1,000人規模の劇場で


数日後に、自分の人生にとって非常に大きなイベントになるであろう、公演があります。

梅棒 16th showdown『曇天ガエシ』
【公演特設サイト】
http://umebou16th.dynamize.net

それに伴い、自分の演劇人生を振り返りつつ、思い出話を交えて書き記しておこうと思いました。




今年1月、自分は40歳になりました。

2001年。18歳で日本大学芸術学部に進学したものの、ダンスサークルでの活動に没頭。
大学を中退し、そのあとは小劇場劇団に所属、ダンスも並行して行う日々。

2005年に、大学の先輩の劇団「劇団コーヒー牛乳」に入団。

毎日稽古して、毎晩朝までバイトして
20代はまるまる、いわゆる売れない役者の下積み時代でした。


劇団員として初めて舞台に立ったのは、2005年5月
作品は「ローヤの休日」
場所は、今は閉館してしまった、阿佐ヶ谷の「かもめ座」
客席数はパイプ椅子と座布団合わせて80席程度。手を上に伸ばせば照明に当たるような小さな劇場でした。

当時は、チケットバックが演劇を通じて得られる唯一の収入源。
一人でも多くの友達、一人でも多くの親戚に観にきてもらおうと、少しでも暇を見つけては同じ内容のメールを送り続けました。

メールの冒頭の挨拶文の、相手方の名前だけ変えて送信ボタンを押し続けました。
本当に時間がない時は、失礼を承知でBCCで一斉送信しました。
知り合ったばかりの人にも遠慮なく送りつけて、嫌な思いをさせたりもしました。

知り合いをとことん増やすためにかたっぱしからマイミク申請をしまくり、友達を増やすことに必死な毎日でした。



劇団は、「コーヒー牛乳」から「ゲキバカ」へと名前を変え、徐々に劇場は大きくなったりしました。
シアターグリーンのBIG TREE THEATER、東京芸術劇場の小ホール、吉祥寺シアターなど、のちに梅棒として踏むことになる劇場もたくさん経験することができました。

大阪の劇場で泊まり込みで稽古したり、愛知のフェスに参加したりもしました。
たくさんの素晴らしい経験をしました。



演劇が楽しかったのは事実で、間違いありません。
けれど、金銭的にも苦しく、自分の人生の行く末も不透明で

目の前の演劇の楽しさに目を向けて、ただ毎日を生きていました。




演劇と並行して行なっていたダンスチーム「梅棒」

2009年と2012年に、ダンスコンテストで入賞、優勝しました。
それをきっかけに劇場に進出するようになりました。

シアターグリーンのBIG TREE THEATERでの第1回公演「スタンス」
客席数は約160。

そこから、東京芸術劇場、世田谷パブリックシアター、PARCO劇場、俳優座劇場、吉祥寺シアター、東京グローブ座、ZEPPブルーシアター六本木、シアター1010、こくみん共済 coop ホール(全労済ホール)/スペース・ゼロ、本多劇場、サンシャイン劇場と

普通の小劇場の感覚では考えられないスピードで、劇場の規模を大きくしていくことができました。
頑張って大きな劇場に挑戦した部分もありましたし、本当にいろんな方のお力添えのおかげでそれが可能となりました。



まだ芸事だけで食べていけるか不確かな時期に、一念発起してバイトをやめました。

すると不思議なことに、梅棒での活動を通じて、振り付けをはじめとしたありがたい仕事をいただけるようになりました。
ゆずさん、GReeeeNさん、嵐さん、AKB48さん、宝塚歌劇団さんに、2.5次元の世界などなど。他にもたくさん。

年を追うごとに、いろんな出会いがあり、世界が加速度的にどんどんと広がっていきました。



そうして気がつくと、30代はあっという間に終わりを告げていました。



初めて劇団コーヒー牛乳で舞台に立った2005年から、18年
初めて梅棒で公演を行った2012年から、11年

まもなく
2023年の3月10日から、梅棒の第16回公演「曇天ガエシ」が始まります。

東京公演の会場は
「なかのZERO大ホール」そして、「新国立劇場 中劇場」
どちらも総客席数は1,000席を超えます。

演劇公演を行う団体として、1,000席を超える劇場で本公演を行えることが決して当たり前ではないことは、よくわかっているつもりです。

80席→1,000席

劇場のサイズが全てではなく、演劇においては必ずしも重要な要素でないことはもちろんわかっています。

我々が今後このサイズでずっとやり続ける、というわけでもないですが、

それでもここまで辿りついたことは、やはり感慨深いものがあります。




自分が片足ずつ突っ込み続けて、どちらに絞ることもなく続けてきた「演劇」と「ダンス」

たくさんの辛い思い出がありました。
たくさんの楽しい思い出がありました。
たくさんの人たちが力を貸してくれました。

自分が代表を務める団体が、仲間と続けてきた団体が、ここまでたどり着きました。


一人でも多くの人に、この作品を観ていただきたいです。



公演の特設サイトから、チケットのご予約が可能です。
ご予約、お待ちしています。



梅棒 16th showdown『曇天ガエシ』

【公演特設サイト】
http://umebou16th.dynamize.net

【作・総合演出】
伊藤 今人[梅棒]

【振付・監修】
梅棒


【出演】
梅澤 裕介
鶴野 輝一
遠山 晶司
塩野 拓矢
櫻井 竜彦
天野 一輝
野田 裕貴
多和田 任益[以上、梅棒]

千葉 涼平[w-inds.]
音 くり寿
鳥越 裕貴
YOU
後藤 健流
IG
上西 隆史[AIRFOOTWORKS]
泰智[KoRocK]
えりなっち
akane
MIKU
Sota[GANMI]


【公演日程・会場】

<東京>
2023年3月10日(金)~3月12日(日)@なかのZERO大ホール/全4ステージ
3/10(金)19:00
3/11(土)13:00/18:00
3/12(日)13:00

2023年3月16日(木)~3月22日(水)@新国立劇場 中劇場/全10ステ

3/16(木)14:00/19:00
3/17(金)19:00
3/18(土)13:00/18:00
3/19(日)休演日
3/20(月)14:00/19:00
3/21(火・祝)13:00/18:00
3/22(水)14:00

<大阪>
2023年3月31日(金)~4月2日(日)@森ノ宮ピロティホール/全5ステージ
3/31(金)14:00/19:00
4/1(土)13:00/18:00
4/2(日)13:00

<愛知>
2023年4月8日(土)~4月9日(日)@日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール/全3ステージ
4/8(土)18:00
4/9(日)13:00/18:00



【チケットに関するお問い合わせ】
<東京>チケットスペース:03-3234-9999
<大阪>キョードーインフォメーション:0570-200-888
<愛知>サンデーフォークプロモーション:052- 320-9100



【あらすじ】
"オウゴン"の採掘により発展した国「ジパングリ」で、王の妻によるクーデターが勃発。跡継ぎだったメツ王子は物心つかないうちに王宮を追われ、行方不明に。

それから十数年…

女王の圧政に苦しむ人々の救いは、国からオウゴンを盗み出し民に分け与える義賊集団「マサゴ」だった。その中に、成長し街を飛び回るメツの姿が。
一方、武力で圧政を覆そうとするテロ組織「クニクズシ」も怪しい動きを見せていた。

ある日、メツは女王の息子であるヌューダ王子と偶然街で出会い、運命の歯車が回り出す。

果たしてこの国の行く末はいかに…


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