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【インタビュー:blondy(後編)】 IMALAB×blondy。誰かと一緒に何かを作り上げるということ、誰かに頼るということ。

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自分たちじゃできないことは、人に頼ってもいいんだ

――ライブ以外でも、今回IMALABチームと制作をすることにあたっての過程、グッズを作ったり、打ち合わせを重ねたり(しかもオンラインで)してみて、blondyにとって何か新しい発見はありましたか?

陸 : メンバー以外の人と、ここまで深く何かをするってのが今までなかったんです。いざ収録に行って、扉を開けたら人がたくさんいて(笑)。そこで初めて、いろんな力がいろんな所にあるんやなって実感しました。自分たちだけじゃできない、たくさんのこと。自分たちの得意分野以外の、自分たちの知らない分野のプロフェッショナルが集まるとこんなにいろんなことができるんやなという発見がありました。自分たちじゃできないことは、人に頼ってもいいんだ、そういうやり方もありなんだと気付いたことも、新しい発見です。

――IMALABは全国各地から新進気鋭のクリエイターが集まってできています。だからこそ、普段関わらない人たちと、という感覚は正しいと思いますね。

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ずっとどこかにあった、人任せな希望
やっと気づけた、これはターニングポイントだ

――オンラインライブの総視聴者数は3000人を超えていました。放送が終わってみて、まわりの反響はいかがでしたか?

陸 : 僕個人的には、普段ライブハウスに来たりしない小中学校時代の友達がライブを見て応援してくれたというのが大きいです。

木下 : 今まで、blondyを目当てにライブハウスに足を運んでくれる人は正直少なくて。知名度も低い中でこのライブに出させてもらって、3000人もの方に見ていただいて。バンドを始めてからずっと、どっかで、こうして続けていればいつか誰かが見てくれるだろうという靄のかかったような希望、人任せな希望があったんです。でも、今回は実際に本当に多くの人に見ていただく機会をもらって。これは今後の活動に良い影響をもつなという確信が持てました。ターニングポイントになる気がしました。漠然な不安と一緒に抱えていた、いつか、いつか、と思っていた部分が明確になりました。

今村さんは、サッカーの監督(笑)

――続いて、いわゆる〝メジャーレーベルの人〟である今村さんと関わってみての感想をお伺いします。初めてのことばかりできっと受身でいるしかないところもあったと思うんですけど、blondyには他とは違う何か光るものがあったからこそ一緒にやることになったんだと思うんですね。実際の流れの中で、改めてきちんと自信につながったという手応えはありましたか?

陸 : 曲の良さ(笑)。でも、それは3人の中でIMALABに見つけてもらう以前に解決してて。解決というか…半ば無理矢理自分たちの中に落とし込んでやってきていました。曲が良いという自信はあったけど、漠然とした自信でしかなくて、外に届いていた実感がなくて不安だったりして。

――それが、実際に自分たちの手を離れて外に出ていった実感ができたんですね。

陸 : はい。

――ちなみに、プロデューサーである今村さんの印象は?きっと今村さんは、blondyが初めて接する音楽業界の人、だったはず。

陸 : (見た目が)サッカーの監督(笑)。

濱田 : 良い人なんだけど、変わっているなぁ…と思いました。最初は僕たちが今村さんのツイートに反応して連絡して。それから、ファーストコンタクトの時点で即決でIMALABでライブをすることが決まって。正直ちょっと疑ってた(笑)。でも、事が進むにつれて、友達みたいな空気感もあるんだけど、今では信頼できる大人の1人です。バンドマンにない観点もあって、言い方が悪いかもしれないけど、利用しやすいというか。blondy的には、自分たちでは出てこないところを考えて教えてくれる。トータルして、接しやすい人です。変わってるけど…。

木下 : 3人の隙間にスッと入ってくるような優しい方です。業界の方って、なんとなく、その方のキャリアとかもあるから上からなイメージだったんですけど。今村さんはblondyのもう1人のメンバーみたいな感じでバンドのことを中からも外からも見てくれていて。何よりも、blondyを愛してくださっているという感覚も1番最初のミーティングの時からひしひしと感じました。例えば、この曲のここが好きだとかいう話もたくさんたくさんしてくださって。嬉しかったです。

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選択肢はかなり増えた
だから、ひとつひとつ全部をより深く、大切にしていきたいと思う

――ここまでの振り返りも踏まえて、最後に。今後はblondyとしてどのような活動をしていきたいと考えていますか?

濱田 : IMALABでお世話になりだす前も、お世話になっている今も、変わらない感覚でやっているつもりです。ただ、「僕たちはいろんなことができる」とわかった上で、今まであったもの、これから増えていくもの、一つひとつ全部をより深く、大切にしていきたいです。例えば音源制作。例えば、一本一本のライブ。どんなに些細なことでも、しっかり自分たちで考えて、困ったり迷ったりしたら誰かに頼る、ということをして行きたい。あとは、IMALABで経過したいろんな物事がすごく楽しかったので、僕たちこう見えても楽しんでやってるんだよーって姿をもっともっと見せていきたいです。

木下 : 今までの活動は、近いところ、その場に居て手の届くところだけで完結していたんだなと思いました。実際にIMALABの方達とお仕事をしてみて、このご時世の影響もあって閉鎖的になっていたところが個人的にあったんですね。これからどう活動していったらいいのかなとか。でも、進むべきいろんな方向性が見えました。それに、こうなりたいと思っていたのとは違うblondyも見えました。担当してくださったカメラマンさんや老月さんにも刺激をいただいたので、もっとパワフルに、いろんな方向性を考えて活動していこうと思います。これからのblondyにおいての選択肢はかなり増えたと思っているので、より深みがある活動をしていけたらいいなと思います。

陸 : 実際、今後もライブ活動に関してはコロナのこともあるし慎重に考えないといけないんですけど。個人的に、ライブ活動以外の部分で1番やりたいことは、1枚のCDを通して聞いてもらった上で、その人の心を動かすようなアルバムを作りたいです。今年1年、blondyとしては多くは動けなかったけど、僕個人的には本当にいろんなことがあって。環境や人間関係が大きく変わった1年だったんです。この僕の1年の生活から、誰かの生活の上にある誰かの心を動かすアルバムを作りたいです。目標は…来年の夏過ぎ。良いアルバムができると思うから、その時は是非聞いてください。

――あっという間でしたね。ありがとうございました。


インタビュー:遊津場/文・構成:舛屋史子
ライブフォト:シロ


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