子供の名前に込めた親の願い #③ 【息子への手紙】
子供の名前に込めた親の願い #② からの続き
(3)三男には「向爾(こうじ)」と命名
「向爾」とは、「何事にも立ち向かう人間」になるように願って付けたものです。
その名の通り、子供の頃は積極的な、元気な子供として、親に心配掛けることはほとんど無かった。
ただ、中学受験で第一志望の学校に行けなかった頃から、自分の進路について考えることが多くなったようで、急にICU高校を受験したり、一年間アメリカ留学に行ったり、三年生の九月に帰国したら、普通は高校を四年やるところを五ヶ月の勉強で青学大の国際経済学科を受験して、無理だ、と思ったのに合格したり、と波瀾万丈の青春をしています。
頭が良いのか悪いのか未だ判りませんが、急に進路を変えるところなどは私のDNAが伝わっているかもしれません。
その後も、大手人材派遣企業の入社試験に合格していたのに、「人材を求めて頑張っているところなので我が社に入社して頑張ってくれないか」と私と太爾で頼み込み、かなり強引に我が社に入社させることになりましたが、社長の息子として難しい対応に苦慮することも多かったようです。かなり軌道を外れてやりたいように生きる長男亮爾と、頑固で自己主張の強い次男・社長太爾を見て育って、その真ん中を歩く多少悲観的な見方をする人間になった感じもします。
「お前の望みは何だ?」と聴いたら「俺は、欲がないんだ」と答えたことがあります。
それを聴いて私は「かなりがっかり」しました。思い出してみると、私は、「生来は人見知りで気の弱い人間」でしたが、何故か「根拠のない自信家」で「世の中の役に立つ大きなことがしたい!」と思う、かなり不思議な人間なのです。それでも、夢を果たそうと、現実の中で散々もまれて、今ではかなり強い心の人間に変化していると思います。
向爾もこの後、子供や愛妻の為に、かなりの変化をしていくだろう、と思います。願わくは、子供の時のように、明るく、積極的で、行動的な人間に戻って欲しいと思うのは親の望みすぎでしょうか。「親に迷惑掛けないように!」などと、ちんけなことを考えないで、「俺はこうしたいんだ~!」と自分の本心をぶつけてくれる方が親としては嬉しいのだけどね。
そして、その名の通りに「大きな夢と大きな目標を立てて」物事に「逃げずに立ち向かっていく人間」になって欲しいと思っています。だって、先が暗くてよく判らない道は思いっきり走れないでしょう。先が明るくはっきりと見えれば、夢に向かって走れるでしょう。先を明るく考えないと損ですね。
「根拠のない自信」と「大きな夢、目標」を持っていれば、何があっても突き破って行くエネルギーが湧いてくるのです。
以上、我が三人の息子達に、親としての夢と望みを述べました。
その名の通りに自分らしく、雄々しく生きて行ってくれることを望んでいます。
(2012年 5月10日 記 )