新人アーティストの”実験的”発掘プロジェクト 主宰・今村圭介の野望とは?【IMALAB】
新人アーティスト発掘&発信プロジェクト「IMALAB(イマラボ)」は、立ち上げてわずか2ヶ月でオンラインライブイベントを開催した。「もう2年くらいやってる感じがします(笑)」との発言も飛び出した活動を改めて振り返る。4ヶ月間の活動を通して、2021年の今村氏の”野望”とは?
いよいよリリースに向けて
ーーIMALAB初のオンラインライブイベント「IMALAB LIVE EXPERIMENT #01」を終えて、今はどのような活動をしていますか?
今村:オンラインライブに出演したアーティストと、ここまでに発掘したアーティストと、今後の楽曲制作、ライブ、音楽活動全般について毎週のように打ち合わせを始めています。
例えば、サヨナラの最終回は、ここ1~2ヶ月くらいで新曲を含めた音源を30曲ぐらい上げてきてくれています。楽曲を一緒に聴いて、次のリリースに向けてメンバーがやりたいことやイメージを聞き、それに対して僕らが思ったことや考えていることなどを話し、着々と準備を始めています。
アーティストはやはり「楽曲」と「ライブ」が基本軸なので、2021年1月からレコーディングを始めて、春先には新曲を世の中に届けつつ、ライブをいつ、どこで、どのような形でやっていくか、といった本人たちの辿り着きたい目標に向かってサポートを始めています。
実際にIMALABの第一弾リリースは彼らかも知れません。その他、計10組ほどのアーティストとも同じように、2021年の音楽活動をIMALABとして具体的にサポートすべく話を重ねています。
改めて音楽を信じてもいいなと思った
ーー2020年のIMALABを振り返って、どんな1年でしたか?
今村:自分の体の半分ぐらいが「IMALABで何かをしたい、新しい発掘と届け方がきっと生まれるはず」と思って、日々を過ごすようになりました。すごく長かったように感じるんですけど、意外と4ヶ月しか経ってなくて(笑)もう2年くらいやってる感じがします。
ーー周りの反響はどんなものでしょうか?
今村:立ち上げた最初の頃は、思った以上に音楽業界外の人たちの反応がよかったという印象でした。僕にとって新人発掘は日常のひとつですが、業界外の人たちからすればそうではなくて。新人アーティストが発掘されて、世の中に出て行って知られていく流れが見れることを面白がってくれていると感じました。
そして、活動をしていくうちに、業界内の人が「レーベルのいちディレクターが、こういうプロジェクトやコミュニティをやるのは新しい!」って連絡をいただいたり、一緒に面白がってくれるようになりました。
新人アーティストの情報を僕に紹介してくれる関係者の方がめちゃくちゃ増えています。結果が出てくればもっと加速したり、さらに違ったことにも発展すると思うので、2021年末のプロジェクト終了までに、必ず”残るモノ”を作りたいと思います。
ーーIMALABを通して、何か変化したことはありますか?
今村:改めて音楽を信じてもいいなと思うようになりました。バズっているものや、いいね!されてることなど、数字に惑わされたことがあったのですが、いいものを作るっていう気持ちを持って取り組むと、人はその音楽に思いが集中するし、ちゃんと伝わっていくんだなと感じ取れました。残り10~20年、制作ディレクターをやっていく上での大きな糧になりました。
ーー印象深い出来事はありましたか?
今村:IMALABでのテーマのひとつとして、アーティストを発掘するだけじゃなくて、人と人が繋がって新しいクリエイティブが生まれていくプラットフォームを作っておきたいなって考えています。プロジェクトを通して繋がったクリエイターやスタッフのあいだで、IMALABの外でも仕事が生まれることが理想だなと思っています。
IMALABのスタッフに、学生を卒業したばかりで音楽業界に入りたいっていう人がいたんです。その人はIMALABをきっかけにバイトから始めて、最近そこに正社員として就職を果たした。それって、めちゃくちゃいい話だなと思って。音楽を届けたいという思いで人が集まってプロジェクトができて、そこで仕事やクリエイトが生まれて、次の活躍の場に羽ばたいていくっていうのは、ほんとにうれしいなと思います。IMALABから、そういう人がもっと生まれていくといいなと思います。
アーティスト、クリエイター、スタッフと出会って作っていくのがIMALAB
ーー2021年は、どんな活動を予定していますか?
今村:野望としては、いよいよリリースに取りかかって、多くのIMALABの皆さんがプロジェクトに関わる機会を作れたらいいなと思っています。
2021年は、IMALABの中にレーベルみたいな機能を作りたいと考えています。音源の制作、プロモーション、ライブ制作、アーティストの活動を支えるマネージメントの機能、ミュージックビデオやジャケットなどのビジュアル制作、ライブが始まれば物販という6セクションが必要。IMALABのクリエイターとスタッフそれぞれが、自分の活躍できる場所で、自分の発信できるものを生み出せたらいいなと思っています。
今はボランティアで無償のプロジェクトなんで、利益の出る状態にできればまずはアーティストに還元したいし、もし規模が大きくなっていったら2021年末で終わらなくなるかもしれない。それは理想ですけど簡単じゃないんで、クリエイターやスタッフと協力して1つずついいものを作って、「みんなでこれ作ったぞ、世の中の人がこれ聴いてるぞ、このクリエイティブみんながいいなって反応してるぞ」というものがひとつずつIMALABから生まれていくようにしたいですね。
ーーIMALABらしさって見えてきましたか?
今村:難しいんですけど、IMALABらしさが「ない」ことがよさなのかなと思っています。当然、まだ誰も反応していないゼロベースのアーティスト、他の誰もが見つけるものとは違うアーティストを見つけたい。ただ、ジャンルとかも関係なく見つけているので、それがどういうアーティストなのかを説明するのは難しいんです。
アーティストが1組、2組と出ていくと、IMALABのカラーが作られていく。そこにクリエイターやスタッフが制作に加わると、さらに色付けされてIMALABのカラーになる。だから、最初は色がないっていうのもIMALABのカラーなのかなぁと思っています。誰か1人が強いイメージを持って、世の中に出していくっていうより、みんなが集まって出していく。それで新しい景色が見れたら1番理想的だなと思っています。
とにかく半端じゃない音楽世界や映像世界、ビジュアル世界をやっぱり見たい。そういったアーティストの方、クリエイターの方、スタッフの方とまだまだ出会っていきたいですね。そういう人たちと出会って作っていくのがIMALABなので。これからも出会っていきい。それにはチャンネル登録者数もフォロワー数も関係ない。全然なくていいので、そういう人たちと出会いたいですね。
インタビュー・文 山田 歩
IMALABでは、新人アーティストの方、一緒に発掘したいクリエイターの方、スタッフ志望の方を随時募集しています。現在のフォロワー数、再生回数、実績などは気にしなくてOK!是非ご連絡お待ちしています。
mail:imalab.staff@gmail.com
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