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なりたい自分になる!:日常生活の練習で育まれる自己コントロール


はじめに

7月のおとなのモンテッソーリ教室「みのり」を全5回、無事に終了いたしました。こちらが用意した内容に加え、参加してくださった保護者さまのご意見から内容が広がったり、深まったり、大変学び多い「みのり」の会でした。今回はモンテッソーリ教育の土台となる部分「日常生活の練習」についてお話ししました。その内容を一部記してまいります。

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育は平和教育です。自分を大切にし、そして周りの人や物、環境を慈しむ教育です。これを忘れてはいけません。

日常生活の練習

今回はお話をさせていただきました「日常生活の練習」は、モンテッソーリ教育の土台となる部分で、身辺自立の練習を通して自分自身を整え、社会の礎となる自分の身の回りを慈しみ、調和を整えることができる素晴らしい内容です。子どもたちが身近なところから平和を築く一助を担える活動です。

鏡を見てエプロンを身につけています。

運動の敏感期と学び

モンテッソーリ教育というと座って集中というイメージもあるでしょう。もちろんそれもそうです。しかし、これも覚えておいてください。モンテッソーリ教育で言うところの「学び」とは「動きを伴う」ということです。なぜなら幼児期の子どもは運動の敏感期にあるからです。意識して自分の体を動かせるようになる、意識的運動を可能にすることは、自然が子どもに与えた宿題です。この自分の動きをコントロールすることを覚えた子どもこそが椅子に座って目の前のことに向き合える、集中することに心地よさを感じます。

ジャガイモの芽をとっています。「道具を使いこなしたい!」そんな声が聞こえてきそうです

自己コントロールの大切さ

自分の運動のコントロールをできないお子さんはイライラして心のコントロールも難しいです。自己コントロールの葛藤期に当たります。

レモン絞るために手首を捻って力を込めています。美味しいおやつのために根気よく。

日常生活の練習の効果

日常生活の練習の活動は目的が身辺に関わる身近なことで、目に見えてわかりやすいのでやってみたいと意欲も湧いてきます。
例えば、当スクールでは自分の着替えを箱に入れて着替え室に運ぶことも1歳半の方からやってもらっています。最初は持ち手に指もかからなかった子が、回を重ねるごとにしっかり腰を入れて、持ち手をぎゅっと握って運ぶようになります。それまでは全部やってもらっていたことを、自分でできるようになることはとても誇らしいものです。できる自分を実感し、他に何か自分にできることはないかと探すようになります。様々なことに意欲的になります。

お芋を洗うというわかりやすい目的のために重いお水もなんのその。

未来への展望

日常生活の練習とは運動による人格形成です。目的のある知的な活動を通して自分を作っていきます。生まれた環境に適応できる心身の調和のある発達を目指します。調和の取れた子どもたちが増え、大人になったときの未来を想像してみてください。イライラ知らずの社会を想像すると穏やかで明るい気持ちになるのは私だけでしょうか。

モンテ育ちの小学生は自分たちで目的設定し
想像力を働かせて段取りを自分で決めて活動を進めます。

まとめ

「日常生活の練習」は子どもの「動きたい」、そして「コントロールしたい」という欲求を利用した、子どもにちょうど良いカリキュラムです。保護者の皆さまにもぜひ、日常生活の練習を取り入れて、お子さまの成長をサポートしていただきたいので、今後少しずつご紹介してまいります。また、随時インスタグラムにクラスの様子などアップしているのでご覧ください。そこにはご家庭でできるかもしれないヒントがあるかもしれません。
https://www.instagram.com/_imakoko_montessori/