モロカブリ

イマの働く会社は今年の4月から服装が自由になった
「オープンドレスコード」っちゅうやつらしい

3月まではスーツだったわけで、
変わりたての4月頃はみんなどんな服装をしていいか探り探りだった

カジュアル目な生地のワイシャツ、
さらっとしたジャケット、
ポロシャツ、
Tシャツと変化してようやく落ち着いてきた。

こういった変化を他人の顔色を見ながらゆっくりと行なっていくところ
やれ、「あいつはカジュアルすぎないか」「あの服装はどうなんだ」と噂するところ
日本人の良くないところが出ている気がする

イマは嫌気がさしたので気にせず
カジュアルを率先している。

だが、カジュアルにもデメリットがあった。

ある日の通勤、
電車を待っていると、後ろに中学生の3人組が並んだ
何やらゲームの話をしているようだがイマは特に注目もしていなかった。
やってきた電車に乗り込んで、イマと中学生が並んだ

電車内のガラスに映る姿を見た時、思わず目を見開いた(表現でなく本当に)

服装が全く同じだ！

紺のポロシャツに！
グレーの！スラックス！

さらにリュックは黒！

やられた

この並びでは最後の1人がおっさんで見事な4段落ちである。
しかも中学生のコスプレにしてはとんでもない地味さ、面白みも皆無だ

せめてこの中学生のガキンチョどもとの差をつけなければいけない！と
胸を張り、髪型をバッチリ分け目をつけて、精一杯の大人の風格を見せつけた。

そしてなんとか降車駅に着いた、
だか中学生も同じところで降りる。

いやな予感はしていた。
そういえば何度か退勤時に見たことがある制服だ
と、言うことはイマが真似しているといってもいい、
やられたなどと言って申し訳ない

急いで会社に向かう、いつもよりも早歩きだ

会社について、朝礼を行う

まったく同じ服装のおじさんたちがちらほら居る

次からこのコーディネートはやめようと思う。