パクったのかどうか、を"議論しない"という考え方の提案[デュエマ][デュエプレ]
どうもー
いまいまです。
このnoteは、主にデュエプレ界隈で活動している私が、この界隈に根強く残る問題の一つである「デッキリストパクり疑惑問題」、その中でも特に「Xでプレイヤーが発信したデッキ構築に酷似した構築を動画投稿者が動画で取り上げたことで盗用が疑われる問題」に対する意見を表明するものになります。
私自身、自分で開発し結果を上げた、それもおおよそテンプレとは言えないようなデッキともろ同じ構築が動画で取り上げられ、盗用を疑ったことがあります。またある動画投稿者の方から、「紹介の仕方に至らぬ点があったことが視聴者の指摘により発覚したため、謝罪と動画内での訂正を行います」という趣旨の連絡を受けたこともあります。このように当事者となった経験からこの問題には人並み以上に思案する機会が多く、今回私の意見を表明するに至りました。
最初に結論を述べます。
結論何が言いたいかというと、最初に誰が考えたかどうかは証明なんてできないものなので議論する意味がないということです。
ただ、デッキのアイデアを実用的な形にまとめて大会やランクマッチ等で結果を残し、それを公開して強さをいち早く広めた、というのは実際に証明できるものなので議論できます。
電球を本当に最初に発明したのは実はエジソンではなくて実用的に商品化して売り出したのがエジソンである、みたいな話で、(誰が最初に脳内で思いついてたかなんて分かりようがないから置いておくとして、)実用的な形にして広めたというのは素晴らしい功績だから、後世でその分野について発信する際はその分野の歴史的経緯としてエジソン氏の功績を紹介しなければなりません。(これはどの論文著者もマナーとして行っていること)
だから動画投稿者は、「◯◯さんの功績」として界隈内で認知されているものに類似したものを紹介する際は、仮に本当にアイデアが被っただけだとしても動画内で触れるのが適切な対応だと考えていますが、その際「◯◯さんが最初に思いつきました、◯◯さんのアイデアです」と動画内で言うことを強要される必要はなく、「◯◯さんがこのデッキで結果を出していました」という事実本位の言い方で言及するに留めればよいと考えています。
勿論法的義務などはありませんが、これをしなければ、「いち早く結果を残して広めた◯◯さんの功績に対する冒瀆行為だ」と世間から思われるのは避けられないことです。
一方「○○さんが上げたデッキがパクられたのでは?」と思った人が、「○○さんが先に考えた!」と動画投稿者本人に言うのも、思いついた思いついてないの不毛な争いを生むだけで本質的な部分での解決に繋がりにくく、「○○さんがいち早く結果を残してそれを公開し、それがある程度拡散されて界隈全体に認知された、という功績、歴史的経緯に対するリスペクトが足りていないのではないか」と指摘するべきと考えています。
以上が結論です。
この論法の最も優れた点は、動画投稿者が故意に盗用した場合を仮定しても、意図せず偶然被った場合を仮定しても、結論が変わらないということです。
ここまでの私の論を見返して頂ければ、結論に盗用の真偽が関与しないことがご理解頂けると思います。
現在に至るまでよく見られる議論はパクったのか自分で思いついたのかという論点で語られることが多い印象を受けますが、その論点で真実を明らかにしようとしても、仮に動画投稿者が盗用していたとしたら嘘を突き通すでしょうし、盗用していないとしたらなおさら認める訳がないので、解決には至りません。それどころか、真実が分からず疑心暗鬼な気持ちがユーザー間に蔓延し溝は深まる一方です。
そのため、「先んじて結果を残し広めたという功績に対するリスペクトに欠けているのではないか」と"事実ベースで"指摘することによってXで活動するプレイヤーを紹介することを求めることができます。
一方で、先にXに挙げて広まったというだけでデッキを我が物扱いし、「このデッキを投稿する際は俺に許可を必ず取り、俺のものとして紹介しろ」と叫ぶのは理不尽なことでありこのような暴走は防がねばなりません。
そこで動画投稿者側は、事前のリサーチの段階で自分が投稿するものと類似した構築の投稿を発見しそれがある程度その人の功績として認められていると判断した場合、あるいは動画投稿後に視聴者にそのような指摘を受けた場合、動画内で「○○さんが似たデッキで結果を残しているようです」とこれまた"事実ベースで"紹介することにより、アイデア自体は自分も考えていたしデッキは自分で調整したものである、という立場を崩さずにトラブルを回避することができます。
これにて私の主張の本筋は終了なのですが、ここで、この話題になると必ずと言ってよいくらい耳にする言説に対する私の見解を添えようと思います。「デッキリストに著作権はないのだから起源を主張することが間違っている」という論についてです。
これに対する私の意見を述べるより先にまず、このnote全体における私の論理の前提をはっきりとさせておきます。この件について私は徹底して実用主義的立場をとっています。ここで、"実用"とは、「コミュニティ内でトラブルが発生せず、また起きても穏便に解決し、誰もが快適に活動するのに役立ち、結果コミュニティの発展に繋がること」を指しています。
所詮趣味のカードゲームの界隈です。警察や裁判所が関わるような問題ではないので、「コミュニティ内でトラブルが発生せず、発生したとしても穏便に解決し、誰もが快適に活動すること、またその結果として界隈が発展していくこと」を善としその目的を果たすのにつながる論理、行動を"実用的"と評価します。
例えば、誰が正しいのか、誰が間違っているのか、を判定する行為や、誰かを裁くような行為は、この目的の役に立たないので"実用的"な行為でないと考えます。個々の動画投稿者が盗用しているかの判断は下さない、という立場をとっているのはそのためです。
さて話を戻します。デッキリストに著作権はありません。所有権も発生しません。これはよく知られた事実です。多くの人が、デッキリストに著作権が発生しないことをおそらく分かっておきながら、動画投稿者に対し「盗用だ」と非難、追及するのは矛盾しているようにも見えます。なぜこのような感情が沸き起こるのでしょうか。
これは私の推察ですが、その所以は、同じコミュニティ内で生きる他のプレイヤー及び情報発信者を尊重する思いではないでしょうか。他のプレイヤーの功績、そしてその情報発信を尊重しているから、デッキのアイデアを他者から貰った際はその方の名前を挙げ感謝の意を伝える。そうしたコミュニケーションの一環の中で、特定のデッキ構築と特定の個人を結びつけるような意識が芽生えるのだと思います。
そこに「デッキリストに著作権はない、個人がデッキリストを所有しているかのような認識は間違いだ」と言っても、多くのプレイヤーの意識、行動は変わらないでしょう。正論では人の心は動かないからです。
「デッキリストに著作権は発生しないので起源主張をすることはできない」という意見に対する私の回答は、「その理論自体は間違っていないが、現実の多くのプレイヤーの感覚と解離しており、またその理論によってトラブルが誰もが納得する形で解決するとは考えにくいので、"実用的"な理論ではない」です。
最後に
このnoteで述べた理論は、X上で多くの人に「○○さんの構築」と認知されてるものと似た構築を動画投稿者が紹介する場合、のみにかなり特化した議論となっています。そうした理由は、現状このパターンが大きなトラブルになる可能性が最も高いからです。少なくとも、界隈全体が険悪な雰囲気に包まれる程のトラブルは減ってほしいと思いこのようなnoteを執筆しました。
勿論デッキリストによるトラブルはこのパターンだけではないですが、どのような場合においても、両者がお互いをいちプレイヤーとしてリスペクトし穏便に解決する最大限の努力をしてほしいと願っています。なんせお互いデュエマが好きな者同士なのですから。
最後に全体の要点だけまとめて終わろうと思います。
まとめ
・パクったのかどうかを議論するのは解決に結び付きにくい
・動画投稿者に指摘する際は「○○さんが結果を残している」という事実に対する配慮を求める、という形をとり、動画投稿者も事実ベースでプレイヤーを紹介することでトラブル、論争を回避できる
・デッキリストを個人が所有しているような感覚は、プレイヤーの、他のプレイヤーへのリスペクトの気持ちから生まれるもので、それを否定することは実用的でない
たまにはネタ一切抜きで文章を書き思考を巡らすのも結構楽しいですね。ご意見ご指摘等あればなんなりと。
ではまた、どこかの機会で。