学術出版:レビュー制度
open / single-blind / double-blind peer review
投稿された論文の審査プロセスをまとめてみる.
一般的には,editorial review の後,peer review を経て,掲載の可否が決定される.
・editorial review (エディトリアルレビュー):
ジャーナルのエディターが投稿された論文がジャーナルの要件を満たしているかをチェックする.
(自分たちのジャーナルに相応しいかを判断する.)
これを通過すると,peer review,すなわち査読の段階に進む.
・peer review (ピアレビュー):
Reviewer に査読をお願いするシステム.
Peer review は主に以下の3種類に分けられる.
・open peer review (オープン・ピアレビュー):
著者(Author) —> 査読者が誰か “わかる”.
査読者 (Reviewer) —> 著者が誰か “わかる”.
・single-blind review (シングル・ブラインド・ピアレビュー):
著者(Author) —> 査読者が誰か “わからない”.
査読者 (Reviewer) —> 著者が誰か “わかる”.
・double-blind review(ダブル・ブラインド・ピアレビュー):
著者(Author) —> 査読者が誰か “わからない”.
査読者 (Reviewer) —> 著者が誰か “わからない”.
・Single-blind review が一般的(double-blind review は変な疑いをかけられると危惧している人が多いらしい.)
https://www.editage.jp/insights/large-scale-survey-by-nature-publishing-group-reveals-authors-preference-for-single-blind-review
・Double-blind review だと駆け出しの無名な研究者にとっては得することが多い.
(ただ,arxiv や,学会発表でその内容を公開していれば,結局のところ,著者が誰だか特定されるので,double-blind review にならない.)
https://naturalist2008.hatenablog.com/entry/20100105/1262649129
*これは査読論文の抱える問題の1つだろう;
ジャーナルは,より公平性の高い,double-blind review を勧めようとしているようだが,
多くの研究者にとっては,arxiv や,学会発表(事前に自分たちが仕事をしたことを証明すること,学会は活動証明にもなる)も必要な機能な気がする.
—> arxiv や,学会のオープンアクセスの理念と,double-blind review のシステムは互いに相反している…