感動するのよ
次男の中学の合唱コンクール。
会場を市のホールに場所を移し、行われた。
コンクール?発表会?名称に疑問が湧いた。
学年内、学級対抗なのだとか。
(競い合うのねー)
3組ピアノ演奏を担当するMちゃんのママ。
めちゃくちゃ緊張の表情で会場の列に並ぶ。
私、思わず話しかけた。
「大丈夫?」
「全然大丈夫じゃなくて…
Mが出がけに『吐きそう』って青い顔してて…私もう、心配で心配で緊張が伝染っちゃって」
なんとまぁ、もらい事故。
くだらないことを話してリラックスしましょとばかりに、私が話しかけていたら色味がさしてきて顔色が良くなり、ほっとした。
なんせ、今からが本番。ちゃんと見届けてあげなくっちゃね!
会場を待つ私たちに来賓で呼ばれたらしい教育委員会のひとが話しかけてきた。
「こんなに早くから並ぶんですか?
そんなに凄いんですかねぇこの発表会。
私、呼ばれたのが初めてなもので。どんなもんだか…」
あーなんということか。
保護者相手に失言だよ。
そう思っていても、口に出しちゃーお終いよ。
あなたアサーションスキル学んでいらっしゃらないの?
そう思ったが、年齢を重ねると変化が難しい。
ひとを変えるのではなく、私が変わって伝えよう。苛立ちをぶつけても相手を嫌な気持ちにさせるだけ。ならばこのイベントの良さを全面に押し出し、私たちが心待ちにしている思いを伝えよう。
「生徒たちの合唱を聞かれるのは初めてなんですか?そうですか。それでしたら、今日の合唱をお聞きになったら、きっと感動されますよ。生徒たち、すっごく一生懸命練習してますから。それがものすごく伝わる合唱なんですよ」
と伝えた。
周りの保護者さん方も、そうそうと口々に話した。
「そうなんですか。楽しみだなぁ。早くから並ばれてご苦労さまですね。」と相手。
良かった。
誰も傷つかず、前向きな発言ができて。
私たち保護者はコロナ禍で参加できる行事も減り、参加できたとて人数制限され、時間制限され、我が子の頑張りを見届ける機会を奪われてきた。やっと普通に戻り、気兼ねなく自由に参加できる今、どうして嬉しさという名の早る気持ちを抑えられようか。
来賓は大変だろう…でも、気持ちひとつで変えられる。せっかく来たんだから、楽しめばいいじゃない?
と思うのであった。
開会時間になり、開場。
早る気持ちを抑えつつ、よい場所見つけ急行する。撮影にはちと遠いが、鑑賞にはよい場所を押さえた。
我が子のクラスの合唱。
遠くに住む祖母、本日来られない夫の代わりに撮影しつつ、生で聴く、見る。
終盤に男子3人によるソロパート、そこで歌う我が子。絶好の見せ場。
出かけに緊張していた次男、思い出すとウルッとしちゃう。
そんなこんなも乗り越えて、学年の合唱が終わった。今日はこのまま聞いていけるけど、次の学年の保護者の方と入れ替わろう。
制限はないけれど、やはり我が子を良い席で見たい親心は分かるから…。
知り合いのNさん、涙ぐんでおられました。
ほんと、良かったもんね。
帰りがけにMちゃんママとバッタリ会い、讃えあい(おばさんが集まるとやりがち)
何かに一生懸命なひとを見るのは感動します。
素敵な機会をもらえて感謝しかありません。