留学の事前準備
渡米して約三週間経ちました。
忘れないうちに、留学するまでの事前準備について纏めます。
今回は、僕の行った以下の事前準備に関しての経験を簡単に書いていきます。
① 留学先を決める
② 留学先のボスに連絡を取る
③ 会って面接などをする (学会・ウェブ)
④ 必要な書類をそろえる (履歴書・推薦書など)
⑤ 海外での生活資金を得る (助成金へ応募)
⑥ パスポートを取る
⑦ ビザを取得する (DS-2019・面接)
① 留学先を決める
日頃から「働きたくないなー」「できることなら働くという行為から無縁でいたい」「働いたら負けだと思っている。」っと教授やラボの面々に公言していましたが、その日は唐突に訪れました。
紅葉が始まりつつある、博士3年の秋のある日。
教授「そろそろ将来考えないとだろ?留学とか興味あるか?」
僕「できたらしたいです、自分が企業で働いてるイメージわかないです」
教授「確かにそうだな。なんかこだわりとかあるのか?」
僕「脳卒中の研究以外やりたくないです」
教授「わかった。候補あるから、アメリカの友達紹介してやるよ」
僕「あざます!!!」
こうして留学先を決め、現在に至ります。
そうです。多くの人が自分で留学先をいくつか吟味するのでしょうが、僕は教授のおすすめのラボを紹介してもらいました。
ラボを調べたところ、内容的にも興味深かったので非常に運がよかったです。
結論
人の縁は大事(コネともいう)
② 留学先のボスに連絡を取る
僕が留学したい旨を教授がメールですぐに連絡してくれました。
そのため、連絡先を調べたりすることはなく、とんとん拍子で進んでいきました。
一応、ボス同士のやりとりが終わった後に、
名前・留学したい旨・自分の今までやってたことなんかを書いたメールを自分のこれまでの業績をまとめたwordファイルとともに送りました。
多くの人はここでいろんなラボに送って音沙汰ないのもよくあるらしいです。
やはり、面識のある人からの紹介は非常に重要ですね。
結論
なるべく面識がある人からメールしてもらうとスムーズ
③ 会って面接などをする (学会・ウェブ)
留学先のボスも参加する国際学会が日本で開催されたため、特に渡米することもなくボスと面接することができました。非常に運がいい。
初めて連絡を取ったのが2018年の10月で、実際に留学先のボスにお会いしたのは2019年の7月でした。
事前にSkypeで話すという方法もありましたが、ぶっつけでした(笑)
実は研究室に入りたての4回生の際に講演で大学に来ていたので、初対面ではなく、すでに実は1度会っているという。(その時は内容が難しぎてチンプンカンプンでした)
学会のポスター発表も見に来てくださり、質問もしてくださいました。
(最初ボスってわからなかった笑)
その後、留学先のボス・教授・留学先に最近までいた脳外科医の先生と約2時間くらい面接を兼ねて飲み会をしました。
若干緊張しており、リスニング能力がごみだったのでなかなか質問が分かりませんでしたが、教授が助けてくれました。めちゃ助かった。
話の内容は、
・簡単に自分がやってきたこと説明して
・うちのモデルはこうだけど知ってる?
・趣味とかは?お酒好き?
・家族について教えて。親御さんは留学することになんか言ってる?
・いつから来れるの?
・お金はどうする?
僕の英語能力を除けば、特に恙なく終わり、お金さえ何とかなればラボに受け入れてくれるとのこと。
結論
日本で会えると今お世話になってる教授とかも来てくれるから
非常に和やかで話も盛り上がるし、やりやすい。交通費も浮く。
④ 必要な書類をそろえる (履歴書・推薦書など)
雇用手続きやビザ取得、ビザ取得に必要なDS-2019などの書類をそろえる必要がありました。列挙すると、以下の通り。
・履歴書(Curriculum Vitae)
・2~3通のレターヘッド付き推薦書
・博士号取得の証明書(取得見込み証明書)
・助成金の証明書
・犯罪歴のないことを証明する公証スタンプ付きの書類
・雇用手続きの書類
履歴書:フォーマットが送られてくるのでそこに当てはめていく感じ
推薦書:お世話になった人に依頼する。レターヘッドは所属先の証明をするもので、大学の事務に聞くと特別な紙をもらえるため、草案を作成し、依頼人に送る。その後、決定した文章をその紙に印刷する。
*教授・共同研究をした医学部の助教授・7年ほど一緒に研究室で研究してほかのところに就職した一個上の先輩の三人に頼んだ。
博士号取得証明書:事務に申請すればくれる。見込みも同様。
助成金の証明書:獲得できていれば、その財団などに申請すればくれる。
犯罪歴の公証書類:送られてきた書類に記入し、大使館などで公証サービスを受け、スタンプをもらう。通常一か所のスタンプで5,000円くらいかかる
*僕はややあってこれは渡米後に行いました。
雇用手続きの書類:送られてきた書類に指示通りに記入する。めちゃくちゃわかんないことばっかだけど、とりあえず埋めてメールで送ってチェックしてもらった。
書類仕事はなかなかわかりませんでしたが、とりあえず記入して送って確認してもらいのが手っ取り早いと思いました。
結論
わからないことは聞く。
推薦書はあらかじめ依頼する人を考えておいたほうがいい。
⑤ 海外での生活資金を得る (助成金へ応募)
留学する場合に非常に重要なのが、③でもありましたが資金面です。
アメリカでは最低限の給与がないと滞在許可が下りません。
また、どこのラボも給料を支払うのはなかなか困難なようです。
そのため、少なくとも生活費を自分でもってこれるかどうかが非常に重要なようです。資金面に問題がない場合、大手を振って受け入れてくれます。
(雇われの場合は任期が1年単位で精神的にもよろしくないようです)
日本でも日本学術振興会を含む様々な団体が資金的援助をしてくれます。
が、非常に狭き門であり、採択率はお察しです。
さらに、学内選考により財団での審査前に落選する場合もあります。
僕も9つの海外留学助成金の募集に応募し、以下の結果でした。
・アステラス病態代謝研究会:補欠→辞退者がなく×
・日本学術振興会 海外特別研究員:1次審査突破→面接→補欠採用→〇
・国際医学研究振興財団:×
・持田記念医学薬学振興財団:×
・先進医薬研究振興財団 :×
・第一三共生命科学研究振興財団 :×→繰り上げ補欠採用→〇→辞退
・東洋紡バイオテクノロジー研究財団 :×
・内藤記念科学振興財団 :学内選考×
・日本心臓財団:×
運よくいくつか補欠がもらえてよかったです。
基本的には一番最初に作った申請書をもとにフォーマットごとに変えていく形になるので、留学先のボスと最初にしっかりと話し合っておくことが大事です。
助成金の獲得に関しては、今度詳細に記事にします。
結論
とりあえず手当たり次第に出す。書いて書いて書きまくる。
⑥ パスポートを取る
パスポートは以下のものをもって県庁などに行けば申請できます。
・免許証などの本人確認書類
・申請書(外務省HPでダウンロード可能)
・6カ月以内の戸籍謄本
・証明写真(*細かい規定あり)
僕は学部3年(2013年)に10年用のものを取得したので、ここも問題なかったです。申請から受け取るまでには約1週間くらいで費用は16,000円くらい。
結論
海外旅行の際に10年用の作っとくと便利ね。
⑦ ビザを取得する (DS-2019・面接)
これはめちゃくちゃ時間かかりました。
新型コロナウィルスの世界的パンデミックのせいだと思いますが、DS-2019の申請を2月にして、手元に来たのは8月末でした。
*留学先のボスがプッシュしてくれてやっと届きました。
DS-2019が届いたら、以下の手順で作業を行います。
・DS-160をネットで作成する
・申請料金を支払う
・面接の予約をする
・在日米国大使館または領事館で面接を受ける(10分くらいで終わる)
・一週間くらいでDS-2019とビザが記載されたパスポートが届く
基本的には以下のHPの流れの通りですが、いくつか気を付けることがあるので、YouTubeやブログなどをチェックすると役に立ちます。
持ち物検査などを行ったのちに面接を行いました。
*館内にはマジで荷物は持っていけないので要注意です。
【面接内容】*英語
何するか?→研究
学位は?→PhD
研究分野は?→薬学、神経科学
どこ?→ハーバード大マサチューセッツ総合病院
最近外国行った?→NO
面接自体はほぼYES/NOで終わるやつで、人によっては英語ですらないらしいです。大阪まで行って約10分程度で終了しました。
結論
DS-2019が律速になるのでこれはマジで早めに申請しておく。
来ない場合はボスに関係者へ進捗を聞いてもらう。
面接は特に大したことない。
まとめ
上記のように留学に際してはやることが非常に多いです。
ビザ取得が非常に時間がかかるため、事前に進めておくことが重要ですね。
大学院を修了してすぐに行く場合は、引っ越しや市役所手続き、携帯や銀行の手続きなどあるため非常に時間がないです。博士号を取得してからの手続きも並行してやらなければいけないので、マジしんどいです。
最後に時系列をまとめます
2018年 (D3)
10月 留学先のボスにコンタクト
↓
2019年 (D4)
1月 助成金を調べる
4月 助成金に応募開始
7月 国際学会で留学先のボスと会う
書類手続きを行う
12月 第一三共生命科学研究振興財団に補欠採用
↓
2020年 (D4~研究員)
1月 博士論文提出&発表会
2月 日本学術振興会 海外特別研究員に補欠採用
DS-2019の申請する
ーーーー新型コロナウィルスが全世界で猛威を奮うーーーー
3月 学位取得
ビザの発給が停止する(大使館など閉鎖)
留学先のラボが閉鎖される
4月 岐阜で臨時の研究員になり実験を行う
8月 DS-2019が届く
9月 ビザの面接を行う
10月 岐阜から引っ越す
11月 渡米する (現在)
思い返すと紆余曲折ありましたが、縁にも恵まれ、資金も獲得することができ、非常に運がいいほうだと思います。
長くなりましたが、以上です!
では! (^▽^)ノシ
追伸
環境が変わると今までできていた手技もできなくなるもんだね。