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発達障害と子どもに伝えた日①


子どもは21歳の大学3年生。なぜ、今、話したのか、つづりたいと思います。


ずっとずっと、いつ伝えるべきか悩んでいました。自分自身の事を知ることは、とても大切なことです。自分を知って、理解して、そのうえで行動するのと、知らずに生きることは大きく違います。子どもには、自分自身の人生を大切に豊かに生きてほしいと願っています。そのためには、きちんと伝えなければいけない・・・そう思っています。


しかし、ここ8年ほど、ずっと伝えられずに悩んでいました。

子どもが発達障害だと診断されたのは、小学校卒業したばかりの時。中学校入学前の春休みです。教育センターで発達検査を受けました。

実は、幼児の頃から発達検査を3回受けていますが、いずれも結果はでませんでした。グレーゾーンともいわれず、定型発達で心配は無いと、太鼓判を押されていたほどです。

教育センターの結果で、発達障害の傾向ありと出たため、大学病院に行き、本格的に調べていただきました。不注意優位性ADHDと自閉症スペクトラムとの診断がでました。検査では凸凹がかなり激しく、重い症状だとのこと。決して軽度ではないと言われ、ショックを受けました。医師曰く、よくここまで通常学級で頑張ってきた、と。子ども本人がとても我慢強く、真面目な性格だから、周りから気づかれにくかったのかもしれない、と。

私自身、とてもショックを受けました。これを本人にどう告げたらいいのか、わかりませんでした。親の私でさえ、こんなにショックなのに、子供は果たして受け入れられるのか・・・。

すると、臨床心理さんに「今の〇〇君は伝えないほうがいい」と言われました。先生曰く、障害と伝えて大丈夫な子と、使えてはダメな子がいると。


伝えたほうがいい人は、前向きに障害を捉えられる人。

反対に、障害と受けとめられずに、「自分は障害者だから、できなくても仕方ない」と諦めてしまうと、何をするにも嫌になって、投げやりになってしまう可能性がある。

子どもは小学校の高学年で、ひどいイジメを受けました。集団8人で。けがをした時に、ある子が勇気を持って、「うちの子は悪くない」と言ってくれました。イジメっ子のリーダー格が、口裏を合わせて嘘をつくように命令し、みんなを先導していた、と。その子は自分がいじめられるのが怖くて一緒に嘘をついていた、ごめんなさい、と。

子どもは友達が大好きで、みんなで遊ぶのが好きだったのに、いじめが原因で、誰とも交流ができなくなりました。話しかけられても、下を向いて、返事ができない。誰とも話せない状態です。

学校に通わなくてもいいんだよ、休んでもいいんだよ、と言っても、学校は絶対に行くものと思い込んでいる子どもは辛くても毎日毎日通っている。

臨床心理士さんはそんな子どもの状況や心理を踏まえ、今伝えても、本人は障害を受け入れて前向きに行動するのは難しいでしょう。今は言わないほうがいい、と。

障害とは言わずに、本人の特徴、性質だと説明するのが大切と言われました。

薬の効き目

発達障害の薬に関して、賛否両論があるのは知っていますが、まず、注意力に関する薬を服用することになりました。
コンサータという、不注意の人に一般的に使用される薬です。

子ども本人に、あなたは注意力がない、と言ったところで、本人は注意力がある経験がないため、その状態が分からない。
薬で、注意力のある状態を経験して、本人にその差をわからせるため、という理由で使うことになりました。
本人は、不注意や忘れものの多さ等に自覚があったため、薬の効果を説明し、服用することに同意しました。

しかし、困っているから絶対に治したいという意思があるわけではなく、なんとなくやってみようか、と。
この頃の子どもは、何に対しても無関心で、言い方は悪いですが、心が死んでいたように見えました。

服用すると、食欲が減退する副作用があります。もともと少食なのに、とにかく食べない。痩せているのが、さらに細くなる。というより、思春期で身長だけ伸びて体重は増えない。170cmで40kg前半のガリガリです。

思春期に服用するのが良くないといわれるひとつは、この副作用といわれています。海外では薬の効果への期待値が高いため、幼児期から使用するそうですが、身体が大きくない=発達障害の子、と捉えられるほどリスクが大きいです。

本人は集中力が出たか否か分からない、と全く自覚はありませんでした。

しかし、薬を飲んでの知能検査は、段違いの結果でした。ウィスクという知能検査では、通常IQ130弱でしたが、薬を服用した状態だとIQ140以上の結果に。この値は平均値です。
子どもはワーキングメモリーが弱く、IQ90弱だったのが、こちらも薬で10近く上がっているのが分かりました。

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