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【旅日記】新茶の季節の前にお茶どころに来てしまった(静岡県/掛川)
常滑で急須を買ったら、お茶を飲みたくなってお茶処に茶葉を買いに行った。
常滑駅から名鉄に乗って豊橋駅、そこからJRで新所原駅まで行った。新所原駅で天竜浜名湖線に乗って掛川駅に向かうのが目的だ。掛川に行くならこのままJRに乗っていったほうが早いが、ローカル線である天竜浜名湖線は、浜名湖を半周ぐるっとまわって走っている電車で一度乗ってみたかったのだ。
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新所原駅では、次の電車まで1時間近くあったのだが、駅前はなにもないので途方に暮れた。天竜浜名湖線の新所原駅では、名物の浜名湖のうなぎが売っていった。あまりお腹が空いてはいなかったが、「せっかくだしな」と思って買って食べることにした。
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「駅のホーム内で食べますか?」と言われたので、悩みながらも「はい」と答えた。うなぎが焼き上がるまで駅のホームで待っていると、お店の人がお盆に乗せたうなぎ丼とお茶を持ってきてくれた。駅のホームでベンチに座りながら食べる飯はなかなかないなと思った。
うなぎは表面はパリッとして、炭火で香ばしくこんがりと焼けていて、中はフワッとしていた。タレは少し甘めの味付け。駅前の店だったので、何も期待していなかったのだが、普通に美味しいと感じた。喉が乾いて一杯お茶を飲むと、お茶処が近いからかうまいと感じた。
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食べ終わり、お盆をお店に返してベンチで電車を待っていると、紫色をした電車がやっていた。よくよく見ると、エヴァンゲリオンの電車だ。「え?なんで?」と思ったが、観光客を誘致するための涙ぐましい企業努力なのだろう。
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右手に浜名湖を拝みながら2時間以上かけて掛川へ。景色は良かったのだが、掛川につくまでがあまりにも長かった。ずっと乗り通すもんじゃないなと思った。本来なら、途中下車して観光を楽しみながら進むのが正解だろう。今日は時間がなかったので素通りしてしまった。
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掛川に着いたのが4時頃でそろそろ日が傾いてくる頃合いだ。掛川にはお茶を買い求めてやってきたので「茶の蔵 かねも」という創業1872年のお茶屋さんに行ってきた。駅から15分以上歩いただろうか。結構駅から離れた場所にある。
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立派な店構えである。店内は時間と季節柄、誰もいなかった。新茶の季節はこれからで、その直前に来る人はまずいないのだろう。恐る恐る店内に入っていくと、お店の人が出てきてくれて、「駅前にも茶葉ならあったでしょ。どうしてここまで来たの?」と不思議そうな顔をされた。「お茶屋さんで茶葉を買い求めて見たかったんです」と苦し紛れの言い訳をした。常滑焼きの急須を買ったら、帰り道、唐突に茶葉が欲しくなってお茶処の掛川に寄りましたとは、まごついてしまい言えなかった。
シーズン外れに来たかわいそうな観光客だと思われたのか、ほうじ茶と抹茶のチョコレートをごちそうしてくれた。また、パンフレットを奥から取り出して、スマホで掛川周辺の観光スポットを探して教えてくれた。掛川城はタイミングが良ければ、夜にプロジェクションマッピングでライトアップされるとも聞いた。
そこから立ち話が続いた。海外からくるお客さんがいて、ある人は東海道五十三次の道順通りに歩いてやってきたそうだ。15kgくらいの重い荷物を背負ってやってきた台湾の方だそうで、夜歩いていて危なくないかとお店の人が聞くと、「日本はとても安全な国だから大丈夫!」と答えたそうだ。
その他には、サイクリングでこれまた訪れる人もいて、真夏で熱中症にならないか心配だねという話をしたり、とにかく話が止まらなかった。他人の話を聞くのは好きなので、ずっと聞き入ってしまった。
そろそろ、茶葉を買って帰りたいなぁという素振りを見せると、お店の人も気がついたのか「長話になってしまいましたね」と言って「茶葉なら、これとこれがおすすめですよ」と教えてくれた。そのうちの1つの茶葉を100g購入した。
レジ前のガラスケースには、文字や絵が彫られた高そうな常滑の朱泥急須や湯呑みが売られていた。私の物欲センサーがビビビっと鳴ったのだが、常滑で急須を買ったときに「大丈夫にしてくださいね」と言われた言葉を思い出し、そこはグッと堪えた。
その後もお店の人との会話は続いた。明治時代、廃城令が政府から発令されて全国のお城が取り潰され、掛川城も例外ではなかったそうだ。当時、明治政府はお金が入り用だったからか、お城の瓦や家財道具などを市内の商店などに売りさばいたようだ。
今日訪れた「かねも」もお城の瓦を購入したお店の1つ。かつては、かねもの工場の瓦は買い取ったお城の瓦が使われていたと聞いた。今では、店内に飾ってある瓦が現存するだけのようだ。
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茶葉も購入できたので、ホテルに向かうことにした。今日泊まる予定ホテルは「掛川グランドホテル」だ。平成バブル期にできた豪華なホテルといった雰囲気が出ている(実際のところはわからないが)ホテルでは結婚式が行われている最中で、花嫁が扉の前で待機しているところと鉢合わせた。気まずさを感じながら、チェックインを済ませてエレベーターで客室まで上がる。「チーン」っという小気味よい音が鳴って、階に到着する。珍しい旧式のエレベーターのようだった。
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夜は街に繰り出して地元のお店でご飯を食べようと思っていたが、歩き疲れてしまったのでホテル内のレストランで済ませることにした。中華料理を出す店で担々麺と八宝菜を食べた。
翌日、朝イチでホテルをチェックアウトして掛川城に向かった。掛川城の中はさすがに朝早すぎて開いていなかったが、桜が満開の掛川城を近くまで歩いてみた。また、高台から市街地を眺めた。
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朝ご飯は「麺屋さすけ本店」というラーメン屋に決めていた。駅から離れていて、これまた20分くらいのところにある。地方のラーメン屋だし、朝も早いからそんなに並ばないだろうと開店15分前に着いたら、すでに10人弱の人たちが並んでいた。幸い、店内が広く、一巡目で入ることができた。
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ラーメンのスープを啜ると、個人的好きな鶏ベースのあっさりとした醤油味だった。店内は地元の人たちで賑わっているようだった。次の電車まで時間がたっぷりあったので、最寄りの掛川市役所駅にのんびり向かって、ベンチで読書をして待つことにした。
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次に加茂荘花鳥園のある原田駅に向かった。加茂荘はアニメ「氷菓」のモデルになった家でもあるそうだ。
原田駅から加茂荘まで20分以上かかり、駅から割と距離が離れている。そのためか、原田駅を降りたのは私だけだった。川沿いは土手が桜並木になっていて隣には茶畑が広がっている。のどかな田舎道を歩いている気分になれる。
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桜並木のアーチを通り抜けると、遠くにとても長い塀が見えてくる。加茂荘の塀だ。木造建築の建物で、敷地がとても広くて地方の豪農の邸宅といった感じだ。菖蒲の季節には早すぎるためか、誰一人として観光客はいなかった。また、季節外れのため、500円と破格の安さで入館できた。
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花鳥園という名前がついている通り、温室にお花が展示されていて、数は少ないが鴨が飼育されているようだった。中には天井からお花を吊るされてあるものもあり、歩いてみるとジャングルみたいだった。
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外に出て、菖蒲を植える予定の水田に出てみると、鴨が放し飼いにされていた。親子3匹の鴨が隊列をなして泳いでいる姿がなんとも愛らしい。夢中になって、鴨たちの写真を取りまくった。鴨たちの動きを眺めているだけで癒やされる。
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最後に加茂荘を見て回った。思っていたよりも一つ一つの部屋は小さく、コンパクトにまとまった感じだった。中庭に池があり土間からの眺めはとても落ち着く。玄関に農具が室内に置いてあったのを見て、農家なんだなというのが見て取れる。
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掛川駅に戻り、自然薯を出してくれるお店を訪ねた。自然薯を食べるのは初めてで、とろろよりもドロっとして粘り気が強がった。自然薯はおいしかったのだが、ご飯が塊になっている箇所があってそれが残念だった。
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掛川駅に戻ってきて、観光案内所で「掛川城開門30周年記念版 掛川三城御城印」を購入した。普段は書き置きの御朱印は買わないのだが、掛川周辺の鳥瞰図が載っている特別なものだったので購入した。
また、駅ナカにタバコの自販機と見せかけた「チャバコ」の自販機があった。「世の中を茶化そう」と書いてあって、面白そうだったので購入してみようと硬貨を入れたら、コトンと戻ってきてしまう。何度か繰り返したが結果は同じ。どうやら販売していないらしい。
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残念に思ったのだが、近くのキオスクでまったく同じものを売っていることを発見した。記念に2箱購入した。あと、掛川の名物なのかメロンパンをおやつに合わせて購入した。
旅日記#6(2024/04/07)