リー群
SO(2), SO(1,1), SU(2) は、リー群 (Lie group) であり、それぞれが異なる対称性や構造を持つ群です。各群についての定義と具体的な行列を示します。
1. SO(2) の定義と具体例
SO(2) は、2次元ユークリッド空間における回転群です。この群は、次の性質を満たす 2x2 実行列の全体で構成されます。
直交性: ( R R^T = R^T R = I ) (ここで ( R^T ) は ( R ) の転置行列、( I ) は単位行列)
行列式が1: ( \det(R) = 1 )
SO(2) の行列 ( R(\theta) ) は、回転角 ( \theta ) に対応する回転行列として次の形になります:
[
R(\theta) = \begin{pmatrix}
\cos\theta & -\sin\theta \
\sin\theta & \cos\theta
\end{pmatrix}
]
2. SO(1,1) の定義と具体例
SO(1,1) は、2次元のミンコフスキー空間におけるローレンツブーストを表す群です。この群は、次の性質を満たす 2x2 実行列の全体で構成されます。
直交性 (ミンコフスキー計量のもと): ( \Lambda^T \eta \Lambda = \eta ) (ここで ( \eta ) はミンコフスキー計量行列で、2次元では ( \eta = \begin{pmatrix} 1 & 0 \ 0 & -1 \end{pmatrix} ))
行列式が1: ( \det(\Lambda) = 1 )
SO(1,1) の行列 ( \Lambda(\theta) ) は、ブーストパラメータ ( \theta ) に対応する行列として次の形になります:
[
\Lambda(\theta) = \begin{pmatrix}
\cosh\theta & \sinh\theta \
\sinh\theta & \cosh\theta
\end{pmatrix}
]
Observer の速度
v=tanh\theta
3. SU(2) の定義と具体例
SU(2) は、2次元複素空間における特殊ユニタリ群です。この群は、次の性質を満たす 2x2 複素行列の全体で構成されます。
ユニタリ性: ( U U^\dagger = U^\dagger U = I ) (ここで ( U^\dagger ) は ( U ) の随伴行列)
行列式が1: ( \det(U) = 1 )
SU(2) の一般的な行列 ( U ) は、次の形で表されます:
[
U = \begin{pmatrix}
\alpha & -\beta^* \
\beta & \alpha^*
\end{pmatrix}
]
ここで、 ( \alpha ) と ( \beta ) は複素数であり、 ( |\alpha|^2 + |\beta|^2 = 1 ) という条件を満たします。Pauli行列(spin-1/2, up or down spin) が導かれる。
各群の構造は、物理や数学のさまざまな分野で重要な役割を果たします。例えば、SO(2) は平面上の回転、SO(1,1) は特殊相対性理論における時間と空間の変換、SU(2) は量子力学におけるスピンや弱い相互作用の記述に関連しています。
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