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Feel Like Makin’ Loveコード進行の鍵はコレ!〇〇を手に入れて圧倒的な自由度で弾く〜伴奏編

Feel Like Makin' Loveといえばロック・ギタリストにもおなじみの超人気セッション曲。
ゆったりしたテンポとも相性がよく、まさに「メロウ」の代表格と呼べるでしょう。
しかしいざ演奏してみると、謎のセヴンス・コードがやたら登場してきて忙しかったり、なんとなくペンタやメジャー・スケールで弾いてみるものの「コレ、本当にあってるんだろうか?」と本心ではどこか不安を抱えていたりと、堂々と弾けず悩んでいる人も多いはず。
Feel Like Makin' Loveを堂々と1コーラス弾き切る要はメロディック・マイナーです。
メロディック・マイナーの利点はソロのみに限らず、コード進行を華やかに彩る「subV7(裏コード)」が使えるようになり、圧倒的に自由度の高い伴奏ができるようになること!目安は4週間。決して難しくはありませんが、適切な工程を踏んで学習する必要があるため多少の時間は必要です。ぜひじっくりと丁寧に取り組んで、メロディック・マイナーを駆使したコード・アレンジ術を手に入れていただきたい。

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🔸第1週目🔸Cメロディック・マイナーのダイアトニック・コード

いわゆる「おしゃれコード進行」と呼ばれるほとんどにおいて、メロディック・マイナー由来のコードが登場しています。まずはわかりやすくCメロディック・マイナーを基準に解説します。

◾️メロディック・マイナーの主な使い方は3つ

まずは上の図をご覧ください。例外もありますが、ポピュラー音楽においてCメロディック・マイナーはキー=EのB7(V7)上で使うことが前提であると考えて構いません。主な使い方も以下の3つだけを覚えておけばOK!

◾️①メジャー・スケールの▲3を半音下げてm3に変化したスケール

一般的には「ナチュラル・のマイナーm7を半音上げて▲7にするとハーモニック・マイナーになり、さらに♭13を半音上げるとメロディック・マイナーになります」のような長〜い覚え方が推奨されますが、あまりにも効率が悪くロック・ギタリストには不向きな覚え方です。メジャー・スケールと3度が違うだけ、とシンプルに覚えましょう。

◾️第7番目のモードがオルタード

メロディック・マイナーの度数は「R、9、m3、11、5、13、▲7」というシンプルな構成です。
これを第7番目の音▲7から弾き始めるスケールがオルタードです。
オルタードの構成音を覚えるとき、メロディック・マイナーの▲7を起点に「▲7、R、9、m3、11、5、13」と覚えたほうが、オルタードとして「R、♭9、♯9、▲3、♯11、♭13、m7」と覚えるよりもはるかに効率的です。これは邪道でもなんでもなく、理論的にも正当な順序に基づくので安心してください🥰

*将来的にはオルタードの度数は覚えた方が良い

◾️ダイアトニックIVは裏コード

・B7上でBオルタードが弾ける
    ↓
・B7上でCメロディック・マイナーが弾ける
    ↓
・B7にCメロディック・マイナーのダイアトニックコードを代入できる
    ↓
・B7にF7を代入できる

という成り立ちによって、キー=EにおいてB7とF7は互換性があります。
このときのF7のことをB7のサブスティテュート・ドミナント(subV7)と呼び、裏コードとも呼ばれ、「subV7/I」(サブスティテュート・ドミナント・オブ・ワン)と書きます。
subV7のルート音は解決先の半音上に存在するという特徴があります。

【コラム】サブスティテュート・ドミナント(subV7)の本来の定義

実践ではほぼ役に立たない考え方ですが💦
本来は「ガイド・トーンを共有し合うドミナント・コード」がsubV7の正しい定義となります。
ガイド・トーンとは、コード・トーンのうち3度&7度の2個の音を指します。
・・・ということは知識として知っておいてください🥰

「B7のm7はFにとって▲3」「B7の▲3はFにとってm7」ということ

🔸第2週目🔸第4番目のモード・スケール「リディアン♭7」

ここからは解説文をなるべく短くするため、FMaj7は「Cメジャー・スケールの第4番目のダイアトニック・コード」、F7は「Cメロディック・マイナーの第4番目のダイアトニック・コード」であることを前提に、説明を割愛します。

◾️ダイアトニック・コードの比較

Cメジャー・スケールの第3番目の音Eを含むダイアトニック・コードはI、III、IV、VIの4個。
この4個のコードに含まれるEを半音下げればCメロディック・マイナーのダイアトニック・コードが完成します。

◾️コード・スケールの比較

FMaj7のコード・スケールがFリディアンです。
Fリディアンの▲7(E)を半音下げてm7(E♭)に変化したスケールがFリディアン♭7(フラット・セヴン)です。
F7はB7のsubV7でしたよね。つまりリディアン♭7はsubV7のコード・スケールでもあります。

◼️リディアン♭7に使用可能なテンションは9、♯11、13

Fリディアン♭7に使用可能なテンションは、Fリディアンと同じく9、♯11、13となります。Fリディアンの7度が▲7からm7に変化した以外は、全く同じスケールであることを覚えておきましょう。

【コラム】7thコードに使用できるテンションは基となるコード・スケールで決まる

たとえば、第4週目のFeel Like Makin' Love進行の4小節目に登場する「D♭7(13)」のコード・スケールはD♭リディアン♭7です。
もし「D♭7(13)」ではなく、コード・スケールにないテンションを使用した「「D♭7(♭13)」を弾いてしまうと、ミストーンに感じるほど強い違和感が生じるでしょう。
コード・スケールの通りにテンションを追加する必要はありませんが、もし演奏時に「これじゃないな」と感じたら、基となるコード・スケールが何かを理論的に導き出して適宜修正してください。
*実践では11などアヴォイド・ノート(コード・トーンの半音上にある音)を避けることが多いでしょう。

🔸第3週目🔸Feel Like Makin' Love進行の原型

さあ、いよいよキー=E♭のFeel Like Makin' Loveのコード進行の解説をしていきます。仕組みが理解できれば圧倒的に華やかなコード・アレンジが可能になり、演奏の楽しさが別次元となります。まずは原型となるシンプルな骨組みからしっかり確認していきましょう。

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