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「若い人はどこにいる?」高齢化しているこども食堂などの市民活動団体さんがとるべき、多様な年代の仲間集めについて考える

先日、山口県こども食堂・子どもの居場所ネットワークの研修講師をしました。その中で、「活動に参画する若い人が少ない」という悩みがありましたので、それにお答えする資料をつくり説明しました。今回はその内容を共有します。作成した資料は以下です。

高校生・大学生

多くの時間、学校に関する活動をしています。最近は高校にもボランティア部があったりします。福祉や栄養など専門学校や専門課がある学校も社会貢献活動には関心がある学生さん多いです。大学生はコロナで実習ができないので、教育系の学生が関心を持ちがちです。また就職活動でアピールすることがコロナの影響でなかなかないため、そうした学生時代の実績を積まないとと思っている方も多いです。

20歳代

なんらかの仕事やアルバイトなどをしている方が多いです。Z世代で学生時代にボランティアなどに関わっていたり、教職・介護・栄養など資格を持っている人もいて、仕事以外の時間でボランティアやプロボノとして関わる意識が高い人がいます。また、Webやデザインなど広報に必要なスキルを勉強している若者も多いので、そうしたNPO運営を担ってくれる人材にも声をかけたいところです。また、ひきこもりや障がいなどの若者が活動に参加しているケースもありますので、幅広い若者を受け入れる姿勢があるといいです。

30歳代

仕事で忙しくしている人が多くなります。結婚・出産・子育てなどライフイベントがあり、共感度が高まる時期でもあります。産休・育休中などいったんお仕事から離れる時間がある方に積極的に現場運営やNPO運営に手伝ってもらったり、寄付をお願いするのもよいです。こうしたお休み中の期間は社会とのつながりが薄まって不安に感じる方がいらっしゃるので、そのケアもできますし、この時期につながりを持つと、のちのち落ち着いてから戻ってきてくれます。

40歳代

仕事や子育てで忙しくしている人が多くなりますが、PTAや親の会など教育機関の運営に関わる機会や親同士の人脈も増える時期です。「周りで気になる子がいる」といった情報を伝えてもらったり、親のネットワークに情報提供してもらったり、PTAの取り組みなど、そうした接点になってもらうのもよいです。忙しくてボランティア活動に参加ができなくても、そうした情報元や情報伝達の接点になってもらうことも立派なボランティアとしてお願いできるかが鍵です。

50歳代

仕事は忙しいですが、定年退職や第二の人生のために地域に目が向き始める時期です。地域の問題をきちんと伝えて寄付者になってもらったり、仕事での人脈を活かしてもらってお勤めされている企業の職員からのボランティアや寄付をお願いするのもいいかもしれません。スキルや経歴がある方ならNPO運営のアドバイザーとして関わってもらうのもよいです。専門的な業務をお願いする場合は業務委託などできちんとお支払いすることができるとなおいいです。

60歳代

仕事がひと段落して、腰を据えて活動をしてくれます。生まれ育った場所に戻ってくる都会暮らしだった人もいます。子どもとの接点だけでなく、活動を通じて多世代の人とつながりがもてる楽しい場づくりに自分の残りの人生を使いたいと思ってもらえるかが鍵です。深く関わってもらうために理事になってもらったり、雇用して事務局長になってもらうなどを見据えた関係性づくりが大切です。

各年代にあった情報発信について

資料では各年代の人が使っているだろうと思われるSNSのアイコンを掲載しています。年代によって使うSNSは違うとよくいわれているので、団体でそれらのSNS運用を始めているところもありますが、肝心なのがそれを発信する人も同年代でないと伝わらないということ。

例えば私は今47歳でFacebookをよく利用しているのですが、背伸びして使い慣れていないTikTokで10代に伝わるような情報を発信をしたら・・・かなり寒い発信になります。逆にFacebookを全くしていない大学生が40代、50代向けにFacebook投稿をしようとすると、妙にフランクすぎたり、欲しい情報が含まれていなかったりとなかなか難しいようです。つまり、各年代に伝えたいのであれば発信側もその年代の方が重要になるわけです。

こども食堂の運営をされている方であれば、中高生のお子さんがいたり、大学生の孫がいたりといった方がいると思うので、そうした人に発信をお願いするなどしてみるのもよいです。当日の研修にも中2の娘さんを連れてきたこども食堂運営をされている方がいらっしゃいました。

LINE、Slackはコミュニケーションツール

LINEやSlackはボランティアになってからメンバー間のコミュニケーションツールとして使われがちです。特に若い世代はメールはあまり見ない傾向があるのでSlackなどのツールがつかえるとよいです。このSlackは40代・50代以上で慣れていないと、単一のチャンネルで雑多なやりとりをしてしまい使いこなせなくなってしまうことがよくあるので、若い人の使い方を学んでいくことが欠かせません。若い人を自分たちに合わせるのではなく、自分たちから若い人に合わせていく感覚が必要です。慣れないとしんどいと思うことがあるかもしれませんが1年やってみると案外適応できていたりする自分に驚きます。

長い期間をかけて、多様な年代の人を増やしていく作戦

多様な年代な人と、長いスパンでお付き合いをすることで、時間が経つほど参加する人が増えていく。そんな市民活動ならではの人の増やし方を目指すといい感じになっていくと思います。


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今給黎 辰郎(いまきゅうれい たつお)
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