昨年はJ2で2位となりJ1復帰を決めた福岡で13試合に出場したがノーゴール。ファンマデルガドや今治もJFLで苦しめられた元Hondaの遠野(川崎)の後塵を拝しフォワードでなく右サイドハーフとしての出場が多かった。ストライカーとしての牙をこの地で鋭く磨く。 




各スカッドの現状

 GK陣はメンバーは変わらないが過去2シーズン選手兼GKコーチを務めあげた修行が今年は「選手・修行智仁」として再始動するのが大きな目玉か。彼のプレーがどう変わるかはもちろん、岡田、今川、ドヒョンにはその牙城を崩さんとするパフォーマンスを期待したい。


 最終ラインでは、昨季からのベストメンバーが(原田、園田、ハンチョル、上原)それぞれ一歩有利か。センターバックは飯泉、安藤が牙城を崩せるか。中野の引退に平松遼太郎(→奈良)の退団でディフェンダーの頭数は少なくなったが、昨季終盤に園田、駒野の両ベテランには疲れが見られる場面もあったが、上手くカバーができるか。
 サイドバック、特に左サイドはバックアップは手薄である。組み立ては仕方ないとしても粘り強い守備等をこなせる代役であったり、競争を激化させられるスペシャリストが加入すると心強い。秋田を退団した鎌田といった実力者を補強するのか、昨季の上原の様に誰かをコンバートするのかは注目。


 中盤においては、センターハーフは調子、相手によってコンビを使い分ける起用法も考えられる。キャプテンとして奮闘した楠美も絶対ではなく指揮官がその争いを煽りそうだ。
村井清太(レンタル→奈良)、大野秀和(レンタル→福山)の2人が抜けたところにテコ入れもあるか。
 サイドアタッカーは昨季5得点、チーム最多アシストを記録した両サイドでもプレーできる玉城が頭ひとつ抜けた軸となり、右では山田に平岡、左では福田や島村が玉城とが主に競わんとする構図か。オプションにおいては
1トップで左:福田or島村 中央:玉城 右:山田 or平岡や
2トップの一角に"早すぎてユース代表に選出されなかった"逸話をもつ平岡や福田に玉城が入る采配があるかもしれない。

 最前線においては先述の課題の点で触れたように、J2昇格を最大の目標とするなら、得点とアシストが見込める選手は必須。また、コンペティションを重視するとしてもFW陣の成長、特に高瀬、東家の成長を促し、「一段階上のコンペティション」へ引き上げることのできる存在の加入は更に必要ではないか。


【補強充実度】 C

林以外のベストメンバーはほぼ残留。
根幹を大きく変える必要性に迫られなかったのは主力が引き抜かれたチームと比べると大きなアドバンテージを得たはず。
先述のように計算のできる宮尾を獲得したのはファインプレイだが(1/15現在)その他の加入選手は「スペシャルワンの原石」であり彼らに過度な期待はできない、指揮官のしきりに唱えるコンペティションでどれだけ底上げができるか。FWとサイドバックに是非新風を入れたいところ。
ここからの巻き返しに期待。


【J1昇格本気度】 B 

誰に対しても聖域を作らない、言い換えると全員で昇格を掴みに行くであろう指揮官の方針は称賛に値する。が、どのチーム数が少ない今季は今まで以上に取りこぼしが致命傷となる。JFL時代、昨季と取りこぼして自らの首を絞め痛い目を見てきた体質を変えられるか。
核となるメンバーはいるので開幕までに補強含め万全の体制を整えられたら十分可能性はある。


【J2昇格可能性】 D

GKと中盤は昨季から上積みが期待できるのと対照的に、最終ラインは特に上原有事の際のバックアッパー、最前線は移籍した林らの穴を埋め切れていない。
ここから開幕までにこの主に2点にどのような補強をするか、他のポジションも陣容を整えるかで可能性は上がっていくと確信している。

特段補強がなく、指揮官がチーム内の競争を重視する方針で臨むならばチームもサポーターも覚悟が必要だ。

※評価はA-Eの5段階

…と、頑張ってライターさん風に書いてみました。疲れた…。
あくまで現状です。現状。
これで普通にFWで計算できる様な選手が来たらお見それしましたすみませんー!って掌クルックルします。
いや、ほんとは土日で仕上げるつもりでしたけど某YouTubeチャンネルでJクラブの中間評価をやるってのを見たんでその後に仕上げたらお前アレ見たやろーとか言われたらそれはそれでシャクなんで急いで仕上げましたww
特に昇格の可能性についてはあくまで現状て他クラブの陣容を見ての比較です。それこそ勝負事ですし、実際にやってみないとわからないです。が現状このままだと茨の道を歩く様なシーズンになり得るとも思ってます。
 今治のチームとして総得点が50(昨季39)総失点が25(昨季27)にもっていってどれだけ勝ち点を稼げるかが昇格の鍵だと思っています。
 そのためにもフォワード陣の奮起は欠かせないと思うわけなのです。
特にハードワーカー、もっというとポストプレーでレオをフィニッシャーとして使える相方は必須だと思ってます。
 そして、信じているからこそここ足りねえんじゃねえかとか見えてきたり。あと1週間で練習開始。2/6にはえひめサッカーフェルティバル。
春の足音はいつのまにかそこまで来ているようです。


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