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37.ヘリコプターでピヤノを上げる 38.ヘリコプターが飛んだ(米川さんの絵本)
37.ヘリコプターでピヤノを上げる
音楽会でピヤノが必要になった。
思い切って中古のピヤノを買った。
160kgあった。
ヘリコプターで上げた。
いよいよ本格的な音楽会になるぞ。
37.解説
米川正利:
1980年の春、2400mの山岳高地にヘリコプターでピアノを上げたのは黒百合ヒュッテが初めてです。
36話で紹介した「フルート奏者が来た」にてN響の小出信也が高山での演奏をとても気に入ってくれて、N響の仲間や演奏家を連れてきて合宿や演奏会に使ってくれるようになった。
そしてそのうち、やっぱりピアノがあればねぇという話になったんです。
山小屋への荷物は歩荷。ピアノなんて背負って運ぶわけにはいかない。
でね、ピアノなんて高価なものですから、中古のピアノを買って、ヘリコプターで荷揚げした。
ピアノが空をとんだ。すごかった。
それからピアノ伴奏で美しいフルート演奏会を聴けるようになって。彼の演奏会を聴いていろいろな人達が演奏したいって言ってくれるようになりました。
38.ヘリコプターが飛んだ
大きなヘリコプターが沢山の荷物を運んできた。
小屋で使う一年分は有るぞ。
こんなヘリが何時でも使えるといいな。
38.解説
米川正利:
1980年に大型ヘリコプターが一度に2tもの荷物を運んできた。
これからはヘリコプターの時代だと聞いて米軍のヘリコプター頼んでみた。
恐ろしい値段の運賃にびっくり。やっぱりボッカしかないね。
補足
米川正利です。
通常は山小屋へは、50キロくらいまでの荷物は背負って登ります。背負って登る事とか登る人の事を歩荷(ぼっか)っていいます。
でも、小屋で使う重油とか、とってもたくさんの量だから。
そんな時、ヘリコプターで荷揚げができるって聞いて。
ただ1970年代日本ではまだ民間荷揚げヘリコプター会社はなかった。
いろいろな人達に聞いて、1980年に米軍のヘリコプターを頼んでみたんです。
一度にたくさんの荷物を小屋に運んでくれる。そりゃあ楽ですよ。
でもびっくりする恐ろしい金額だった。
だから、最初の頃は1年に1度くらいしかヘリコプターを使えなかった。
あとは歩荷。そんな時代でした。
SAITOUです。
米川さんが書いてくださった文章では「ピアノ」ではなく「ピヤノ」です。
そのまま校正せずに掲載をしようかと思っています。
昔は「ピヤノ」という文字を使われていたようです。なぜピヤノと言われていたか、もし詳しい方がいらっしゃいましたら文献を教えてくださいませ。
記述公開したいと思います。
さて、現在は荷揚げはヘリコプターと歩荷で行われています。
それでもジェットエンジンの高騰などで荷揚げ料金はとても高く、小屋単独の時もありますが八ヶ岳の小屋が一緒になって荷揚げを行っています。
ヘリコプターを一回出動させるだけでも大変な費用がかかります。
時々、自宅から空を見上げるとヘリコプターが八ヶ岳にとんでいきます。荷揚げかしら?それとも救助かしら?
自宅近所の公園は緊急のヘリコプター離着場所にもなっており、八ヶ岳に限らず救急搬送などにもヘリコプターが使われています。
八ヶ岳は風の流れなど操縦が難しい気象条件となる事も多くあるなか、遭難事故などでもヘリコプターは使われます。
登山をされる皆様、どうぞ安全登山をお願いいたします。
米川さんの絵本校正中、引き続きよろしくお願いいたします。
おはなし絵:Yonekawa Masatoshi
共著:Yonekawa Keiko , Saitou
※この記事は米川さんの絵本proofreadマガジンに掲載中です。
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