空想と地図とまちあるきと
はろーわーるど、こんにちは。空想と地図の企画室です。
Rano、地理人に引き続きまして、今回はうねおかがお送りします。
わたくし、うねおかがナニモノなのかは前回の地理人noteによる的確な紹介にあずかりましたためここでは割愛いたしますが、そのメンバー紹介の通り、東京都民のRano・地理人、広島県民ますば、北海道民うねおか…と見事に居住地ばらばらです。
打ち合わせなんかも当然オンラインで、企画室発足以来初めて4人集合したのは昨年(2023年)12月の空想地図学会だったりします。
そんなオンラインの打ち合わせの中で、北海道に大集合しようという話でひとしきり盛り上がり、フットワークの軽いメンバーの足は冬真っ盛りの札幌へと向かったのでございました。ひと月ほど前、1月末のお話です。
そんなわけで今回は、私の住む街の「まちあるきレポ」的noteなど。
札幌ただいまリニューアル中
いま札幌都心では、ビルの建替えや再開発がそこかしこで進んでいます。
再開発の波は、いま日本の都市で多く見られる傾向だとは思いますが、札幌ではその傾向がより強く感じられます。
これは1972年の札幌オリンピックに合わせて急速に都心の建物の高度化(ビル化)が進んだ影響があるのかと思います。50年以上も前ですね。
それだけ経つと一斉に建て替え時期がきた、というわけです。
加えて2030年にやってくる予定の新幹線が追い風に。そりゃあ街も変わるってものです。
昨年2023年だけでも、札幌駅周辺のパセオ、エスタが閉鎖、狸小路に面した再開発事業モユクサッポロが開業、すすきの交差点に面した百貨店跡地にココノススキノが開業…と街の顔ぶれが大きく変わるニュースが続きました。ここ数年札幌行ってないな~という方、色んなところ変わってて楽しめると思いますよ。
札幌市民が札幌を観光的にまちあるきする体験
私は普段札幌に住まっています。そんな普段から接している街だと「どこがオープンした」「どこが無くなった」という新しい情報は自然と入ってきます。当然ですよね。地元のニュースや口コミなんかで、どんな雰囲気なのか、どんなお店が入っているか、なんて情報も入ってきます。
おお~、あそこに北海道初出店のお店が~。それは楽しみ~。…似たような会話、みなさんもしたことがあるのでは?
なので、今日でも明日でもいつでも行けるのですが、しかしなんとなく、いつでも行けるがゆえに後回しにしてしまったり、思わぬタイミングでふらりと初潜入してしまうということが多かったなぁと思います。
単に私のモノグサっぷりが出てるだけかもしれませんが…
なのでむしろ行けなくなる場所の方が意識して行く事が多いでしょうか。
エスタや4プラなどは営業終了の知らせを聞いてからあえて足を運んだ自分を思い出しました。…ミーハーなだけかも。
とはいえ、街を使いこなすなら普段からちゃんと見に行くべきだなぁと思います。こまめな実体験が、空想や地図でアレコレするときの引き出しになるのです。きっと。
それから余談になりますが、初めて「札幌市街地に宿泊する」という体験をしました。自分の住む街に泊まる。これは日常でも非日常でもない体験でしたね。「友人宅にお泊り」が一番近い。というか実質的にそのものです。そりゃそうだ。
まちを見て歩こう
今回そうしてじっくりと街を見て回った中で、私、うねおか的にやっぱりそうだよねと思ったこと、なるほど確かにと思ったことがそれぞれありました。
前者はチ・カ・ホこと駅前通地下歩行空間のこと。
札幌駅と大通駅の両エリア間には、地下鉄を乗るに短し歩くに長し、という絶妙に微妙な距離感があります。そんな両エリアを結びつける地下歩道として整備されたのがチ・カ・ホ。2011年のことでした。
10年余り経ち、いまやすっかりチ・カ・ホを歩くのは札幌の日常となりました。
当初は「地下歩行空間」らしく、現代風の小綺麗な意匠をしつらえながらも、広告があるくらいで割と素っ気のない通路でした。
その後、チ・カ・ホに面するビルの建て替えがどんどん進むにつれてビルとチ・カ・ホを直結する出入口が次々と増えてきたこの頃。
その出入口空間はオープンで明るく洗練された雰囲気を作りつつ、飲食店を中心としてさまざまなお店が面し、人が集まる空間が年々増えています。
こういった景色が増えたことは私以外の来訪者3名も、好意的に捉え、また札幌的と思ってもらえたのでは、と思っています。
やっぱりそうだよねー、おもしろいよねー、うんうん。道外のみなさんとわたくし、近い目線を持っていたなと感じます。
すっかり欠かせない存在となったチ・カ・ホ。完成前はうまく活用されていくのか半信半疑だった記憶もありますが、いまや都市の財産であり、ある意味では文化として根付きつつあるのでしょう。
そして札幌駅から南へ歩いて行った一行は、そのまま大通を越え、狸小路を越え、すすきのまで歩きました。
すすきのには、2023年の終わり頃にココノススキノがオープンしています。
ここは私が「なるほど確かに」と思ったスポットです。
まずはココノススキノ、できたばかりなので評価を判断するにはまだ早いでしょうけれど、今時点では素直にとても良いスポットだと感じます。
遠くからでも映える外観意匠と、密度感が有りながらも多様な視点場がある内部構成など、想像以上の体験ができたことで「これは面白い施設が誕生したぞ」と今後の展開にさらなる期待を持ちました。遠くから見えてきた時点でみんなテンション上がり気味だったのも印象深い思い出。
その上で「なるほど」と思ったのが、札幌駅から離れた場所でこんな集客施設ができたとは、というコメントが出たときでした。
全国的に、(駅から少し離れた場所にある)旧来の都心エリアから、拠点となる鉄道駅のエリアに賑わいの中心がシフトしつつあります。理由はその街それぞれとしても、旧来の都心エリアの相対的な地位低下というのはトレンドとして感じられるところ。
札幌も同じです。駅ビルとしてJRタワーができた2003年以降、札幌駅周辺はサツエキと呼ばれるようになり大きく伸展し、対する大通エリアの求心力低下は常に指摘されてきました。
そんな中、サツエキから離れたススキノにできた複合商業施設。
なるほど。
う~ん、あまりそういう意識、なかったなぁ。
この両者の違いってなんでしょうね。
思うに、チ・カ・ホは札幌の人間的にもまだ新鮮な現象なのでしょう。
チ・カ・ホ自体の登場もセンセーショナルだった上に、そこにどんどん「いい感じ」のお店が増えていく。チ・カ・ホも馴染んだとは言え、まだここ10年以内の話。いわば現在進行形のトレンド。
在住者の視点が来訪者と近い場所にあるんだろうなと感じました。
一方でココノススキノは札幌の人間的には妥当な現象のように感じられています。
拠点駅(札幌駅)から2駅離れていますが、とはいえすすきのなんだから人の集まる場所だろうという前提意識が強いのです。
在住者と来訪者の視点はそのあたりがすこし違うんだなぁと思いました。
「当たり前」度の違い、あるいは「日常」度の違いとでもいいましょうか。
自分が旅行に出て、知らない街を歩くときも「この景色はこの街に住んでいる人にとっては当たり前の景色なんだよなー」と思うことがありますが、こういうことかーと納得しました。
実際に街を見て歩くのは色んな気づきがあって楽しいですね。
慣れない街を歩くのはもちろんですが、自分の住む街をあらためて歩くと意外に発見があるものです。
まちあるきで得られる視座というのは、空想で遊ぶにも、地図で遊ぶにも、あって困ることはないなぁと思う次第です。
…なんだかややこしい事を書いてしまった気もしますが、見慣れないものに好奇心を持って、それが面白いと思うこと。それが一番いいのだと思います。楽しいですからね。
何人かで歩けばいろんな見方ができて、またおもしろい。
今回はそんなまちあるきのススメでした。
私たち、空想と地図の企画室は「空想地図」という趣味を盛り上げる活動をしていきます。そして、その活動範囲は「空想地図そのもの」だけを扱うのではなく、そのまわりも含めて広く取り上げたいと思っています。
それが、多様な人が空想地図を見てくれるきっかけとなったり、空想地図を作る人たちにとっても新たな良い刺激になればいいなと、そんなふうに思っています。
おまけ
ZINE取扱い書店 laboratory hacoさんへ行ってきた
当企画室発行のZINE「空想と地図」を取扱っていただいております、laboratory hacoさん(南6条西14丁目)にもメンバーみんなでお邪魔しました。
こぢんまりとしながらも、個性ある品揃えの本とフレンドリーな店主さんが迎えてくれます。
ゆっくりお茶もできます。ぜひお立ち寄りを~!
Fビレッジにも行ってみた
街と言うには特殊ですが、北広島にあるFビレッジ、エスコンフィールドHOKKAIDOにも足を運びました。
野球の試合やイベントがなくても、観光地としていいですね。
何もないところに突然現れる巨大施設。今日びなかなかないような景気のよさがあり、非日常的であり、「野球場」ではなく「ボールパーク」を体感できる。ボールパークという概念はまだ日本には馴染みが薄いので、今後どんな展開を見せていくのか個人的に期待しています。
それでは今回はこのへんで。次回の記事もお楽しみに!
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