偏見をやめましょう!
政府の政務官に元アイドルの議員二名が選ばれました。
それに対して『失望した』『石破政権も終わりだ』『この人達に国を任せる事はできない』とう旨の投稿がSNS上で拡がっています。
えっ、なんで!
なんで、まだ実務に入っていない彼女等の能力や志がわかるのでしょうか?
もし『元芸能人だから』『政治経験が少ないから』という理由なら、それは単なる偏見に過ぎません!!
元芸能人や政治経験が少ない人が政治能力がないと言うのなら、その根拠は何処にあるのでしょうか?
政治に対する不満や、自民党に対する怒りは分かりますが、偏見で人を判断するのは違うと思います。
僕は自民党支持者でも、該当議員のファンでもないけど、まずは見守って今後の仕事結果で判断をしたいと思います。
皆さんは、偏見で人を判断していませんか?
知らず知らずのうちに、偏見で人を判断しているかも知れません。
金髪で派手な格好をしているから、常識がないだろう。
裕福な家庭に育ったから、わがままで世間知らずだろう。
犯罪者の子供だから、素行が悪いだろう。
あの大学の卒業生だから、犯罪に対する罪悪感は薄いだろう。
男だから……
女だから……
若いから……
年配だから……
学歴が低いから……
外国人だから……
と、個人をひとつの枠で縛って、それぞれの能力や性格や考え方を決めつけていませんか?
もしそうだとしたら、その考えは改めるべきと思います。
偏見がある事で、苛めが生まれ、差別が生まれ、分断が生まれ、争いが生まれます。
何で僕が偏見に対して厳しいのか?
それは、僕の愛する故郷が偏見の目に曝されているからです。
2021年の冬、僕の生まれた故郷北海道旭川市で、ひとりの少女が亡くなりました。
自殺でした。
雪の中で発見された事などもあり、世間から注目を集めました。
彼女はいじめを受けていました。筆舌に尽くし難い凄惨ないじめです。そのいじめから目を逸らした大人達に対する責任問題の追及もあり、発生から3年以上が過ぎた今も、怒りと悲しみの雪が降り止む事はありません。
2024年の春には、旭川市内で旭川市出身の若者等による殺人事件が発生しました。事件の凄惨性や加害者の異常性から、連日のように報道されていました。
この二つの事件から『旭川市は凶悪者を育てるまち』『旭川市の若者は素行が悪い』『旭川市は隠ぺいのまち』というようなレッテルが貼られてしまいました。
企業は旭川市出身者を採用すべきでない!
旭川市出身者とは友達にならない!
旭川市と関わってはいけない!
という内容の投稿がSNSで拡散されたのです。
それに併せて、旭川市出身の著名人の名を挙げ、事件に対する対応を求めたり、旭川市出身者の投稿に中傷コメントを残したりする事が横行されました。
二つの事件は、紛れもなく旭川市内で起きた出来事であり、加害者や関係者の多くは旭川市で生まれ育った者です。ですが、それをもって旭川市全体や旭川市民(出身者を含む)全体を『悪』と決めつけてしまうのは、行き過ぎかと思います。
旭川市は北海道で札幌に次ぐ人口の多い市です。当然、若者も沢山いますが、それぞれ個性が違います。その中には悪事に興味を持つ者や、いじめをする者もいると思いますが、けしてそんな者だけでありません。学業で評価される者もいれば、スポーツに専念し人々に感動を与える者もいます。国や市の事を想って政治家や役人を目指す者もいれば、文化芸術で人々を喜ばせようと才能を磨く者もいます。
僕の子供も旭川市生まれで、今回の加害者と同世代ですが、思いやりのある自慢の子です。僕の同級生達の子供達も、同じく今回の加害者と同世代が多いですが、素行が悪いという話を聞いた事がありません。
多くの若者は、夢や希望を持って一生懸命生きています。
それを一纏めにして『悪』というのは、無責任過ぎます。
偏見を拡散されて、心が傷ついている人が多くいます。
旭川市関連者であるだけで、執拗に攻撃され、SNSでの発信を辞める者や、旭川市出身と名乗るのを辞めた者もいます。
その事実を是非知って頂きたいです。
先ほどの言ったように、偏見がある事で、苛めが生まれ、差別が生まれ、分断が生まれ、争いが生まれます。
あなたが、正義と信じ振り上げた偏見という拳が、人を傷つけています。
苛めや事件を追及する事で、新たな虐めや事件を生んでいるのです。
どうか偏見を捨てて、個々の性格や考え方や能力と向き合って頂きたいです。
最後に僕の話をします。
まずはこの曲を紹介させて頂きます(宣伝になってしまって申し訳ありません)。
こちらは『ハ・ピ・ワ』という曲で、僕が作詞をしました。作曲は僕と同じ旭川市出身のSAIJI氏、歌は旭川市育ちの朝妻久実さん率いる全日本女子チア部☆が歌いました。MVを作成したのも旭川市出身の漫画家さくや一歩さんです。
想像力を育み偏見を捨てる事で、差別のない幸せな世界を創ろうという壮大なテーマの曲です。
是非、お聴き下さい。
ここまで偏見を捨てようと偉そうに話しましたが、僕も偏見を持った人間です。他人を差別や軽蔑の目でみる事もあります。
街が汚れていて、近くに派手な格好した若者や外国人がいたら、あいつらの仕業だろう、と思ってしまいます。
年配者に自分と違う意見を言われたら、年寄りだから常識が古いのだろう、と思ってしまいます。
でも、これって全て根拠の無い決めつけなのです。
自分が善人である、と思いたいばかりに他人の粗を探しているのです。
この記事と『ハ・ピ・ワ』は自分自身への戒めなのかも知れません。
僕は作品を書く事で自分自身の至らなさを振り返り、差別の無い平和な世界実現に少しでも貢献していきたいと思っています。
いじめや若者による犯罪については、それぞれの家庭や地域の問題であると同時に、日本全体の問題でもあります。恐らく、あなたの生まれた町でも同じ問題は起こっています。
その事実から目を逸らさず、皆で問題を解決していきましょう。
その始まりが偏見を捨てる事だと思います。
以上