【IMALAB NEWCOMER PLAYLISTレビュー 2022.03】
板歯目 / McGrady / 柚帆 / 最果テルーティン /
TNT's Session / yard rat /
EVERYDAY GOODNIGHT / kureai /
DOKIN / SUIMMIN / 衛星都市 / yuna.
板歯目
シンプルなギターのストロークにぶっきらぼうな千乂詞音(Vo/Gt)による歌声が被さるオープニング。単調な繰り返しと不穏な歌詞が不安を生む中、固唾を飲んで耳を傾けていると、やがて怒涛の音と圧による大襲撃が…! 唖然&茫然&拍手喝采、痛快な一曲だ!
McGrady
福岡発4ピースバンド。渡邊颯史郎(Vo.)の力強くも優しさを感じる伸びやかな歌声と農(Gt.)の存在感を放つギターサウンドが特徴的。「on&on」は様々なメロディが徐々に重なり、しっとりと落ち着いた曲調ながらも聴き応え充分。気づくと体が揺れている。
柚帆
大阪が拠点のSSW。「シェルター」は彼女の潤んだ声と頭から低空飛行を貫く歌詞に思わず、泣かないでと言いたくなる。前を向く方法は人それぞれ。逃げ場所に頭から突っ込んだっていい。元気でポジティブな歌だけがリスナーを元気にしてくれるとは限らない。
最果テルーティン
柔らかさのあるギターロックと優しく儚い歌声。なんだけど不意にガチッと固められて、落とし穴に落とされて、グサッと刺さる。この柔剛巧みなテクニックにやられる。新曲「yumegiwa」は終わりと始まりを歌うこのバンドの真骨頂が詰まったバラード。
TNT's Session
4人組音楽プロジェクト。アルバムのリード曲でもある「DICE」は遊び心ある洒落た演奏とGt./Vo.田辺の軽やかな高音ボイスが活かされている。なんとメンバー全員が高校生!この複雑な曲からその年齢を想像できた人はいないだろう。今後の活躍も見逃せない!
yard rat
この度1stアルバムをリリースした熊本発トリプルギター・5ピースオルタナバンド。確かな演奏力が持つ安定感に瑞々しいシンガロングなどから感じさせる若さも併せ持つ絶妙なバランスが魅力で“オルタナ”“エモ”の括り関係なく聴く者を強烈に引き込む。
EVERYDAY GOODNIGHT
jingnong(Vo.)とhibikasero(Gt.)で構成される二人組。情景や匂いが浮かぶようなリアルな歌詞と素直な歌声にグッと心を掴まれる。「アジサイ」は恋人との未練や後悔を歌っているが、曲調は明るい。それがより切なさを増幅させている巧みな一曲。
kureai
サブスク向きスピード&密度重視ソングとは真逆の、丁寧な情景描写とたっぷりの余韻による手触り感が曲に美しさをもたらす。「君」を失った主人公の、喪失から生まれる深い悲しみにリアリティを与えるフタミ(Vo/Gt)のエモーショナルな歌声も秀逸だ。
DOKIN
《ねぇねぇ聞いてよ》と話しかけても《返事はこない》。まだ心の引き出しにはしまえない恋の日々を、耳をくすぐるような可愛らしい歌声でポップ度100%のメロディに乗せて歌う、そのコントラストが切ない想いを浮かび上がらせる。別れの季節に沁みる一曲だ。
SUIMMIN
別れた恋人を思い出して感じるほろ苦さと、そんな一人の部屋から見上げる月をグレープフルーツに例えた曲。切ない中でも心地よく韻を踏んでいる歌詞やメロウなサウンド、そしてなんと言っても彼の優しい歌声が心をふんわりとときほぐしてくれる。
衛星都市
東京都内で活動する3ピースバンド。いい音、いいリリック。短いタイトルに与えられた言葉一つひとつを噛みしめ、真夜中に、りんと冷え切った物音さえない部屋で彼らの音楽を聴きたい。新たな作品も楽しみなバンド。
yuna.
彼女に選ばれた言葉とリズムが、その歌声で歌われることに真摯に向き合っているように聴こえるのが印象的。じっくりと聴き込みたくなるそんな歌声に「缶コーヒー」という曲名もベストマッチだし、実際曲も味わい深い。
■IMALAB NEWCOMER PLAYLIST
新人アーティスト発信プロジェクト「IMALAB」が、新しさと本物をテーマに厳選した、どこよりも早いニューカマー・プレイリスト!