忘れられないの
サカナクションでこのタイトルの曲ありましたよね。確か、下北沢の路上で山口さんがゲリラで歌ってませんでしたっけ。そんな動画を観た覚えがありますよ。どういう内容の歌だったか覚えていないので、この後聴き直そうかと思います。(きっと忘れる)(忘れられないのを聴くのを)(忘れる)
忘れられないといえば、小学生の時に言われて(厳密にいうと書かれて)未だに自分の中で消えない言葉があります。あれ以上に忘れられない言葉はないんじゃないかと思います。
あれは確か小学3年生くらいだったでしょうか。あの頃はたくさん友達がいました。クラスの大半の人と仲良くできていたと思います。中学3年の時もそうだったんですけど、仲良くない人、話せない人はいませんでした。クラスメイトに恵まれていて、雰囲気の良いクラスだったように記憶しています。進級して、次はクラスが変わってしまうよ、というタイミングで寄せ書きをもらったんです。そこに書かれていた、友人からの一言が本当に忘れられません。
「まきちゃんは、いいやつなのにね。人気No.1になれないもんね」という言葉でした。私はだらしない人間なので、きっちりした事が好きな人には嫌われますし、まぁだらしないと人に迷惑がかかりますから、そんなにいい印象は持たれないと思います。ただ、愛想が悪い方ではないので、いいやつだと思ってもらえることも少なくありません。クズだけど、いいやつってことなのかもしれませんね。別に人に意地悪な事を言ったりしたりしませんし…。嫌な事があれば愚痴ぐらい言いますけどね。それでもいいやつとは思ってもらえてる。嬉しいことです。ただ人気No.1にはなれない。その通りです。カリスマ性があるわけではないし、勉強も運動も特別できるわけでもなく、苦手なことばかりが多くて、愚痴っぽい。こんな人が人気No.1になれるはずもないんです。アイドルカフェの人気投票は最高位3位だったように記憶しています。とても嬉しかったです。だけど、自分は1位争いをできる柄ではないと痛感する人気投票でした。人気だけではないです。何事においても1番になった試しがないです。大好きなカラオケ大会でもことごとく敗退してますしね。NHKののど自慢も予選すら通った事がないです。
自分が主役になれるチャンスが一度だけありました。ミュージカルをやっていた頃です。私は演劇もダンスも未経験、歌も特別うまいわけではなく、ルックスも良くない…華のない役者でした。人生で努力をしたという経験がないのが何よりの痛手でした。例えば自転車に乗ることすら、努力したことがありません。ある日突然なんとなく乗れていましたから。勉強も頑張ったことがありません。テスト直前になんとなく範囲の部分のプリントを眺めていたくらいでした。高校受験は私立専願で、早く合格を決めました。焦った経験がありません。大学受験もそうです。担任からの進言があり、推薦で受験し、またもや早々に進学先を決めました。高校の頃少し頑張ったと言えば、生徒会活動でしょうか。これのおかげで推薦が貰えたので、努力によって結果を得た…と言ってももしかしたら良いのかもしれません。キリスト教系の学校だったので、クリスマスには大々的な礼拝がありました。礼拝の中では賛美歌とともに物語が進められるページェントという無言劇があり、そこで何を思ったか突然立候補し、マリア様の役をやりました。引っ込み思案で、あがり症で、目立ちたくないタイプだった自分にしてみたら、よくやった方です。この時、ステージに立つ楽しさを知り、大学でミュージカルをやるきっかけが生まれました。今考えると、良いことではなかったのではないかと思います。話は戻りますが、私は本当に死に物狂いで何かのために努力をした経験がたりません。努力する道、我慢する道を避けてきました。高校にも大学にも行きたくなんてなかったけれど、人に言われたから何となく進学しました。その先にやりたい事なんて見つかるわけもありません。私は大学でミュージカルのサークルに入り、初めての経験を沢山しましたし、多くの人と出会いました。自分になんとなくやりたい事ができたような、そんな感覚をおぼえました。ステージで歌いたい、踊りたい。でも、努力をしたことのない自分には、努力の仕方が分かりませんでした。そのままなんとなくミュージカルのサークルに残り続け、なんとなく先輩になっていました。何の力も身につけないままで、です。頑張ったことのない人間が、人を頑張らせることなんてできないのではないでしょうか。頑張り方を教えることなんてできるんでしょうか。大学の勉強はぼろぼろ、かといってミュージカルで力がついたわけでもない。自分は本当に何がしたいのか。目指すところはなんなのか。もう分からなくなりました。後輩に信頼してもらえて、期待されて、私は主役の座に立てるチャンスを貰いました。でもそれをふいにしたのは他でもない自分自身です。実力は元々なかったけれど、唯一あった信頼は全て失いました。主役。自分が主役を演じるなんて。とても怖かったんです。そしてそこからの踏ん張り方が全くわからなかったんです。手を引いてくれるひとなんているわけもありません。あの時のボロボロになった自分を、大好きな人達に向けられた冷たい目を、胸に突き刺さる言葉を一生忘れることはないと思います。誰にも許してなんて貰えなくてもよかったのです。私にできることは、ゼロになることでした。
それでも歌、ダンス、ステージにしがみついていた私は、アイドルカフェに入りました。そこからまた、新たなスタートとなりましたが、私は私でしかありませんでした。努力の仕方も相変わらず何も分からない自分です。何度同じことを繰り返して、信頼を失っていけば変わるんでしょうか。ミュージカルの一件から、精神的な病にかかってしまった自分ですが、そこから脱する方法が未だに分からないままです。頑張ってるよと言ってくれる人もいます。頑張らなくていいんだよという人もいます。でもごめんなさい、私はこのままではいけないんです。努力して努力して、這い上がらなければ。人から向けられる冷たい目を気にせず、努力をしなければ。冷たい目を向けられるのは、自分が今まで人の信頼を裏切ってきたことの報いなのだから。
人気No.1になる必要なんてないのかもしれません。でも何かで1番になってみる。1番になれずとも、そこを目指して本気で頑張ってみる。それができなければ、私はいつまで経っても、あの頃投げかけられた言葉の呪縛から解き放たれないままです。
人を羨んで、見上げて、自分を卑下して、自信を失って、他人を突き放して、何もかも捨てて逃げ出す。そんな自分から脱しなければ。……こうやって自分を奮い立たせてみるものの、行動には一向に表れません。誰かにいつかアドバイスされた通り、メンターが必要なのかもしれませんね。誰をメンターにするのか。誰がなってくれるのか。言葉より行動……分かっていても難しいです。
今日はこんなところで。ではでは。
私は今は何も言わず、黙って「いつか」を待ち続けています。
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