付加5 八ヶ岳の山の紹介 阿弥陀岳と御小屋山(米川さんの絵本)
阿弥陀岳(あみだだけ)
付加2で紹介した赤岳の西側にあり諏訪側に突き出している独立峰。標高2805m。
赤岳と共に山容の厳しい雄峰です。頂上は意外と広いですが周囲は切り立った岸壁となっています。八ヶ岳の稜線から外れて西側に飛び出しているため、八ヶ岳連峰を横から眺めるのには良い山です。
特に赤岳、横岳、硫黄岳などの山々の岩峰をみるには最高の山と言えます。茅野市側から眺めると阿弥陀岳が前面にあり、赤岳が裏側に隠れるため、両山が重なり、間違って見られることもあります。
平安時代末期から山岳信仰の対象として開山の歴史があり、修験道の山として修行者が入る様になり、それぞれの仏に似た岩峰に名前を付け崇め道場としていました。山頂には二十数基の医石仏や石碑が祀られています。
この山には前山に御小屋山(御柱山)、立場岳など信仰にかかわる由緒ある山を持ち、赤岳と共に奥の院として知られ神体山で聖なる山域とし崇められていました。
特に前山の御小屋は御柱山と呼ばれ諏訪大社の山として知られています。
古くから信仰の山でしたが、現在は岩登りの登撃ルートとしても使われています。
御小屋山(おこやさん)
阿弥陀岳産業から西に延びる御小屋尾根にある独立峰で、別名御柱山とも呼ばれます。標高2137m。
平安時代から諏訪大社にご神木として納められる山で、そのころから山岳信仰の山として人々が登っていました。
諏訪大社は全国25000社の総本社です。諏訪大社では御柱祭(おんばしらまつり)と呼ばれる祭りを数えで7年に1度行います。このお祭りのご神木の8本を御柱山から諏訪大社まで5里5町(約20km)曳行(えいこう)するお祭りです。曳行の様子は凄まじく全国的にも有名となっていて諏訪地方の大きなお祭りです。「御小屋の山の樫の木は里に下りて神となる」等の木やりの歌があります。
この山を起点とした修験道は阿弥陀岳、赤岳の奥の院などを修行の場として聖なる山域でした。
解説
「信州ウソくらぶ」新聞に掲載。「信州ウソくらぶ」は、長野県県職員OB有志による機関紙(月間)新聞です。
Saitouです。「北八ヶ岳だより」として寄稿していた文章より抜粋し修正加筆しています。米川さんの絵本八ヶ岳の解説に補足しました。
諏訪大社は上社、下社とあり、上社は前宮、本宮、下社は秋宮、春宮とあります。御柱祭りは諏訪地方を2つに区切り、それぞれの地区から上社、下社に御柱を曳いていきます。
上社、下社のご神木の曳行の姿は若干異なります。さらに各地区では小宮(こみや)祭りとして御柱祭りがあり、その年は一年中賑やかとなります。
※事故に注意
阿弥陀岳では、毎年クライミング、アイスクライミング中に滑落事故が多発しています。体力・知識に過信する事なく、十分にお気をつけてお楽しみください。