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石田亜佑美という「アイドル」

まず、本日は石田亜佑美さんの24歳のお誕生日!おめでとうございます。

私はアイドルという概念を愛しているのですが、すっかりモーニング娘。’21の石田亜佑美さんのファンです。

私にとっての石田亜佑美さんの魅力の話をしようと思います。

前置きですが、人が人を好きになる理由なんて様々ですし、それに優劣も善悪も存在しません。私が書くことも結局はアイドルとしての石田亜佑美さんの部分しか分からない人間が書いていることですし、正解なんてきっとどこにもないと思います。なのでクソデカ感情を抱いているんだな~ぐらいの感覚で読んでください。

石田亜佑美はアイドルをしている

アイドルをしているって何?って話かと思います。歌って踊ること?ステージに立つこと?可愛くいること?ファンを持つこと?そもそもアイドルってなに?って話です。

これはもう持論になるのですが、石田亜佑美さんがつくる「アイドル」は、すなわち「何にでもなれる存在」だと思っています。この生き様、というかアイドルとしての立ち振る舞いが私はとても好き。ちなみに小田さくらさんはまんま「アイドルをする」=「偶像」でいること、です。これもいつか書きます。

石田亜佑美さんって、

何にでもなれる存在=実像ではない偶像を演じる存在=アイドル

なんです。今回、「アイドル」は「何にでもなれる可能性のある人」という捉え方をしているのですが、石田亜佑美さんのアイドルの解像度がすごく綺麗で、本当にこれを表現するのがうまい。という話です。

というかそもそも引き出しが多い。そしてその引き出しは10年間で生み出した努力の引き出しです。天才が閃いた、誰かに作ってもらえた引き出しではないところ含めて非常に魅力的だと思います。

近々で一番顕著なのはソロフェス!でしょう。ファンがダンスで魅せると予想していたものを覆す、演技を含めたステージになりました。結果メンバー投票でも2位の成績を残しています。この引き出しを作って「使った」のは全部石田亜佑美自身であるということが本当に凄いな、と思いました。

今後あるかないかの自己プロデュースステージ。ひなフェスより自由な、かつ勝負事としての表現の場です。彼女は非常に真面目でファンの声を常に意識していることは振る舞いから分かるので、多分ファンからもダンスで真っ向勝負する石田亜佑美を期待されていたことも知っていると思います。それでも彼女は歌詞を解釈し、演技という手段で曲の世界の演者になりました。

彼女のそのパフォーマンスへの意気込みも、新しい自分を表現したいという意思が伝わってくるものでした。普通9年もアイドルをやっていれば(そもそも9年もアイドルをやっているのが本当に凄い)得意技、専門職が決まってきます。特に彼女はそれが顕著です。「ダンス」。これがアイドルの彼女が最初に出した、最強の武器です。本人もファンもそう自覚しているはずです。加入当時からダンスが得意であることを公言し、その発言に嘘がないスキルを発揮し続け、モーニング、ハロプロ全体でもダンスの柱を担う重要人物になっていることが何よりの証拠です。

そんな彼女が自分のダンスを封じ、違うアプローチを掛けたことに非常に心打たれました。真摯に取り組み、自分の可能性の幅を決めつけず、向上心を持っていなければ到底出来ない決断です。もちろん演技を選んだのは彼女にとって博打ではない自信があったからこそできることだと思いますが、石田亜佑美=ダンスで決まっていた方程式を、見事ぶち壊しました。

この方程式こそ彼女が9年かけて作り上げた「石田亜佑美」の「アイドル」像です。ファンが石田亜佑美と言えばこれ、という偶像。それが「ダンスが上手い石田亜佑美」なのですが、彼女はそれを自ら封じ、違う手で新しい「アイドル石田亜佑美」を表現しました。

こう書いてしまえば簡単ですが、受け取り手であるファンがどう捉えるかでアイドルはアイドルとして成立するか否かが決まります。アイドルは、ファンがそれをアイドルだと認識することでアイドルになるのですから当たり前です。猫でも杓子でも名刺を作れば即アイドルの時代ですが、それは他者からのアイドルであるという認知が存在しなければ成り立ちません(持論です)。特に彼女は鞘師がいたころから(つまり加入当初から)ダンスで一番になりたいと言っていました。だからこそダンスは彼女を表す記号にもなっていますし、そう売り出している商品「石田亜佑美」をファンは気に入り、手に取っています。

この、意外だったというファンの声こそ、ファンが作り上げていた「石田亜佑美」を壊している証拠であり、その意外性は評価として昇華させる必要があります。ダンスでの石田亜佑美のパフォーマンスの期待を上回らなければならないのです。「ダンスを封じて他の引き出しを使う石田亜佑美」、それがファンの期待している石田亜佑美であるかはそれこそ博打です。それでもここで勝負に出たのは、彼女が一人の表現者で、アイドルだからだと思います。一人だから、9年間の努力の裏付けがあったから、今の石田亜佑美だから挑戦出来たものだと思っています。

そうやって表現者の一人として臨んだステージで、彼女は「アイドルは何にでもなれる存在である」ことを評価と身をもって証明しました。

少し逸れますが、メンバー投票、結論から言えばスキルの高さではなく、いかに自己プロデュースが上手いかの結果だと思っています。1位のかわむーのタップダンスは一見スキルですが、メンバー投票のコメントではそれと共に選曲も評価に入っていました。自分の声質が、性格が、表現方法が、どの楽曲に、どの表現方法に一番合うかを見極めてこその結果だと思います。3位の愛生ちゃんも自己プロデュースの塊でした。単純にダンスコンテストでものど自慢でもないところが本当にハロプロがハロプロである根っこだなぁと思います。

その自己プロデュース力の評価がそのまま反映されていると思うのですが、石田亜佑美さんの評価のされ方は少し異なります。なんて言うんだろう。それも踏まえたうえでの改革賞に近いものだと思います。スキルももちろんありますが、彼女は自己プロデュースの上で、ステージに新しい解釈をぶつけてきました。やりたいことと成長と挑戦と解釈の柔軟さ、すべて欲張った結果がメンバーの胸を打ったのだと思いますし、彼女のその姿勢こそがアイドルとしてを超えて、人間として本当に素晴らしいなと私は感じます。

石田亜佑美のダンスこそ理想のアイドルである

彼女は、ダンスでも教えられたとおりの振り付けを正確に表現することに重きを置いています。

自ら振り付けを考えることが苦手であることは公言しており、2019年のロッキンの泡沫の振り付けも後輩の平井美葉ちゃんに依頼したことも有名な話です。それは教えられたものをきっちり習得し、正確に表現できるのが彼女の強みでもあることを裏付けであり、その強みがダンスマシーンと評される理由です。彼女は1つの作品(楽曲)において、モーニング娘。のために振りを入れた振付師の意思を、そのままステージに上げられるということを意味しています。石田亜佑美を通してファンはモーニング娘。の制作側の意志、表現を手に取ることが出来ます。

私はこれがアイドルを偶像と捉えるならばこその最高の解釈だと思っています。この解釈は、アイドル自身はもちろんパフォーマーではあるが、作詞・作曲の作り手である大人の裏側をそのまま表現するフラットな存在こそアイドルであるという認識の上で成立する、という考えです。

これは作り手としてはありがたいです。そしてモーニング娘。が好きなファンにとってもありがたいです。変に料理することなく、正確に表現するから伝わる情報がたくさん存在します。自身のダンススキルの高さもそうですが、何年も積み重ねている中でクセを付けず、正確なものを受け取ったうえで表現し、教えられる彼女は貴重です。歌もそうですがダンスも、その人なりの解釈が生まれれば省くところは生まれるし、帳尻を合わせようと思えば合わせます。それがスキルであり解釈の広がりだからです。その自我を封じ込めてでも生真面目に彼女は表現することが出来る。それも手段としてはチアの土台から手数を増やしている。そりゃあ現場で重宝され、非常に欲しい存在になります。

といって石田亜佑美さんがそんな透明なパフォーマーであるかと言えば違います。彼女は類まれなるダンススキルを存分に発揮し、歌いながら踊り、時には演じ表現者として、アーティストとしてのアイドル(偶像)の側面も持ち合わせています。それを披露する場がたくさん用意された環境で9年間育ってきています。ただ制作側の意志を伝えるだけならあの今のパフォーマンスは成り立ちません。この絶妙なバランスこそが彼女の魅力なのです。

ダンスと言えば、彼女は音に合わせたリズムで振りを入れているのでカチッとハマるところが個人的に好きです。インスタの振り付け動画もそうですが、振り付けの入れ方がリズムをなぞる擬音語が多いことと、音を後で重ね合わせたとしてもリズムが先に走ることがないので本当にすごいなぁと思います。また、映像だけで振りを覚えるのが苦手と話していたと思うのですが、踊ってみた動画はほぼ見て覚えたものだと思うので、そのあたりのダンスへの貪欲さ、容赦ないスキル向上志向、それを発信するプロデュース力が本当に長けています。

モーニング娘。の石田亜佑美

つんく♂さんのライナーノーツを読むとやっぱりモーニング娘。の解釈が広がります。今に何を期待しているのかも分かりやすいです。以前つんく♂さんがモーニング娘。には外に出るために自らの殻を破り成長をして欲しいと(めちゃめちゃ雑に表現するとですが)話されていて。自分が決めたアイドル像を、自分が見ているモーニング娘。という「アイドル」を、その船を。壊して進化し続けることで、母体のモーニング娘。はさらにアイドルとして、というかそれを超えた文化に、存在に昇華されるのだと私は解釈しています。

モーニング娘。と言えばテセウスの船の現代版みたいなところがあるのですが、モーニング娘。のメンバー自身がアイドルでありつつも、モーニング娘。というグループが大きな概念、偶像として成立しており、メンバー自身がその夢見たモーニング娘。の理想を目指し続けているのが好きで、これはモーニング特有の、歴史が詰まったバトンが引き継がれている結果だと思います。

石田亜佑美さんの面白く魅力的なところなのですが、彼女はグループでいる場合、期待された、与えられた役割に徹しています。というかモーニング娘。への誇りと愛が強いため、それを踏まえた表現や言動が多いです。

上記、石田亜佑美さんの何者にもなれる証明と二律背反しそうなのですが、絶妙なさじ加減でつんく♂さんの言っていたアイドルの殻を自ら破っているところが彼女の魅力であると思っています。

彼女は道重さゆみのモーニング娘。愛を直に受け継いでいる存在だと思っていて、ふくちゃんのエッグ時代からのハロプロ愛とは別の、モーニング娘。を愛する心がさゆ譲りだな~と思う部分が多々あります。

自分が発信することでモーニング娘。がどうみられるかを常に意識していますし、そのプロ意識こそが彼女の生真面目さの表れであり、そんな愛が見えるから応援したくなる存在です。自らの進化を止めず、モーニング娘。の進化を強く望み、かといって決して過去を軽んじない生真面目さを持っています。本当に絶妙なバランスです。より良いものを常に出したい、モーニング娘。としてのプライド、石田亜佑美としての価値、すべて抱えて前に進み続けています。

最後に

バーイベの物販が公開されたので見てきたのですが、衣装真っ白で正月の衣装と合わせてひとり紅白歌合戦開催できるとか思っていたのですが、書いてあるメッセージを読んで納得しました。何色にも染まれる白を選んだと。これこそ石田亜佑美がアイドルである、アイドルでい続けていてくれる意思表明だなと思いました。10年目に突入していようと、彼女はまだ自分の可能性を何者かになろうと探しているのです。まだまだ進化をし続けていくつもりなのです。

石田亜佑美がアイドルでよかったと、そしてモーニング娘。になってくれてよかったと、心から思います。24歳を迎えた今、「常に今が最高であれ」を掲げる気高さが誇りです。貴女に出会えてよかった。

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