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【ギタリストのための音楽理論】あなたは大丈夫?間違いだらけな「アヴォイド・ノート」の定義

この記事をご覧のギタリストなら、きっと「アヴォイド・ノート」という言葉を知っていると思います。ただし、こんな風な意味に捉えていませんか❓

・半音でぶつかる音どうし
・使っちゃダメな音

これ、とんでもない誤解です!でもこの記事を読めば大丈夫🙆
ギタリストがサクッと理解できるよう、あえて視覚的にわかりやすいピアノ鍵盤の図をつかってキー=Cで解説します。また、アヴォイド・ノートを知るためには「ダイアトニック」「テンション」の用語を正しく学ぶことが必須です。これでメロディのアイデアやコード・アレンジで「なんか違う」ときの修正や原因特定が容易になり、あなたは音楽家として強力なアドヴァンテージ得ることができます❗️ぜひ最後までご覧ください☺️


◾️まずは「ダイアトニック」から理解する

結論、アヴォイド・ノートの定義は「コード構成音の半音上にある音」です。
直訳すると「避けるべき音」ですが日本語のニュアンスでは「使用する際は注意すべき音」のほうがしっくりきます。
具体的に何に注意すべきなのか?ということを知るためにも、まずは基本となるダイアトニックの解説から進めていきます。

◾️ダイアトニック・スケール

臨時記号の♯、♭、♮ がつかないスケールです。
キー=CならCメジャー・スケールで、ピアノの白鍵のみで構成されます。
EとF、BとCの2箇所が半音インターバルで、CとD、DとE、FとG、GとA、AとBの5箇所は全音インターバルです。

◾️リラティブ・マイナー

メジャー・スケールの第6番目から開始したマイナー・スケールをリラティブ・マイナーと呼びます。ギタリストのほとんどが「Cメジャー・スケールとAナチュラル・マイナーは同じ」として覚えてるはず。これを一言で「リラティヴ」って言えると楽だしカッコいい🎸

◾️ダイアトニック・コード

ダイアトニック・スケールを3度ずつ4個重ねた和音のことをダイアトニック・コードといいます。
下からルート、3度、5度、7度で構成され「Maj7」「m7」「7」「m7(♭5)」の4種類が存在します。

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◾️ナチュラル・テンション

コード構成音以外のすべて音のことをテンションと呼びます。
このうち、ダイアニック・スケールに含まれる音のことをナチュラル・テンションといいます。「ダイアトニックに含まれるコード構成音以外の音」と覚えましょう。
1オクターブ内にある音2、4、6の呼び方として、1オクターブ上の数字である9、11、13を使うのが一般的です。
ダイアトニック・スケールには7個のモードが存在し、各モードごとのナチュラル・テンションは図のとおりです。

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◾️アヴォイド・ノート

いよいよここから本題です!コード構成音の半音上にある音をアヴォイド・ノートと呼びます。
キー=Cのダイアトニック・スケールのうち、半音インターバルで構成されているのはEとF、BとCの2箇所のみ。
すなわち、ナチュラル・テンションのうちアヴォイド・ノートとして扱われる音はFまたはC以外にないということです。
例えば、CMaj7の場合なら▲3の半音上に存在する11(F)、▲7の半音上に存在する8(C)がアヴォイド・ノートです。Maj7コードの上で弾くメロディがルートを強調しない傾向にあるのはこのためです。

◾️よくある誤解

アヴォイド・ノートのことを「半音で隣あう音どうし」や「弾いちゃダメな音」と誤解しているギタリストが非常に多いですが、あくまでも「コード構成音の半音上にある音」に名前を付けただけに過ぎず、決して使えないわけではありません。
直訳すると「避けるべき音」ですが、これもしっくりきません。日本語のニュアンスでは、「使用の際は注意すべき音」と考えたほうが自然でしょう。
ここでいう「注意すべき」なのはコードの響きや本来の機能を損なうことだと考えてください。

◾️例外的なアヴォイド・ノート「Dm7(13)」

ダイアトニック・コードのうち、トライトーン(増4度)となるFとBが存在するG7とBm7(♭5)をドミナント・コードと呼びます。
ただしBm7(♭5)をドミナント・コードとして扱うことは少ないため、一般的にドミナント・コードとはG7のことを指します。
本来はサブドミナント・コードであるDm7にナチュラル・テンション13を追加した場合、m3(F)と13(B)がトライトーンを構成するため、Dm7(13)あるいはDm13はドミナント・コードとして機能します。
よって、Dm7におけるテンション13は例外的なアヴォイド・ノートとされます。

◾️アヴェイラブル・テンション

ナチュラル・テンションからアヴォイド・ノートを省いたものをアヴェイラブル・テンションといいます。
コードを鳴らす際に使用するテンションの多くはアヴェイラブル・テンションで、アヴォイド・ノートを使うことはほとんどありません。
逆にメロディやアドリブでは経過音や装飾音として積極的にアヴォイド・ノートを使用することが多いでしょう。
*図では割愛しましたが、Maj7上ではルート音である8もアヴォイド・ノートの定義に該当します。

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なお、FMaj7に原則アヴォイド・ノートが存在しません。しかしルート音である8はアヴォイド・ノートの定義に該当します。
「なぜルート音はコード構成音なのにMaj7上で弾いちゃダメなんですか」のようなご質問をいただくことが多いのですが、アヴォイド・ノートはあくまでも「コード構成音の半音上にある音」に名前を付けただけに過ぎません。使っちゃダメなわけじゃなく、定義に該当するというだけの話です😅
「Maj7上でルートを強調すると▲7の響きを損なう場合があるので注意しよう」のように考えて上手にアヴォイド・ノートと付き合ってください🥰

◾️オルタード・テンション

ダイアニック・スケールに含まれないテンションのことをオルタード・テンションといいます。
キー=Cをピアノ図で考える場合なら黒鍵の♭9、♯9、♯11、♭13を指します。
m3に関しては異名同音で♯9と呼ぶことができますが、6thまたは13thの半音上の音に関しては♯6や♯13という概念が存在しないため常にm7と呼び、テンションとしては扱いません。

◾️よくある誤解

オルタード・テンションの定義は「♯や♭のついたテンション」ではありません。例えばFリディアンに含まれる♯11や、Aエオリアンに含まれる♭13はナチュラル・テンションです。
誤解している自覚がなく堂々とSNSで発信している人をよく見かけますが、めちゃくちゃカッコ悪いので気をつけてください☺️

お疲れ様でした!

いかがでしたか?知っているようで知らないことがたくさんありましたね❗️
この記事を学んだことにより、あなたは「なんか違う」ときの修正や原因特定が容易になったり、自分のメロディが客観的に自然な響きとなっているか判断できるようになったりと、音楽家としての強力なアドヴァンテージを得ることができました📚
ギターは頑張ったら頑張っただけ、ハッピーな経験を与えてくれる素晴らしい楽器です❗️
この記事があなたのギターライフのお役に立てることを願っております。
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