【短編】誤ち
気分を害する人もいるかもしれない内容だと言うことを冒頭に注意書きしておきます。
過激な内容を含む短編なので、それを覚悟の上でも読みたい方だけ読んでもらえたらと思います。
なぜ、このような短編を書くかと言うと、
近年のメディアによる目立った印象操作や、情報や言論の封殺、そして、実際に苦しむ当人が少数派に置かれた際に、全てが敵になりうる状況、集団でのいじめが大人の組織でも起こりうることを伝えたかったのです。
感情的になってでも動かねばいけないと思った主人公がどのように振る舞い、過ちを犯すのか、それをこの短編小説から感じ取ってもらえたらと思います。
おそろしい夢を見た。
私の言うことが誰にもわかってくれない世界の夢。
何を言っても伝わらないから、ついに手が出た。
殺さなくてはならない。
彼らが言うことはどんなことでも賛成される。
私の理解と同意は全て無視された。
殺さなくては、私が殺される。
もはや論理などなかった。
感情的にでもやらねば、私が殺されるのだ。
だから、ひとえに手を出した。
動くしかなった。
首に手をかけて、殴り続けた。
泣きながらただ殴った。
彼らは笑った。
ほら見ろみんな笑っているぞ。
お前が間違っている。
何かを言わせてはならない。
彼らが発する言葉全てはこの世界で同意され、
私を嘲笑する。
黙らせなくてはならない。
首を落とした。
もう何も声が聞こえてこない。
それでも誰かがあなたが間違ってるよと言った。
声が出ない。
身体が動かない。
床に横になっている。
私の首が落ちたんだ。
鮮赤な液体が横になった私の目前に伝った。
いかがでしたでしょうか?
とても不快な内容だったかもしれませんが、誰にも話を聞いてもらえない、聞いてもらってもあなたは間違っていると一方的言われること。
もし、この世界でこういうことが起きているなら、それは他者を傷つけるような過ちを犯してでも動く人が現れてしまうのでしょう。
たくさんの人が声を上げたくなっています。
一部の人たちの意見ばかりが、まるでみんなが同意しているかのように進んでいく社会に不満を抱く人たちがいます。
それは大きな唸りを作り始めているのは確かです。世界中で唸りが起こり始めています。
我々は他者に危害を加えるような事象を止めるためにも、どんな内容の話でも耳を傾ける、聞くことが大切でしょう。
そして互いの意見をきちんと尊重して、合理的にきちんとそのバランスを保つこと。
たとえ個人や、少数派でも、地位や権力がなくてもきちんと分析して正しいことを言う人がいます。
どんな話にも背景を追えば、そこには大切な教訓があります。
まずはできることから、もし、自分たちの周りに困っている人がいたら、その人の話を聞いてみるところから始めてみるのが大事なのだろうと感じます。
そして何よりも、自分自身の感情にも耳を傾けてあげ、世間とのギャップにも折り合いをつけることも大切かもしれませんね。
ただし、それがもし、自分や他者の生命を害したりするのなら、なんとかせねばなりません。
声を上げましょう。
自分はもちろん、
人類のために必要なことはなにか
今一度問われているように思います。