見出し画像

2つのバーンスタイン

新年おめでとうございます。
今年もまったり自分のペースで更新します。

年末に2枚のCDを入手しました。
2018年はバーンスタインの生誕100周年という記念すべき年だったようで、アメリカの軍楽隊もそれに合わせてバーンスタインの作品集をリリースしました。
違う部隊が同じ作曲家にスポットをあてて、作品集をリリースするというのは珍しいことではないでしょうか。それほどアメリカ国内ではバーンスタインという存在が偉大なのでしょう。

The Legacy of Leonard Bernstein / アメリカ陸軍野戦部隊バンド
1.キャンディード序曲(arr.W・ビーラー)
2.「キャンディード」より"Glitter and Be Gay"(着飾って輝いて)(arr.R・リヒテンバーガー) ※ソプラノとバンド
3.「オン・ザ・タウン」より3つのダンス・エピソード(arr.P・ラヴェンダー)
4.「ミサ」よりセレクション(arr.D・リチャード)
5.J.F.ケネディ大統領就任のためのファンファーレ
6.「スラヴァ!」政治的序曲(arr.C・グランドマン)
7.ニューヨーク・シティ音楽・芸術高校25周年のためのファンファーレ
8.「ウエスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス(arr.P・ラヴェンダー)

To Make Us Proud - A Leonard Bernstein Tribute - / アメリカ海兵隊バンド
1.J.F.ケネディ大統領就任のためのファンファーレ
2.トゥー レニー! トゥー レニー! (J・ウィリアムズ/arr.P・ラヴェンダー)
3.ディベルティメント(arr.D・パターソン)
4.ピーター・グライムズより4つの海の間奏曲(B・ブリテン/arr.D・パターソン)
5.プレリュード、フーガ&リフス
6.テーマ、変奏&フィナーレ(M・ローザ/arr.D・パターソン)
7.ホワイトハウス・カンタータより(arr.R・ナウリン)

アメリカ陸軍野戦部隊バンドは少しワイドでシンフォニックな響きが心地よいバンドです。「オンザタウン」のパ・ド・ドゥや「ミサ」のシンプルソングなど深い音色で奏でる一方、ソプラノとバンドで奏でる楽しいナンバーなど多彩な演奏が繰り広げられます。ウエストサイドストーリーも大曲ですが見事に演奏されていました。惜しむらくは、フィナーレが淡々と進行して緊張感が薄れるところが残念でした。
アメリカ海兵隊バンドは私が所有する音源の中でも1番新しいリリースのもので、以前の極上のしなやかさに加え、恐ろしいくらいに音のニュアンスが揃っていて、不安さを感じる場面が皆無。打楽器の音も素晴らしく、世界一の音と称しても良いと思ってしまいます。こちらのCDの収録曲で興味深いのは本人以外の2曲が収録されている点。調べてみると、ローザの「主題、変奏&フィナーレ」が1943年にニューヨークフィルで指揮者デビューした際に取り上げた曲、「ピーター・グライムズ」は1990年のタングルウッドで振った生前最後のCDに収録された曲で、指揮者としての彼の功績をたたえる選曲になっています。「プレリュード、フーガ&リフス」のノリが最高で何度も聴きたくなります。国内ではシエナ・ウインドオーケストラも大変すばらしい演奏を残していますが、血が違うということを痛感する演奏です(笑)

両楽隊ともYouTube上でも素晴らしい動画を沢山見ることが出来ます。

カム・サンデーの聴き比べでどうぞ。

いいなと思ったら応援しよう!