これからコーヒーフェストに挑戦する人へ〜失敗談と現地レポート
こんにちは。アメリカ・カルフォルニア州アナハイムで開催されたラテアートの世界大会コーヒーフェスト( Latte Art World Championship Open )に参加してきました。厳しい予選をくぐり抜けた64人がトーナメント形式で競い頂点を目指します。
今回、このnoteを書くに及んだ理由は「実際に行ってみないとわからないこと」が沢山あって、かつ「わざわざアメリカに行ってから初めて知る必要のないもの」が多くあり、それを知る場所がなかったという事実です。
アメリカへ行く前このnoteを読むことで、自分が踏んだ失敗を避けて通れます。世界に初挑戦する人の助けになれば良いと、そしてこれから継続して挑戦するための備忘録になればいいなと思っています。
以下、「大会本戦」「スローダウン」「アメリカでの生活」「予選突破するために」「おまけ」という5項目でまとめていきます。適宜加筆していきます。
大会本戦
会場の様子
ステーションが2つ並んで、その間に3人の審査員席が配置されています。ステーションにはエスプレッソマシン、グラインダー、ノックボックス、タンパー、タンパーマット、タオル、冷蔵庫(ミルク格納)があります。審査員席に提出用の陶器のお皿、審査用の金属トレー、上方に撮影用カメラが備えられています。
手前に観客席があり、エスプレッソマシンの上方もしくは横にカメラが設置されており、テレビに映し出された競技の様子を誰もが観れるようになっています。
エスプレッソマシン
機種はSYNESSO MBP HYDRAの2gr.です。カラーは青色と黄色。今回トーナメント表の上に名前がある選手が青色を使いました。機体差というよりは、セットで備えられているグラインダーの兼ね合いで抽出差が出てきます。
スチームノズルは外側に4ホール、内側に5ホールがついています。体感5ホールの方がスチーム圧が強かったです。
スチームワンドは触っても熱くなく、ある程度フレキシブルに動きます。
スチームハンドルは0-1ではなく、中間の圧が存在するので、手前に引き切らないと中途半端な圧しかかからず、逆に戻し切らないと弱い圧がかかり続けます。
使用するコーヒー豆
基本的にはスポンサーのロースターが用意した豆が使用されます。
しかし、今回はDAY1で使われた豆がどうも焙煎から時間が経っている、もしくはデカフェのような豆だったことがわかり、選手たちの抗議がありDAY2、DAY3は違うロースターの豆に変更されることになりました。
DAY1の豆は見た目はフレンチローストで豆の表面は油がテカテカとしていましたが、抽出するとかなり明るい色でミルクを注ぐとうまく混ざらなく、バリスタ達は話し合ったりいろんな手法を試したりと抽出の調整に大慌てでした。
自分はドースアップすること、ミルクを厚めに作ることで対応しました。しかしミルクが全然浮いてこなくて、まるでデカフェの豆に注いでいるようでした。
講義はDAY1終了直後に対面で行われたり、Instagramの投稿で行われていました。違うと思ったことはしっかりと抗議する姿はアメリカらしさを感じましたし、よいコミュニティや大会を作り上げるために一人ひとりができる行動を取る姿をみて学びが多かったです。
グラインダー
機種はCeado e37T。秒数は4.6秒に設定されていて自動的に止まる。ドースアップしたかったら止まった後にもう1度入れ直す。
秒数の設定を変えることもできるみたいだったけど、事前申告が必要で、実際に申告した人はいなかったです。
DAY1では粉がポルターフィルターの真ん中に落ちてなくて溢れている人が多かったけど、DAY2以降は粉の落ちる方向が調整されていました。準優勝したProoh選手はドース中にトントンしながら粉を水平にならしていました。両手でする必要があり、ミルクを注ぐのは抽出ボタンを操作した後になる。
ミルク
ホールミルクといわれる生乳で、冷蔵庫の中で冷やされている。はじめの選手は栓を開けて少しパージしないと空気がぼこぼこして注ぎにくいので注意。
前の選手はミルクを出しっぱなしにしているので、ミルクの量を気にして移し替えたり、どうしてもぬるくなるので冷蔵庫から新しいミルクを出しても(出した方が)いい。
必要なバリスタツール
大会側から各自持参推奨されているものには
カップ
ピッチャー
タンパー
がありますが、そのほかに持っていくとよいものは
スケール
ミルク用、エスプレッソ用の2つあればいいですタオル
使い慣れたタオルがいいです。会場のタオルは共用なのでそもそも大きすぎて使いにくかったり、コーヒーの粉がついてたりします。スチームワンド用、提出前のカップ拭き取り用があるといいです。軽く羽織れるもの
会場は空調が効いてて、寒いくらいです。出番が後の方だったら体が冷え切ってしまいます。試合の進行スピードは接戦が続くと読めないので、長引いても良いように準備しておくといいです。
審査基準
バランスやシンメトリー、難易度やユニークさ、スピードなどはそのままで考えたらいいと思います。
プレゼンテーション
審査員は提出されたカップを360°回して汚れをチェックしましす。提出プレートの近くに布巾を置いて完全に拭き取る必要があります。
個人的感想ですが、プレゼンテーションとスピードは相関関係にあると言えそうです。一杯目で綺麗に描いてそのまま時間をかけて拭き取り相手より先に提出することで2ポイント取れるという感じです。カラーディストリビューション
絵柄の中にバランスよく茶色が入っていることが非常に重視されます。全体的に白っぽい完成度だったり、中間色のベージュが入ると評価されないです。例えばハートインをするのにも太い茶色のレイヤーが入ることが良いとされます。
スローダウン
スローダウン( Throw down )とは大会期間中に本大会とは別に賞金・賞品のかかった小さなラテアートの大会です。今回アナハイムでは2つの大会に参加したのでレポートします。
雰囲気
初日に行われたスローダウンはビールのブリュワリーの野外ステージのようなところで、DJがいて司会がいてパーティのような感じでした。一般のお客さんもピザやタコス食べながら観戦します。
2日目に行われたのはどこかの倉庫を借りて、ケータリングを呼んでスポンサーが出店したりしていましたが、メインはバリスタが集まって大会をしました。
時間帯
本大会が各日程17:00くらいに終わるので、その後みんな移動して19:00くらいから始まって22:00くらいまでやってる感じでした。大会の規模やトーナメント表の大きさ、審査員のジャッジの速さ、司会進行の迅速さで終わる時間はまちまちです。
気温
どちらも野外なので外気温に気をつけないといけないです。8月のロスは夕方は過ごしやすいですが、どんどん涼しくなって寒くなります。湿気もないので、日本の秋のような感じでした。本大会とも共通しますが、あったかく羽織れる服装がおすすめです。
体力との相談
アメリカとの時差がありつつ、移動して、なおかつ本大会もありつつの参加なので体調を崩しかねません。もちろん積極的にエントリーするのもいいですが、本大会に影響が出るようなら思い切って見送るのも大事です。大会には出ずに、パーティにだけ参加して雰囲気を楽しむだけでも十分です。
オーツミルク
スローダウンではスポンサーの関係でオーツミルクを使ってのラテアートが多かったです。同じスローダウン中でも1回戦はオーツミルクで、2回戦は普通のミルクで、3回戦は…みたいな感じでその場の流れで使うミルクが変わったりします。
オーツミルクでも当たり前のようにうまく描けないと勝ち上がっていくのは難しいです。
チョコレートのスポンサーがついていたりして、ホットチョコレートで描かないといけなかったりした回もありました。
絵柄の指定
ミルクの変更に加えて、お題が出たりします。
シンプルなハート
レイヤーハート
ロゼッタ
スローゼッタ
ウイングチューリップ
スワン
アメリカでの生活
ホテル
なるべく大会会場の近場がいいです。できれば参加予定のスローダウンの会場との兼ね合いも考慮できたらいいです。タクシーでの移動は高くつくので、なるべく徒歩圏内がおすすめ。
日程
トーナメント表の大きさは64人のときは3日間、32人の時は2日間で開催されます。スローダウンは大会期間中、前夜から行われていたりします。今回のアナハイムで乗ります大きな流れは以下です。
DAY1
13:00 事前ミーティング (エスプレッソ抽出やミルクスチーミングを実演してくれて、注意事項などもこのタイミングでアナウンスがあります。)
14:00-17:00 本戦 best32まで
19:00-22:00 スローダウンDAY2
14:00-17:00 本戦 best16まで
19:00-22:00 スローダウンDAY3
14:00-17:00 本戦
時差
西海岸で16時間
東海岸で13時間
飛行機の移動でうまいこと調整できたらいいですが、現地で時差ボケのまま戦うのは覚悟しないといけないです。連日の疲労で夕方からスローダウンにかけてキツさを感じることも。
食事
昼過ぎに本戦、夜にスローダウンがあります。夜は流動的になるので朝と昼はしっかり食べて、スナックなどの軽食を持っておくといいです。アメリカはどこでもスーパーや薬局、コンビニ、カフェがあるので調達に困ることはあまりないと思います。
移動
現地での移動は基本的にタクシーか徒歩になります。乗車アプリ「Uber」や「Lyft」を事前にインストールして、海外でも携帯が使えるように設定しておく必要があります。
予選突破への作戦
作品作り
レジュメ作り
トーナメント表のしくみ
おまけ
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