私がRICOH『GRⅢx HDF』を選んだ理由
前回の記事でRICOH『GRⅢx HDF』の購入報告をしたわけだが、今回は購入に至った経緯・理由の部分をもう少し詳しく書いていこうと思う。
前回の記事でも書いた通り、以下の三機種が最終的な候補として残った。
・RICOH GRⅢシリーズ
・FUJIFILM X100Ⅴ
・Leica Q3
身も蓋もないことを言ってしまえば、購入に至った最大の要因は「欲しいタイミングでたまたま予約が出来たから」なのだが、今になって思い返してみれば私にとってはベストなタイミングでベストな選択だったように思う。
【GRⅢx HDF vs X100V】
まずは、FUJIFILMのX100シリーズとGRを比較していく。
同じく単焦点レンズでAPS‐Cサイズのセンサーを搭載したコンデジということで、この二機種で悩む方は多いのではないだろうか。
X100シリーズは今年に入ってから後継機である「X100Ⅵ」が発売されている。GRのHDFモデルは後継機というよりも特別モデルのような位置付けだと個人的には考えているので、より最新で現代風なアップデート機種ということになればX100シリーズに軍配が上がるのかもしれない。
それでも私が最終候補にX100Ⅵではなく、型落ちモデルのX100Ⅴを挙げているのは価格面での問題が大きい。
X100Ⅴは定価が約18万円なのに対し、X100Ⅵの定価は約28万円と約10万円の差がある。確かにボディ内手ぶれ補正の搭載など性能面でアップデートされているとはいえ、28万円は高い。
しかし、X100Ⅴも現在は中古市場でもなかなか手に入らず、購入できたとしてもプレ値でX100Ⅵと大差ない価格になっていることが多い。
対してGRⅢ HDFはRICOH公式のオンラインストアでは3年保証をつけても約15万円で購入できた。X100Ⅵとの価格差は約13万円。ちょっと足せば28mmのGRⅢも買えてしまう金額だ。
そして何より、ボディのコンパクトさと携帯性が圧倒的にGRの方が勝っているという部分が私にとっては大きかった。
X100シリーズもデジタル一眼レフやミラーレスに比べればかなりコンパクトではあるが、さすがにGRのようにポケットに収まるサイズとまではいかない。
私は日頃、外出時にはTHE NORTH FACEの『オリオン3』という3L容量のボディバッグを愛用している。普段の荷物に加えて、ここに収まるサイズのカメラが理想だったのだが、GRでは可能でもX100シリーズではこれは難しい。
X100シリーズのクラシカルな見た目や操作感、内蔵フラッシュを搭載している点などは非常に魅力的だったのだが、やはり自分に定着させるためには常日頃から持ち歩けるカメラという点でGRに軍配が上がった。
【GRⅢx HDF vs Q3】
続いてはLeicaのQ3と比較していく。
先に書いておくが、Q3はレンズ一体型カメラではあるが、GRやX100シリーズのような「コンパクトデジタルカメラ」とはまた少し違う。サイズ感としては普通にミラーレスくらいのサイズはある。
そうしたことから、「LeicaでGRと比較するならQ3よりもD‐LUX8では?」と思われる方も多いだろうが、個人的にはLeicaのラインナップにおけるGRの対抗馬はQシリーズだと思っている。(GR買ったときはD-LUX8が出るとは思ってなかったし……)
Leicaといえば言わずと知れた世界最高峰の超高級カメラメーカーで、その価格は目ん玉飛び出るほど桁違いだ。Q3もご多分に漏れず、その価格は約97万円という驚きの金額だ。
GRⅢxは15万、Q3は97万、価格差にして6倍以上。しかし、Leicaは高いだけの理由がある。
まず画素数は驚きの6000万画素。GRⅢx HDFは約2400万画素、X100Ⅵでも約4000万画素という中で、ぶっちぎりの6000万画素である。そしてセンサーサイズは当たり前のようにフルサイズである。レンズは「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」を搭載している。
価格相応かは一旦置いておくとしても、この圧倒的なスペックから切り取られる描写力は、まさに圧巻の一言なのは言うまでもない。
そして何よりLeicaの大きなメリットとして、中古での買取価格が安定して高いということも挙げられる。
5年後、10年後にもし売却して他のカメラに乗り換えるということになったとしても、GRなら二束三文のところをQ3なら元手になるくらいの金額にはなるだろう。それだけ資産価値が他のメーカーのカメラと比べても高いということだ。
それに、スペックとしてはやはり最高峰ということもあり、価格は高いが「買ってしまえば他に目移りしなさそう」ということも個人的にはメリットに感じた。
Q3を選ばなかった理由も、X100シリーズと同じくコンパクトさ・携帯性という部分が大きい。価格の部分は正直、それほど大きな理由にはならなかった。
むしろ、それよりも「Leicaはまだ自分の身の丈には合わない」という恐れ多さが勝っていた。今後の目標として「いつかLeicaのカメラを」という気持ちはあるが、今はまだそれまでの道のりを楽しみたい。
ちなみに、D-LUX8の発売が発表されたが、私としてはもしGR購入前に発表されていたとしても候補には入ってこなかっただろう。
理由としては搭載レンズが単焦点ではなくズームレンズだから、という一点のみだ。ズームレンズは確かに便利ではあるのだが、個人的に撮影時に画角に「迷い」が出るので現状の選択肢からは外している。
ズームレンズOKならCANONやSONYのコンデジも候補に入っていただろうが、それらを今回は早い段階で切り捨てている。
【まとめ】
こうした経緯から私はGRⅢx HDFの購入に至った。
もちろん、何をカメラに求めるかは個人の自由なのでX100シリーズやLeicaのQシリーズを選ぶことを否定はしない。財布に余裕があれば私だって全部欲しい。
GRⅢx HDFを購入して約2ヶ月ほどだが、最初に書いたように私にとってはGRⅢx HDFが最も適したカメラだったと今は思っている。はやりコンパクトは正義なのである。
それでも、やはり「もうちょっとここがこうだったら……」という点もいくつか見つかったので、次の記事ではGRⅢx HDFのメリットとデメリットについて解説していこうと思う。
最後に、今回も作例をいくつかご紹介しよう。
前回と同様にJPEGデータをiPhoneにプリインストールされた写真アプリで編集している。
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【余談の時間】
EOS 70Dを使ってた頃は縦位置で撮影なんてほとんどしなかったのに、GRⅢx HDFになってからは縦位置で撮ることが多くなった。これは単純に40mmという画角の問題なのか?
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