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ギャグアニメの如し

先日のこと。
私はこの日、スイミングスクールの受付業務。
スクールはクラス毎、決まった時間になるとプールに入るのだが、前の時間が入水中の場合、
次の時間のひとは着替えて待機する『リラクゼーションルーム』にいることになっている。
そこはこの時期なら暖房完備、設置されているモニターで動画配信サービスの映像が見られる。私の仕事のひとつは、そのモニターのリモコンで動画を選択し、再生ボタンを押す。

ハンディキャップクラスのBくんが、リラクゼーションルームに入っていた。待たせてしまったことを詫びつつ、リモコンで動画を再生すると、待ってましたとばかりにBくん、
「コナンが見たいです。34話の続きが見たいです」と熱いリクエスト。

私「はい、かしこまりました。コナンですね」
と再生し、リラクゼーションルームを出る。

しばらくするとBくんが受付にやってきて
「すいません、コナンが見られません、コナン見たいです。モニターが大変です」と訴えに。

私、慌ててリラクゼーションルームへ向かい、モニター越しにリモコン操作。無事にコナンをスタートさせると、
「ありがとうございます、コナン見たかったです」とBくん。

やれやれ、ほっとし受付に戻るとすぐ
「モニターが見られません。コナン見たいです」
Bくんがまた声を荒げて叫んでいる。

私、再度リラクゼーションルームへ。

これを数回繰り返し、なんだかおかしいな?と思い、リラクゼーションルームのすぐ外から、
中の様子を盗み見ていると、
Bくんリモコンを巧みに操り、
早送りしまくっているではないか。
ややや。

「あれー?座って見ましょうねー」
私、思わず注意してしまった。

Bくん、悪びれることなく、リモコンを握ったまま「はい、コナン見たいです」
やけに素直な返事をなさる。

いやいや、あなたがイジっているのが原因で
コナン見られなくなってますから。

そんなラリーがさらに続き、
“これって『トムとジェリー』の追っかけっこみたいなギャグアニメじゃん!”
と冷静になればなるほど可笑しくて。

素直なんだか、イタズラなんだか、
子どもたちのすることに振り回されてつつ、
俯瞰すると慌てている私が一番笑えます。

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