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「自然を守りたいと思う心」の種を蒔く

私は「自然を守りたい」と思っています。
そのために自然保護の活動に取り組んだり、自然の素晴らしさを伝える活動をしています。
でも、私一人でできることは限られています。
それでは、多くの方に同じように思ってもらうにはどうすればいいでしょうか?

自然を守りたい

私は「自然を守りたい」と思っています。それは自然が好きだからです。自然の素晴らしさを知っているからです。
私がこの美しい自然に出会えたのは、先人の方々がこの自然を残してくれたおかげです。そのおかげで私はこの自然を見て、触れて、感じることができ、この感動を享受することができました。
次はバトンを渡す番です。
今の子供たち、そのまた子供たちへとこの自然を残していかなければ、バチが当たってしまいます。
「昔はこのあたり一面がお花畑でね・・・」
「昔はライチョウって鳥がいてね・・・」
なんて昔ばなしにしてしまっては申し訳ないじゃないですか。

「自然を守ろう」と言っても・・・

「自然を守ろう」というフレーズは至るところにあふれています。耳にタコができるほど唱えれば、そのメッセージは届くでしょうか?
「自然はきれいだよね。大切だよね。だから残していかないといけないよね」と訴えかければ、誰しも共感してくれるでしょうか?
主張を押し付けてもダメな気がします。
自分で気づき、自発的に行動するようにならなければダメな気がします。

キッズ登山やファミリー登山で山に行ったり、キャンプをしたりしています。学校登山で、地元の中学生の登山に同行したりしています。県外から修学旅行で訪れた中高年にネイチャーガイドをしたりしています。
そんな時に心がけていることがあります。
それは「ほら、自然は素晴らしいだろう」と“押し売り”しないこと。
どう感じるかは子供たち次第。
触ったり、耳を澄ませたり、水に触れたり、匂いをかいだり、覗き込んだり・・・、とにかく何かを「感じてもらう」時間を大切にしています。

自然の素晴らしさを感じていますか?

海のきれいさを知らなければ、「海をきれいにしたい」という気持ちは芽生えないでしょう。
山のきれいさを知らなければ、「きれいな山を残したい」という気持ちは芽生えないでしょう。
自然の中に身を置く、見る・聞く・触る・味わう。昼間、夕暮れ、星空、夜明け、春夏秋冬。豊かな自然をまずは「感じる」こと。それは「心の種を蒔く」ことだと思っています。
そもそも「きれいだ」「素晴らしい」という感情がなければ、それを「守りたい」「残したい」「伝えたい」という気持ちにはならないでしょう。

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自然の素晴らしさを感じるのは、できれば子どものうちがいいでしょう。
子どもは素直で、感受性が高いからです。
その時には「素晴らしい」とは思わずに、ただ単に「楽しい」と思うだけかもしれません。
それでもいいんです。
目にしている、体験している、感じていることが大切です。

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やがて「自然が好き」という気持ちが芽生える

芽生えるのは何十年後かもしれません。ふとした時に「あ、私、自然が好きかも」「自然の中にいると気持ちが和らぐかも」と感じるようになるかもしれません。
やがて自分の子供たちと自然の中に出かけるようになり、「この素晴らしい自然を子供たちにも残してあげたい」という気持ちが生まれるかもしれません。

最初に「種」があるかどうかが肝心です。種を蒔いていなければ、芽は出ないのですから
種を蒔いても、必ず芽が出るとは限りません(自然が好きになるとは限りません)。
芽が出たからといって、必ずしも思うように育つとは限りません(自然を守りたいと思うとは限りません)。
でも、そもそも「種」がなければ始まりません。

このような体験は、私がお会いする方の多くからお聞きします。

「自然になんて全然興味なかったんですよ。それが友人からの誘いでたまたま自然散策に出かけたら、すごい感動しちゃって。それからどっぷりハマりました。」
「体を動かすのが嫌いで、すごいインドア派だったんです。それがあるとき自然に目覚めちゃって、今じゃ山に登ってるだなんて。私が一番びっくりしていますよ。」

「子供の頃、親に連れられて登山に行っていた」とか「よく家族でキャンプとかやっていた」という方が多いです。また「生まれも育ちも長野県」という方よりは、UターンやIターンといった「一度都会を経験している」方の方が熱心です。
一度自然から離れた生活をすることで、「自然に飢える」のかもしれないですね。
そういう経験を経て「今ではすっかり自然好き」になった親御さんは、自分の子供たちと積極的に登山やキャンプに出かけて、自然に親しんでいる方が多いです。

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「発芽率」は悪いかもしれないけれど...

私は自然が好きです。
この素晴らしい自然を守りたいと思っています。
そう思ってもらえる人を増やしたいと思っています。
そのためにはまず「自然って素晴らしいな。好きだな」という気持ちになってもらいたいです。
そのためにはまず「自然に触れる機会を作る」ことをしています。それは「自然を守りたいと思う心」の種を蒔く、ことだと思っています。

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だいぶ成功率が悪く、時間がかかり、遠回りな気がしますが、誰かに言われたりやらされたりするより、自分で感じて自分からやり始めれば、きっとそれは強くて大きな木に育つでしょう。
私が出会った方々が何十年後にどんなことを思い、感じているのかが楽しみです。

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