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EIGHT-JAM 宇多田ヒカル特集に魅了された!

楽器なんてひけないし、音楽のことはさっぱりだけど、見ていてめちゃめちゃその言葉の引力に惹き付けられて、思わずTVerで2度も見直してしまった。

宇多田ヒカルという人そのものの魅力にハマったので、ここに紹介したい。

メロディーが先。
メロディーがないと言いたいことがわからない。

そう語るのは宇多田ヒカルさん本人だ。
メロディーがないと言いたいことがわからない、といいつつ、2週にわたる彼女の特集では、自分の気持ちを言葉で表現することにすごく長けている印象を受けた。

また、作詞作曲過程の表現も面白く、譜面では書けない要素というものをいろんなものにたとえ、音楽がわからなくてもなんとなくわかるような、そんなところに引っ張ってくれる。

(AC-illustより)

潜在意識のスープの中から、ぽろぽろコードやメロディーがでてくる。
メロディーは母音や子音が結び付いて出てくる。
歌や声は書道の筆みたいだ。
ハネるところがあったり、太く書くところ、薄く始まるのか濃くなるのか。

ミネストローネかなぁ、なんとなく具材がうっすら見えてる状態になったら、自分がどんなことを言いたいんだろう?表現したいんだろう?がわかってくる。
その時に、母音や子音に導かれて、歌詞が出てくる。
制約があればあるほど、自分でも予想してなかったハマる歌詞が出てくる。
短歌のような。
そして、あ、私こんなこと言いたかったんだ!とハッとする。

作曲できるというスキルを使って、自分が何がいいたいのかを導き出す。
しかもすごく制限をかけて、ぴったりくる言葉選びをする。
『自分が何を言いたいのかわからない』のではなくて、その言いたいことをパズルのように組み立てることが好きなんだろうなぁ、と感じた。
そして、苦しみながらも楽しんでそれが出来ていることが素晴らしいと惹き付けられたのだ。

(AC-illustより)

作詞は釣りみたいだ。
待つことが仕事。
海流の流れや天候を読んで、自分の頭の中で釣れそうなポイントに行く。
何をしてても、頭の奥の方では釣りをしてる自分がいる。

ピンとくる言葉に出逢えるまで、釣り糸を場所を変えながら落としていく。
釣りはしたことないけど、なんとなくのイメージが出来て、この点においてはすごく共感も出来た。
同じ意味をもつ言葉でも、選ぶ単語によって印象が変わる。
英語よりも、言葉遊びが出来るという日本語が、彼女は好きだという。

外国語が話せたらかっこいいよね、とは思うものの、日本語の素晴らしさを探究するのもまた自分自身に深みが出そうだ。
やはりたくさんの本を読むことがそういう部分を引き上げてくれるのだろうか。

自分の中でもハッとしたり、おっ?!と思えるものじゃないと、人も同じようには思ってくれない。

作品を作るなかで、自分が作ったものから常に新しいなにかを発見できているのだろう。
自分自身の成長を楽しんでいて、新しい自分との出逢いも楽しむ彼女の生き方が素晴らしい。

周りの人たちとの関係性において、自分のことを知っていく。他人は自分を映す鏡だ。

ファンの子たちから「寄り添ってもらえる歌詞」「励ましてくれる歌詞」と言われると、
「あー、私がそれを必要としてたから、自分に贈った歌なんだなぁ」と感じる。

だから歌は自分に対して作っているのだ。

自分だけど、みんな。
突き詰めるとみんなつながってるよね。
地下水*の溜まってるようなところで、みんなつながっている感覚。
だから、自分にとって本当のコトを表現すれば、みんなにとってもホントのコトになる、そう思ってる。

*番組では地下水ではなく、貯水と表現

星読みで、特に近年よく言われているのかな、と思う「自分だけど、みんな」というワード。
そして、月と太陽は、あなたとわたし、という星読みの考え方。
もしかしたらそういう知識もあるのかもしれないけれど、その言いまわしを聞いて、より親近感を覚える。

地下水の溜まっているようなところは、アカシックレコードとか言われる場所かもしれない。
また、潜在意識、顕在意識、無意識、そういうことが海に浮かぶ氷山で現されることが多いから、『地下水』なんだろうな、と。
心理学的なニュアンスもあるし、いろんな分野の知識がありそうで、話を聞いてるだけでとても引き込まれた。

また、彼女の「自分だけど、みんな」という意識は小さいときからあるという。
そう感じられることが羨ましくもあり、『魚座的な人なのかな』という興味が湧く。
*実際は山羊座でした
本人的には射手座がしっくり来ていたらしい。

出生時間が本当なのであれば、月星座が魚座のようだ。
子どものときから「自分だけど、みんな」と感じていたという要素も月星座ならではなのかもしれない。
深くは星読みできていないので参考までにペタッと。
いつか星を読んでみたい。

個と普遍性。
自分を突き詰めたらみんなだよね。それは確信。
子どもの頃から感じてた。
絵本を開けば、自分が感じていることを表現してくれてる人がいる。そこから本の世界に入っていった。
自分も共感してるし、この本が有名であれば、よりみんなもそう思ってるということだよね。
みんな感じてることは同じ、そう思っていた。

裏の考察にはなってしまうけど、ちょっとだけ寂しかったのかな?とも感じる。
本の中に「みんな」とのつながりを確信し、寂しさを紛らわせていたのかな、と。

そして、ジャンル問わずに本当によく本を読むんだろうな、と推測せずにはいられなかったのが、今回のベストアルバムに収録されている『Electoricity』。

ひととひと。モノ同士でも、その間にある不可視な繋がりとはなんだろう?
そんな疑問を抱えていたという。

マイクロキメリズム、そして、量子もつれ(entanglement)という現象を同時期に知ったことで、説明のつかない愛とか絆をテーマにして出来上がった楽曲が『Electoricity』だという。

科学と文学が好きだというのが、ここに現れている。
ちなみに宇宙人同士の恋の歌で、まさに『Science Fiction』というアルバムタイトルにピッタリの曲だ。

マイクロキメリズム 日経サイエンス 2008年5月号
量子もつれ 東京新聞TokyoWeb 2022年10月23日

あとがき

誕生日を調べたときに、こんな話もあり、またビックリしている。
それをおまけで載せておこう。


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