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人生初の大阪

「ハク。」は大阪を拠点にしている若いバンドらしい。ライブも大阪ばかりで東京などの予定がない。「ハク。」のライブに行きたいと思いつつ、それより「Homecomings」と「Laura day romance」のツーマンライブが11/4(土)にあるのを知った。場所は大阪。土日なら行ける。実は大阪は人生で一度も行ったことがない場所。きっと縁のない場所なんだと思っていた。でも「Homecomings」のライブも「Laura day romance」のライブも行きたいと思っていた私にとってこの2組のバンドがツーマンライブをやるなんて「行くしかない」そう思えてきた。そう思った瞬間、これは大阪を初体験するチャンスでもあるような気がしてきた。よし大阪、行ってみよう。

奇跡が起きた!「ローラとホムカミ」チケットをセブンイレブンで購入。チケットを手にした瞬間、その券面の印字で前座(O.A.)に「ハク。」が出演することを知ったのだ。これまでに私が今年買った2枚のCDのうち、1枚が「ハク。」の1stアルバム。サウンドとの出会いはいつもFMラジオ(J-WAVE)だ。ラジオで「Homecomings」や「Chilli Beans」と出会った時と同じように「ハク。」を初めて聞いた日もネットでCDを購入した。「ハク。」はまだ無名のバンドだけど、1stアルバムの収録10曲を通してオーラを感じる。いつか「ハク。」のライブへ行きたいと思っていた。そんな時に「ローラとホムカミ」チケットの券面に前座出演の「ハク。」の文字を見たのだ。

人生初!大阪へ行くことになった私は大阪で何を食べるか、大阪観光のあれこれを事前に調べ上げたのだが、新幹線の中で食べた駅弁以上に大阪を楽しむことはできなかった。道頓堀は観光客の韓国語と中国語で混み、少し離れた飲食店街に逃げると、昼間はどこもシャッターが閉まっていた。やっとみつけた居酒屋でお蕎麦、おでん、ビールにありつけた。
東京人の私がこの年齢で初めて歩く大都市の大阪はまるでパラレルワールド。東京のような大都会でありながら全て初めて出会う街並みを目にしていると、どこを見ても日常への帰路を探し出せない、まるで記憶喪失になったような感覚であった。

心斎橋JANUS

小さなライブハウスで、たった一夜の数時間に「Homecomings」「Laura day romance」「ハク。」を浴びた私はビジネスホテルに帰った後も疲れすぎて寝付けず早朝5時、ベットの中で葛藤していた。「今すぐ何かおいしい物を食べたい」「今、大阪の街へ繰り出してもコンビニしか開いてない」「ビジネスホテルの朝食レストランは7時かららしい」。至った結論は「新大阪駅の新幹線の駅弁」。新幹線の駅弁屋さんは朝6時から営業してるらしい。土曜の夜にライブ、翌、日曜は大阪を観光してその夜に帰る予定だったが、この早朝の空腹によって朝6時、新大阪で駅弁を買って東京行きの新幹線に乗り込んでしまった。そして朝10時には東京の自宅に帰宅してしまった自分に驚いた。人生初の大阪、それは24時間もかけずに終わった。そして「ハク。」という若いサウンドバンドに完全に心を奪われた疲れは決して不快ではなかったのだ。

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