FIFA Executive Programme in Football Agency 1st Edition(2)
第3モジュール
前回に引き続き、私が現在参加している、FIFA Executive Programme in Football Agency 1st edition(以下、「本プログラム」といいます)について、ご紹介します。2023年1月24日から同月27日まで第3モジュールがオンラインで開催されました。今回は、その内容とFIFAが立ち上げて2023年2月6日に公表したFootball Agent Working Groupについて書きたいと思います。
第3モジュールは、各日2コマずつ(1コマ1時間程度)となり、第2モジュールまでのスケジュールと比較すると、コンパクトなスケジュールとなっておりました。
講義内容
第3モジュールのテーマは、「取引及び顧客の獲得」であり、各講義の内容及び講師は次の通りです。個人的には、Day3の1コマ目の講師がベンゲル氏で、同氏のアーセナルでのエージェントとの関わり方を1時間のフリートークの中で聞くことができ、その中でいくつかエージェントの仕事というものがどうあるべきか、どのように取り組むべきかということを話されていたのが印象的でした。
【Day 1】
・Transfer in Asia /Australia / Maurizio MORANA (Sport Agent)
・Working in female football player’s view /
Arianna CRISCIONE (N3XT Sports - Director of Women’s Football)
【Day 2】
・Transfers in South America what do you need to know? /
Daniel CRAVO (Cravo, Pastl and Balbuena Associated Attorneys -
Lawyer and CAS Arbitrator)
・Player’s rights and protection /
Gareth FARRELLY (FIFA - Qualified Solicitor and Arbitrator)
【Day 3】
・Negotiation skills/
Arsène WENGER (FIFA - Chief of Global Football Development)
・Negotiation skills and Scouting /
Tomasz PASIECZNY (POLISH FA - Sporting Director Course
Coordinator)
【Day 4】
・Commissions (how much, when and how)/
Carolina CRISTINZIANO (Vice President Club Atletico Rosario Central
of Argentina - Lawyer)
・Commissions (transfer and accounting implications) /
Kieran MAGUIRE (University of Liverpool - Associate Professor in
Football Finance)
Football Agent Working Group
このグループは、FIFAがFFAR第25条に基づき、ステークスホルダーとフットボールエージェントの中から選出された者で構成された組織です。また、このグループは、フットボールエージェントに関連する事項について永続的な諮問機関として活動することが期待されています。
FIFAの2023年2月6日付の公表によると、18名のメンバーが選手され、その内訳は、世界各国のエージェントが14名、ヨーロッパエージェント協会の顧問弁護士が1名、ECAから1名、プレミアリーグから1名及びFIFPROから1名となっています。
さらに、14名のエージェントの内訳は、以下のとおりです。
【ヨーロッパ(4)】イギリス、チェコ、スウェーデン、スペイン
【アフリカ(1)】ナイジェリア
【北中米カリブ海(2)】カナダ、コスタリカ
【南米(5)】アルゼンチン×2、メキシコ、コロンビア、ウルグアイ
【アジア(1)】インド
【オセアニア(1)】オーストラリア
このメンバー選考のプロセス及びその公平性はどうなのかわかりませんが、FFARの承認までの数年にわたるコンサルプロセスの中でFIFAに好意的であった各エージェント協会のメンバーが選出されている可能性も否定できません。
もっとも、上記14名のエージェントから選出されたメンバーのうち、3名は現在私が参加している本プログラムの仲間です。
このグループがどのように運営されていくのかここから注目しなければなりませんが、選出された仲間たちには惜しみない声援を送りたいと思っており、また適宜どのようなことをしているのか聞いてみたいと思います。
結び
第3モジュールは、コマ数はこれまでより減ったものの少し時間的ゆとりもできて、1コマあたりにかけられるパワーもより使えるようになったことから濃密な時間となりました。
そして、いよいよ第3モジュールまで終了し、残すところFIFAでの第4モジュールのみとなりました。
次回は、チューリッヒでいろいろな経験ができると思いますので、また機会を見つけてご紹介したいと思います。